空き家買取とは?メリット・注意点・流れと、買取でも使える3,000万円控除を解説

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最終更新日:2026/10/29

空き家を手放す前に整理する4つのポイント空き家を手放す前に整理する4つのポイント

「実家を相続したけれど、遠方に住んでいて管理できない」「誰も住まない家に、固定資産税だけ払い続けている」——空き家をどうするかで悩んでいる方は少なくありません。空き家は放っておくほど傷みが進み、価値が下がるうえ、防犯や防災の面でも不安が大きくなります。

さらに見過ごせないのが、「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」による所有者の責任です。管理が不十分なまま行政の勧告を受けると固定資産税の軽減が外れ、命令に従わなければ50万円以下の過料、最終的には行政代執行で解体され、その費用を請求されることもあります。「そのうち考えよう」と先送りするほど、選べる手段は狭まっていきます。
一方で、空き家は仲介で売るだけでなく、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」という方法もあります。リフォームも解体も片付けもせず、今の状態のまま短期間で現金化でき、仲介手数料もかかりません。相続した空き家なら、最大3,000万円の特別控除を使える可能性もあります。
この記事では、空き家買取の仕組みとメリット・注意点、使える税金の特例、買取の流れを、空き家の買取を手がける当社の事例を交えて解説します。

空き家を放置するとどうなる?

空き家を放置する4つのリスク空き家を放置する4つのリスク

人が住まなくなった家は、思っている以上に早く傷みます。空き家を放置すると、主に次のようなリスクがあります。

  • 建物の劣化・倒壊:換気や通水がされないと、湿気やカビ、雨漏りで傷みが一気に進みます。外壁や瓦が落ちたり、建物が倒れたりして通行人や隣家に被害が出れば、所有者が損害賠償責任を負います。
  • 維持費がかかり続ける:固定資産税・都市計画税に加え、草木の手入れや修繕、火災保険、水道・電気の基本料金などがかかり続けます。傷みが進むほど修繕では追いつかなくなり、解体にも多額の費用がかかります。
  • 防犯・近隣への影響:雑草や害虫、ごみの不法投棄、不審者の侵入や放火のおそれなど、近隣の住環境にも悪影響を与えます。

空家法による行政の措置

空家法では、倒壊の危険や衛生上の問題がある空き家を「特定空家」、このまま放置すれば特定空家になるおそれがある空き家を「管理不全空家」(2023年12月の改正で新設)として、市区町村が次のような段階で措置をとります。

段階 内容
助言・指導 適切に管理するよう、市区町村から求められる
勧告 改善されない場合に勧告。勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が外れ、土地の税額が最大で6倍程度に上がる(管理不全空家でも対象)
命令 特定空家で勧告に従わない場合。命令に違反すると50万円以下の過料
行政代執行 それでも改善されない場合、行政が建物を解体などし、その費用を所有者に請求。災害時などには、命令を経ずに行う緊急代執行も可能になった

空家法について詳しくは空家対策特別措置法とは?で解説しています。

参考資料:東京都住宅政策本部|東京都空き家情報サイト

東京都の空き家は約90万戸

東京都にも約90万戸の空き家がある東京都にも約90万戸の空き家がある

総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年10月時点の東京都の空き家は約90万戸で、都道府県別では全国で最も多い数です。全国の空き家は約900万戸と過去最多になりました。
全国と東京都の空き家数の推移
全国と東京都の空き家数の推移

引用:総務省|令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果

東京都の空き家に関するデータ

  東京都 全国
空き家数 約90万戸 約900万戸
空き家率 約11% 約13.8%

東京都の空き家の多くは、入居者のいない賃貸住宅です。ただし、賃貸や売却の予定もなく使われていない、いわゆる「放置空き家」も増え続けています。主な背景は次のとおりです。

  • 高齢化と相続:親が亡くなったり施設に入ったりした後、子どもはすでに別に家を持っていて、実家が使われないまま残るケースが増えています。
  • 相続人どうしの話し合いが進まない:兄弟の共有になった、遺産分割がまとまらないなどの理由で、売るにも貸すにも決められない家が残ります。
  • 売りにくい物件が多い:都内には、道路に接していない再建築不可の家や、借地上の古い家、狭い路地沿いの家など、一般の買主が見つかりにくい物件も多くあります。
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空き家の買取とは?

空き家の「買取」と「仲介」を比較空き家の「買取」と「仲介」を比較

空き家の買取とは、不動産会社が買主になって、空き家を直接買い取る方法です。不動産会社は、買い取った後にリフォームして再販したり、解体して新築したりすることを前提にしているため、古い家や傷んだ家でも、今の状態のまま買い取れることが多いのが特徴です。

「買取」と「仲介」の違い

  買取 仲介
買主 不動産会社 一般の個人など
売れるまでの期間 数週間〜1ヶ月程度が目安 3〜6ヶ月程度。古い家は1年以上かかることも
価格 仲介より低くなりやすい 相場に近い価格で売れる可能性がある
仲介手数料 かからない かかる
リフォーム・解体・片付け 不要なことが多い 求められることが多い
売却後の責任(契約不適合責任) 免除の特約にできることが多い 負うのが一般的
近所に知られるか 知られにくい 広告するので知られやすい

価格を優先するなら仲介、早さや手間の少なさ、売った後の安心を優先するなら買取が向いています。特に、古くて傷んだ家、遠方で管理できない家、荷物がたくさん残っている家、再建築不可や借地上の家などは、仲介では買主が見つかりにくく、買取のほうがスムーズに進むことが多いです。
ただし、物件の状態や立地によっては、買取が難しい場合や、価格が大きく下がる場合もあります。空き家の売却全般については空き家の売却・買取ガイドもご覧ください。

空き家買取の5つのメリット

空き家買取の5つのメリット空き家買取の5つのメリット

メリット1. 短期間で現金化できる

買取会社が直接の買主なので、買主を探す期間がありません。条件がまとまれば、数週間から1ヶ月程度で現金化できることが一般的です。買主の住宅ローン審査もないため、途中で話が流れる心配もほとんどありません。相続税の納税期限がある場合や、早く維持費から解放されたい場合に向いています。

メリット2. 仲介手数料がかからない

仲介で売ると、成約時に仲介手数料(売買価格×3%+6万円+消費税が上限)がかかります。買取は不動産会社との直接の取引なので、仲介手数料は不要です。

メリット3. リフォーム・解体・片付けが不要

仲介で売る場合、買主に良い印象を持ってもらうためにリフォームしたり、更地にして売るために解体したりすることがあります。しかし、費用をかけたのに売れない、ということも珍しくありません。
買取なら、建物が傷んでいても、家具や遺品が残ったままでも、そのまま引き取ってもらえることが多いです。遠方に住んでいて、片付けのために何度も通うのが難しい方には大きなメリットです。
なお、売る前に解体すると、翌年から固定資産税が上がるうえ、再建築不可の土地では新しい家が建てられなくなります。解体は売り先が決まってから考えましょう(参考:古家付き土地を高く売る方法)。

メリット4. 売った後の責任を負わずに済むことが多い

古い空き家は、雨漏りやシロアリ、配管の劣化など、売主も気づいていない不具合を抱えていることがよくあります。一般の個人に売ると、引き渡し後に不具合が見つかった場合、売主が修理代や代金の減額を求められること(契約不適合責任)があります。
買取では、不動産会社が建物の状態を織り込んで価格を決めるため、この責任を免除する特約で契約するのが一般的です。ただし、知っていた不具合を伝えなかった場合は免除されないので、わかっていることは事前に伝えておきましょう。

メリット5. 維持費や管理の負担から早く解放される

空き家を持っている限り、固定資産税・都市計画税、火災保険料、草木の手入れや見回りの費用、水道・電気の基本料金などがかかり続けます。管理不全空家として勧告を受ければ、土地の固定資産税も大きく上がります。早く売るほど、こうした負担を減らせます。

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相続した空き家の売却で使える税金の特例

相続した空き家を売る場合、次のような特例を使える可能性があります。

特例 概要 主な条件
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除 譲渡所得から最大3,000万円を控除(相続人が3人以上の場合は1人2,000万円) ・1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家(マンションなどは対象外)
・亡くなる直前まで亡くなった人が一人で住んでいた(老人ホーム入所などの例外あり)
・耐震改修するか解体して売る。売った翌年2月15日までに買主が耐震改修・解体する場合も対象
・相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売る
・売却代金が1億円以下
・2027年12月31日までの売却
相続税の取得費加算の特例 払った相続税のうち、売った財産に対応する分を取得費に加えられる ・相続税を払っている
・相続税の申告期限の翌日から3年以内に売る
・空き家の3,000万円特別控除とは選択適用

参考:国税庁|No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

2024年1月の改正で、売主が自分で耐震改修や解体をしなくても、売った翌年の2月15日までに買主が行えば特例を使えるようになりました。つまり、古い家を現況のまま買取会社に売り、買取会社が解体する場合でも、要件を満たせば3,000万円特別控除の対象になります。適用には確定申告と、市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」などが必要です。特例を使えるかどうかは、売る前に税理士や税務署に確認しましょう。

なお、小規模宅地等の特例(相続税の土地評価を最大80%減額)を使っている場合は、申告期限まで持ち続けることなどが条件になっていることがあります。相続税の申告前に売ると特例が使えなくなる場合があるので、売る時期にも注意が必要です。

空き家買取の注意点

空き家買取で確認する3つの注意点空き家買取で確認する3つの注意点

買取価格は仲介より低くなりやすい

買取会社は、買い取った後のリフォームや解体、販売までの経費とリスクを見込んで価格を出すため、仲介で売れた場合の価格より低くなるのが一般的です。
提示された価格が妥当かどうかを判断するために、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で周辺の取引価格を調べるなど、自分でもおおよその相場を把握しておきましょう。そのうえで、買取価格の根拠(建物をどう評価したか、解体費やリフォーム費をどれくらい見込んでいるか)を担当者に説明してもらうと納得しやすくなります。仲介手数料や片付け費用、売れるまでの維持費がかからない分も含めて、手元に残る金額で比べることが大切です。

相続登記と名義を整理しておく

相続した空き家は、相続人の名義に変える相続登記をしなければ売れません。2024年4月から相続登記は義務になり、相続を知った日から3年以内(2024年4月より前の相続は2027年3月31日まで)に登記する必要があります。兄弟などの共有名義になっている場合は、全体を売るのに共有者全員の同意が必要です(参考:相続登記が未了の不動産は売却できる?)。

契約内容をよく確認する

売買契約書には、価格、代金の支払い時期、引き渡しの時期、残置物の扱い、契約不適合責任の範囲、契約解除の条件などが書かれています。特に、「残置物はすべてそのままでよいのか」「契約不適合責任は免除されるのか」「契約後に価格が下がることはないか」は必ず確認し、不明な点はその場で質問しましょう。

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信頼できる空き家買取業者を選ぶポイント

信頼できる買取業者を選ぶ3つの基準信頼できる買取業者を選ぶ3つの基準

同じような物件の買取実績があるか

空き家といっても、古い戸建て、再建築不可の家、借地上の家、共有名義の家など、状況はさまざまです。ホームページの事例などで、自分の物件と同じような空き家を買い取った実績があるかを確認しましょう。扱いに慣れた会社なら、物件の価値を正しく評価し、手続きもスムーズに進められます。

宅建業の免許と、価格の根拠の説明

宅地建物取引業の免許番号を確認し、国土交通省のシステムで行政処分の履歴がないかも調べておくと安心です。査定の際に、価格の根拠をきちんと説明してくれるか、メリットだけでなくデメリットも話してくれるかも判断材料になります。

口コミや評判も参考にする

実際に利用した人の口コミや評判も参考になります。ただし、口コミは偏ることもあるので、一つの情報源だけで判断せず、担当者と実際に話した印象もあわせて判断しましょう。

空き家買取の流れ

空き家買取は5ステップで進める空き家買取は5ステップで進める

ステップ1. 相談・査定の依頼

買取会社に相談し、査定を依頼します。オンラインで所在地などから算出する「机上査定」と、実際に家を見て算出する「訪問査定」があり、正式な買取価格を出すには訪問査定が必要です。遠方に住んでいる場合は、鍵を預けて立会いなしで見てもらえることもあります。

ステップ2. 書類の準備

査定や契約に向けて、次のような書類を用意します。

  • 登記済権利証または登記識別情報
  • 固定資産税の納税通知書
  • 本人確認書類、印鑑証明書、住民票
  • 相続した場合は、相続登記が済んでいることがわかる登記事項証明書など
  • 建物の図面や、建築確認の書類(あれば)

ステップ3. 買取価格と条件の確認

査定が終わると、買取価格と条件が提示されます。価格だけでなく、残置物の扱い、引き渡し時期、契約不適合責任の扱いなども確認しましょう。気になる点は遠慮なく質問し、納得できたら次に進みます。

ステップ4. 売買契約の締結

条件に合意したら売買契約を結びます。契約書の内容をよく確認し、理解できない部分は専門家に相談しましょう。

ステップ5. 決済・引き渡し

残代金を受け取ると同時に、司法書士が所有権移転の登記を行い、鍵を引き渡して完了です。

売った翌年の2月16日から3月15日までの間に、確定申告が必要です。利益が出た場合や、空き家の3,000万円特別控除などの特例を使う場合は、忘れずに申告しましょう。

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マーキュリーの空き家買取事例

空き家買取を成功させる3つのポイント空き家買取を成功させる3つのポイント

当社は、借地・底地・共有持分などの権利調整を本業とし、権利調整の実績は400件を超えます(当社サイト掲載時点)。一般の方には扱いにくい空き家の買取も数多く手がけてきました。

長年空き家だった長屋を、隣の住戸ごと買取(港区南麻布)

長年空き家になっていた一棟長屋の一部を、老朽化と維持管理の負担から手放したいというご相談でした。長屋は隣の住戸と構造がつながっていて、単独では解体も建て替えも難しい状態でした。当社が隣接する部分も含めて一括で買い取り、全体を解体して新築戸建てに再生しました。
事例を見る:港区南麻布

相続したが使わず、地代だけ払っていた借地の家(世田谷区成城)

相続で借地権付きの家を取得したものの、すでに自宅をお持ちで使う予定がなく、地代だけを払い続けていた方からのご相談でした。相続登記を担当した司法書士事務所からのご紹介です。周辺に借地権の取引事例がほとんどないエリアでしたが、市場を調べたうえで買い取りました。
事例を見る:世田谷区成城5丁目

空き家の戸建てと賃貸中の建物をまとめて買取(目黒区八雲)

相続対策として資産を現金化したいというご相談で、空き家になっていた戸建てと、郵便局として貸していた建物をまとめて当社が取得しました。
事例を見る:目黒区八雲

当社は、戸建て、アパート、マンション、賃貸併用住宅、既存建物のリフォームなど、さまざまな事業の中から、その空き家を最も活かせる方法を考えて買取価格をご提案します。家具や荷物が残ったまま、建物が傷んだままでもご相談ください。実家の処分については実家の処分方法、相続した家の売り方は相続した家を売却する方法、傷んだ家の買取はボロ家の買取はどこまで可能?もご覧ください。

空き家買取に関するよくある質問

Q. ボロボロの空き家でも買い取ってもらえますか?

多くの場合、買い取ってもらえます。買取会社は買い取った後に解体や大規模なリフォームを行う前提で価格を出すため、雨漏りや傷みがある家でも対象になります。ただし、立地や建物の状態によっては、価格が大きく下がったり、買取が難しかったりする場合もあります。

Q. 家具や遺品が残ったままでも売れますか?

買取であれば、残置物があるままでも引き取ってもらえることが多いです。当社でも、家具や荷物が残った状態での買取に対応しています。残しておきたい物は事前に持ち出しておきましょう。

Q. 買取でも空き家の3,000万円特別控除は使えますか?

要件を満たせば使えます。2024年1月からは、売った翌年2月15日までに買主が耐震改修や解体を行う場合も対象になりました。1981年5月31日以前に建てられた家であることや、相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売ることなど、ほかの条件も確認しましょう。

Q. 相続登記がまだですが、相談できますか?

相談はできますが、売買の前に相続登記を済ませる必要があります。2024年4月から相続登記は義務になっているので、早めに手続きを進めましょう。

Q. 空き家を放置するとどうなりますか?

建物の傷みが進んで価値が下がるうえ、管理不全空家や特定空家として勧告を受けると固定資産税の軽減が外れます。特定空家で命令に違反すると50万円以下の過料、最終的には行政代執行で解体され、費用を請求されることもあります。

Q. マーキュリーはどのエリアに対応していますか?

東京都内を中心に、首都圏で開発を行っています。

まとめ

空き家買取で押さえる5つの要点空き家買取で押さえる5つの要点

空き家は放置するほど価値が下がり、税金や管理の負担、空家法による行政の措置のリスクも大きくなります。買取なら、リフォームや解体、片付けをせずに、今の状態のまま短期間で現金化でき、仲介手数料もかかりません。相続した空き家なら、買取でも3,000万円特別控除を使える可能性があります。
価格は仲介より低くなりやすいため、相場を把握したうえで、価格の根拠をきちんと説明してくれる会社に相談しましょう。

株式会社マーキュリーは、戸建て・アパート・マンション・賃貸併用住宅・既存建物のリフォームなど、さまざまな事業の中から、その不動産を最も活かせる方法を考えて買取価格をご提案します。古い家、荷物が残った家、借地上の家や再建築不可の家も、ぜひ一度ご相談ください。

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