使わなくなった実家や空き家、相続した土地などの不動産を「手放したい」と考える方は年々増えています。住む予定がないのに固定資産税を払い続けたり、草刈りや管理に手間を取られたりする状況は、精神的にも経済的にも負担になりがちです。
特に近年は、人口減少や都市部への集中によって、地方や郊外の不動産が「売りたくても売れない」状態に陥るケースも見られます。いわゆる「負動産」と呼ばれる、保有するほど損失が膨らむ物件の存在も無視できません。
一方で、不動産を手放す手段は売却だけではありません。買取、相続放棄、相続土地国庫帰属制度など、状況に応じて選べる方法が複数あります。それぞれにメリットと制約があるため、自分のケースに合った選択肢を見極めることが大切です。
この記事では、不動産を手放したい方に向けて、各手段の特徴や保有コスト、選び方のポイントを整理してお伝えします。読み終える頃には、ご自身に適した進め方の方向性が見えてくるはずです。
なぜ今「不動産を手放したい」人が増えているのか
不動産を手放したいと考える背景には、いくつかの共通した事情があります。代表的なのは、相続によって望まない形で物件を引き継いだケースです。遠方の実家や、活用予定のない土地を相続し、管理だけが残ってしまう状況は珍しくありません。
総務省の住宅・土地統計調査によると、空き家は増加傾向にあります。社会全体で見ても放置されにくい問題になっています。
出典:総務省統計局|住宅・土地統計調査
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html
また、高齢化に伴い実家を離れて暮らす世帯が増えたことも一因です。親が施設に入居したり、亡くなったりした後、誰も住まなくなった家屋が残されるパターンが目立ちます。こうした物件は、放置するほど劣化が進み、資産価値も下がっていく傾向にあります。
加えて、毎年発生する固定資産税や都市計画税、火災保険料などの維持コストも見過ごせません。使っていない不動産にコストを払い続ける状況に疑問を抱き、早めに手放す決断をする方が増えていると考えられます。
不動産を手放す4つの主な方法
不動産を手放す手段は、大きく分けて「売却(仲介)」「買取」「相続放棄」「相続土地国庫帰属制度」の4つがあります。それぞれ仕組みも条件も異なるため、まずは全体像を把握しておくことが重要です。
たとえば、買い手が見つかりやすい立地の物件なら売却が選びやすい一方、老朽化が激しい家屋や再建築不可の土地は、買取のほうが現実的な場合があります。相続放棄は財産そのものを引き継がない選択であり、国庫帰属制度は一定の負担金を納めて国に土地を引き取ってもらう制度です。
以下に、4つの方法の特徴を比較表にまとめました。ご自身の状況と照らし合わせながら確認してみてください。
| 手放す方法 | 主な対象 | 手元に入るお金 | 期間の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| 売却(仲介) | 需要のある不動産 | 売却額(手数料を差引) | 数か月〜1年以上 | 立地が良く買い手が見込める |
| 買取 | 訳あり・老朽含む幅広い物件 | 査定額がそのまま手取り | 最短数日〜数週間 | 早く・確実に手放したい |
| 相続放棄 | 負債込みの相続財産 | なし(権利を放棄) | 相続開始を知って3か月以内 | 借金など負債が大きい |
| 相続土地国庫帰属 | 一定要件を満たす土地 | なし(負担金を納付) | 審査含め1年程度 | 売れない土地を国に引取依頼 |
このように、手放す目的が「現金化」なのか「負担からの解放」なのかによって、適した方法は変わります。次の章から、それぞれをもう少し詳しく見ていきましょう。
売却(仲介)で手放す場合のポイント
売却は、不動産会社に仲介を依頼して買い手を探してもらう、最も一般的な方法です。市場価格に近い金額での取引が期待できる点が魅力で、立地条件が良い物件や築年数が浅い物件に向いています。
ただし、仲介には買い手が見つかるまで時間がかかるという側面があります。一般的には数か月、条件によっては1年以上を要することもあり、その間も固定資産税や管理の負担は続きます。たとえば固定資産税が年12万円の物件であれば、売却まで1年かかると12万円の保有コストが上乗せされる計算です。
また、売却が成立すると仲介手数料が発生します。手数料は法律で上限が定められており、売買価格が400万円超の場合は「売買価格×3%+6万円+消費税」が目安です。仮に1,000万円で成立すれば、手数料はおよそ39万円台になります。
会社を選ぶ際は、査定額の根拠をきちんと説明してくれるかどうかを確認しましょう。周辺の成約事例や物件の状態をふまえた説明があるかが、信頼できるパートナーを見極める手がかりになります。
買取で手放す場合のポイント
買取は、不動産会社が直接買い手となって物件を購入する方法です。市場で買い手を探す必要がないため、早く・確実に手放したい方に適しています。最短で数日から数週間程度でまとまるケースもあります。
買取の大きな特徴は、提示された査定額がそのまま手取り額になる点です。仲介と違って買い手を探す過程がないため、状況が安定しやすく、手放した後に話が振り出しに戻る心配も小さくなります。引き渡し時期を調整しやすいことも、生活設計を立てるうえで助けになります。
また、老朽化した家屋、再建築不可の土地、権利関係が複雑な物件など、いわゆる「訳あり物件」にも対応しやすいのが買取の強みです。一般の買い手が敬遠しがちな物件でも、再生のノウハウを持つ会社であれば引き受けられる場合があります。
買取を依頼する際は、訳あり物件に強い会社を選ぶことが重要です。どのような物件を扱ってきた実績があるか、査定額の根拠をどう説明するかを確認すると、安心して任せられる相手かどうかが判断しやすくなります。
相続放棄という選択肢
相続放棄は、不動産そのものを相続しないという選択です。借入金などの負債が不動産の価値を上回る場合や、引き継ぎたくない財産がある場合に検討されます。放棄すると、その不動産を含むすべての遺産を相続する権利を失います。
注意したいのは、手続きに期限がある点です。原則として、自分が相続人になったことを知った日から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があります。この期間を過ぎると、単純承認したものとみなされ、放棄が難しくなる場合があります。
また、相続放棄は「いいとこ取り」ができない仕組みです。不動産だけを手放して預貯金は受け取る、といった選択はできず、プラスの財産もマイナスの財産もすべて放棄することになります。判断には慎重さが求められます。
【制度メモ】相続放棄後の管理責任
相続放棄をしても、次に管理する人が決まるまでは、一定の管理義務が残る場合があります。放棄すれば即座にすべての責任から解放されるわけではない点に留意し、必要に応じて専門家へ相談することをおすすめします。
相続土地国庫帰属制度で土地を手放す
相続土地国庫帰属制度は、相続または遺贈で取得した土地を、一定の負担金を納めて国に引き取ってもらえる制度です。2023年4月にスタートし、売却が難しい土地を抱える方の新たな選択肢として注目されています。
法務省の案内によると、この制度を利用するには審査を経て承認を受ける必要があります。建物が建っている土地や、担保権が設定されている土地、境界が明らかでない土地などは対象外となるため、すべての土地が利用できるわけではありません。
負担金は、土地の管理に要する費用をふまえて算定されます。たとえば一般的な宅地の場合、面積に応じた金額や、原則として20万円が目安となるケースが案内されています。利用を検討する際は、最新の要件と金額を法務省の公式情報で確認しておくと安心です。
【制度メモ】国庫帰属の利用フロー
申請から承認までは審査が必要で、全体としておおむね1年程度かかると見込まれます。時間に余裕を持って準備を進めるとともに、買取など他の手段と比較したうえで選ぶことが大切です。
出典:法務省|相続土地国庫帰属制度
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html
手放さずに放置するとかかる「維持コスト」
不動産を手放すか迷っている間も、保有しているだけで費用は発生し続けます。代表的なのが固定資産税で、毎年1月1日時点の所有者に課税されます。市街化区域内であれば、これに都市計画税が加わることもあります。
たとえば固定資産税が年10万円、火災保険料が年3万円かかる物件を5年放置した場合、それだけで65万円の出費になります。さらに、遠方の物件であれば、草刈りや清掃のための交通費や業者費用も上乗せされていきます。
加えて、空き家を放置すると資産価値そのものが下がるリスクもあります。建物は時間とともに劣化し、修繕費が膨らむ一方、買い手の関心は薄れていきます。手放すタイミングを逃すほど、回収できる金額は小さくなりやすい傾向です。
| 維持コスト項目 | 年間の目安 | 5年間の累計目安 |
|---|---|---|
| 固定資産税 | 約10万円 | 約50万円 |
| 火災・地震保険料 | 約3万円 | 約15万円 |
| 管理・草刈り等 | 約4万円 | 約20万円 |
こうした保有コストを考えると、活用予定のない不動産は早めに手放す方が、結果的に負担を抑えられるケースが多いといえます。
負動産になる前に|早めの判断が負担を減らす
「負動産」とは、保有しているほど維持コストや管理の手間がかさみ、資産というより負債に近づいてしまう不動産を指す言葉です。需要の乏しい地方の土地や、再建築が難しい物件などが該当しやすいとされています。
負動産化を避けるうえで重要なのは、判断を先延ばしにしないことです。空き家は放置期間が長いほど劣化が進み、買い手の候補も減っていきます。早い段階で動くほど、選べる手段の幅も広がりやすくなります。
また、自分の不動産がどの程度の価値を持つのか、まずは現状を把握することが第一歩になります。査定を受けて市場での位置づけを知ることで、売却・買取・国庫帰属などのどれが現実的かを冷静に判断できるようになります。
迷っている段階でも、専門の会社に相談してみる価値は十分にあります。状況を整理し、選択肢を具体的に示してもらうことで、漠然とした不安が解消され、次の一歩を踏み出しやすくなるはずです。
なお、国土交通省の令和7年地価公示では、全用途平均・住宅地・商業地が4年連続で上昇しています(全国26,000地点)。地域差は大きいものの、相場の動向を把握したうえで判断することが大切です。
出典:国土交通省|令和7年地価公示
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo04_hh_000001_00060.html
マーキュリーが選ばれる4つの理由|あらゆる不動産を価値ある未来へ
不動産を手放したいと考えたとき、どの会社に相談するかは大きな分かれ道になります。マーキュリーは、一般的には扱いが難しいとされる物件にも向き合い、あらゆる不動産を価値ある未来へつなぐことを目指しています。ここでは、選ばれている4つの理由をご紹介します。
① 複雑な権利関係も調整できる権利調整力
共有名義や相続人が多数にわたる物件、借地権が絡む土地など、権利関係が複雑なケースは少なくありません。マーキュリーは、こうした調整が必要な物件にも対応し、関係者との合意形成を含めて手放すお手伝いをします。一般の買い手では進めにくい案件でも、相談先として検討いただけます。
② 再建築不可・訳あり物件の再生力
接道条件を満たさない再建築不可の土地や、老朽化が著しい家屋など、いわゆる訳あり物件は売却が難しいとされがちです。マーキュリーは再生のノウハウを活かし、こうした物件にも価値を見出して引き受けます。他社で断られた物件でも、まずはご相談ください。
③ 相続のお悩みに対応するワンストップ体制
相続した不動産を手放したい場合、登記や税金など関連する手続きが複雑になりがちです。マーキュリーは相続にまつわる相談にワンストップで対応し、必要に応じて専門家と連携しながら進めます。窓口が一つにまとまることで、手間と不安を軽くできます。
④ 直接買取で仲介手数料ゼロ・査定額がそのまま手取り
マーキュリーは直接買取を行うため、仲介手数料はかかりません。提示した査定額がそのまま手取り額になるので、手放した後にいくら残るのかが分かりやすく、資金計画も立てやすくなります。早く・確実に手放したい方に適した方法です。
まとめ|マーキュリーへご相談ください
不動産を手放す方法には、売却・買取・相続放棄・相続土地国庫帰属制度など複数の選択肢があります。それぞれに条件や向き不向きがあるため、ご自身の状況に合った手段を見極めることが、負担を減らす近道になります。
特に、活用予定のない不動産を放置すると、固定資産税などの維持コストがかさみ、資産価値も下がりやすくなります。負動産になってしまう前に、早めに現状を把握し、行動に移すことをおすすめします。
マーキュリーは、権利関係が複雑な物件や再建築不可の土地、相続した不動産など、扱いが難しいとされるケースにも対応しています。直接買取により仲介手数料はかからず、査定額がそのまま手取り額になる点も安心材料です。
「手放せるかどうか分からない」という段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。専門のスタッフが、あなたの不動産に合った進め方を一緒に考えます。





