

マンションを不動産会社に直接買い取ってもらう場合、買取価格は仲介で売る場合の市場価格より低くなるのが一般的です。よく「市場価格の7〜8割程度」といわれますが、これはあくまで目安で、すべてのマンションに当てはまるわけではありません。
同じマンションでも、階数や向き、室内の状態、管理状況、築年数、不動産会社の再販売方法によって買取価格は変わります。まず仲介で売った場合の相場を確認し、そのうえで実際の買取査定を比較するのが基本です。
この記事では、マンション買取相場の考え方、仲介価格との違い、自分で相場を調べる方法、少しでも高く買い取ってもらうためのポイントまで順番に解説します。
最初に結論
マンション買取相場には「必ず市場価格の○%」という決まりはありません。
一般には仲介市場価格の7〜8割程度が目安として紹介されていますが、再販売しやすいマンションほど市場価格との差が小さくなりやすく、リフォームや売却に時間・費用がかかる物件ほど差が広がりやすくなります。
相場を調べるときは、①仲介市場の成約価格を確認 → ②7〜8割を概算目安にする → ③実際の買取査定で確認という順番で考えると分かりやすいでしょう。
【2026年9月時点のマンション市況】
国土交通省の不動産価格指数は、算出プログラムの不具合により2026年1月分以降の公表が延期されています。そのため、2026年9月時点で確認できる最新の対象期間は2025年12月分です。
マンション買取相場は仲介価格の何割?


この章のポイント
市場価格の7〜8割程度はひとつの目安ですが、公的に決められた割合ではありません。まず「仲介ならいくらで成約しそうか」を把握することがスタートです。
マンション買取について調べると、「仲介相場の7割」「7〜8割程度」といった数字をよく見かけます。
SUUMOなどの不動産情報サイトでも、一般的な買取価格は市場価格の7〜8割程度が目安として紹介されています。
ただし、この割合は法律や公的統計で決められたものではありません。不動産会社が購入後にどのように再販売するか、どの程度の工事が必要かによって査定額は変わります。
市場価格から見た買取相場の概算早見表
| 仲介で想定される市場価格 | 70%で計算した場合 | 80%で計算した場合 |
|---|---|---|
| 2,000万円 | 1,400万円 | 1,600万円 |
| 3,000万円 | 2,100万円 | 2,400万円 |
| 4,000万円 | 2,800万円 | 3,200万円 |
| 5,000万円 | 3,500万円 | 4,000万円 |
| 7,000万円 | 4,900万円 | 5,600万円 |
| 1億円 | 7,000万円 | 8,000万円 |
たとえば仲介市場で3,000万円程度の成約が見込まれる住戸なら、単純計算では2,100万〜2,400万円程度がひとつの目安になります。
ただし、これはあくまで「相場感をつかむための計算」です。実際には2,400万円を上回ることもあれば、反対に2,100万円を下回ることもあります。
7〜8割より高くなりやすいマンション
- ●人気エリア・駅近など再販売しやすい
- ●同じマンション内で成約事例が多い
- ●築年数に対して管理状態が良い
- ●大きなリフォームをせず再販売しやすい
- ●ファミリータイプなど購入需要が見込める
7〜8割より低くなることがあるマンション
- ●室内の劣化が大きく工事費がかかる
- ●管理費・修繕積立金が高い、または将来負担が大きい
- ●旧耐震などで買主の融資に影響する可能性がある
- ●借地権・共有など権利関係の確認が必要
- ●再販売まで時間がかかると見込まれる
築年数だけで「○割」と判断せず、再販売のしやすさまで含めて見ることが大切です。
なぜマンションの買取価格は仲介より低くなる?
この章のポイント
買取会社は、購入後のリフォーム費用・販売費・保有コスト・売れ残りリスクなどを見込んで買取価格を決めます。
不動産会社は、買い取ったマンションをそのまま保有するのではなく、リフォームやリノベーションを行ったうえで再販売することがあります。
そのため、買取後には次のような費用やリスクが発生します。
- ●リフォーム・リノベーション費用
- ●購入時・再販売時の諸費用
- ●広告・販売活動の費用
- ●管理費・修繕積立金
- ●固定資産税
- ●資金調達にかかる費用
- ●販売までの期間
- ●予定価格で売れないリスク
買取価格の考え方
想定される再販売価格
- 再販売までに必要な費用
- 保有中の費用・リスク
- 事業として必要な利益
= 買取可能価格
このため、同じマンションでも、不動産会社によって査定価格に差が出ます。
フルリノベーションして販売する会社と、最低限の工事だけで販売する会社では必要なコストが違います。また、そのマンションをよく扱っている会社なら再販売価格を予測しやすく、査定に差が出る場合もあります。
仲介と買取の違いを比較
この章のポイント
価格を優先するなら仲介、売却時期・手間の少なさを優先するなら買取が検討しやすい方法です。
| 比較項目 | 仲介 | 直接買取 |
|---|---|---|
| 買主 | 一般購入者など | 不動産会社 |
| 売却価格 | 市場価格に近い価格を目指しやすい | 仲介より低くなる傾向 |
| 売却期間 | 買主次第 | 比較的予定を立てやすい |
| 広告掲載 | 行う | 原則不要 |
| 一般客の内覧 | 複数回行うことがある | 原則不要 |
| 仲介手数料 | 成約時に必要 | 直接買取なら不要 |
| 価格の確定 | 買主との交渉で決まる | 契約前に買取会社と合意 |
「買取は安いから損」「仲介なら必ず得」というわけではありません。
住み替えの日程が決まっている、相続したマンションを早く整理したい、一般の購入希望者による内覧を避けたいといった事情がある場合は、買取のメリットが大きくなることがあります。
仲介と買取の違いについては、不動産売却は仲介と買取どっち?違い・メリット・デメリットを解説も参考にしてください。
マンションの買取価格を左右する7つのポイント


この章のポイント
買取価格は築年数だけでは決まりません。同じマンション内でも、階数・向き・室内状態などによって査定額が変わります。
1.同じマンション内の成約事例
マンション査定で特に参考になるのが、同じ建物内で最近売買された住戸の成約価格です。
同じマンションなら立地・築年数・管理状況などの条件が共通しているため、周辺の別マンションより比較しやすくなります。
ただし、専有面積、階数、向き、室内状態、成約時期が違えば価格も変わります。
2.立地・駅からの距離
駅から近い、生活利便性が高い、住宅需要が安定しているといったエリアは、再販売しやすいと判断されやすくなります。
ただし、「徒歩5分なら○%上がる」といった固定的な査定ルールがあるわけではありません。
3.築年数
築年数は重要な査定項目ですが、「築20年を超えたら一律に何割」と決まるものではありません。
築年数が経過していても、人気エリアにあり、管理状態や修繕状況が良好であれば再販売需要が見込めるケースがあります。
4.階数・向き・眺望
同じマンション内でも、高層階と低層階、南向きと北向き、眺望の有無などによって成約価格に差が出る場合があります。
特にタワーマンションでは、階数や眺望による価格差が大きくなることがあります。
5.室内の状態
室内の劣化が大きく、設備交換や内装工事が多く必要な場合は、その工事費を見込んで査定します。
ただし、売主が先にリフォームすれば必ず高く買い取ってもらえるわけではありません。
買取会社が購入後に自社の商品企画に合わせて工事をすることも多いため、まず現況のまま査定を受けましょう。
6.マンション全体の管理状態
買取査定では、専有部分だけでなくマンション全体の管理も確認されます。
- ●長期修繕計画
- ●修繕積立金
- ●管理費
- ●大規模修繕の履歴・予定
- ●一時金の予定
- ●管理組合の運営状況
- ●共用部分の維持管理状態
購入後の買主もこうした点を確認するため、再販売価格に影響する要素として査定されます。
7.旧耐震・借地権・共有名義などの個別条件
旧耐震基準のマンション、借地権付きマンション、共有名義などは、一般的な区分所有マンションと査定の考え方が異なる場合があります。
「旧耐震だから市場価格の○割」と一律に判断するのではなく、耐震診断・改修の有無、管理状態、立地、買主の融資利用のしやすさなどを確認します。
マンション買取相場を自分で調べる方法


この章のポイント
ネットで直接確認しやすいのは主に「市場価格」です。市場相場を把握した後、実際の買取査定を受けて差を確認します。
1.国土交通省「不動産情報ライブラリ」で成約価格を見る
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、不動産の取引価格情報などを確認できます。
同じマンションが見つからなくても、近隣の築年数・面積が近い中古マンションを見ると、市場価格を考える材料になります。
2.同じマンションの売出物件を確認する
SUUMOやLIFULL HOME’Sなどで同じマンションが売り出されていれば、現在の販売価格を確認できます。
ただし、掲載されているのは基本的に売出価格です。実際にその価格で成約するとは限りません。
3.過去の成約事例と条件を比べる
同じマンション内の成約事例があれば、階数・向き・専有面積・成約時期・リフォーム状態を比較します。
同じ70㎡でも、低層階と高層階、室内未改装とリノベーション済みでは価格が異なるためです。
4.7〜8割で概算してみる
市場価格の目安が分かったら、70%・80%を掛けて、買取相場の大まかなレンジを計算できます。
仲介で想定される成約価格 × 70〜80%
= 買取相場を考えるときの概算目安
ただし、この計算結果が実際の査定額になるわけではありません。
5.最後は実際の買取査定で確認する
買取会社ごとに工事方法や再販売先が違うため、正確な買取価格は査定を受けなければ分かりません。
おすすめの確認手順
① 同じマンションや周辺の成約相場を調べる
↓
② 仲介ならいくらで売れそうか確認する
↓
③ 70〜80%で概算レンジを出す
↓
④ 実際の買取査定を受ける
↓
⑤ 価格・手取り・売却時期・条件を比較する
仲介と買取は「価格」ではなく最終的な手取りで比較する


この章のポイント
仲介価格と買取価格の差額が、そのまま手取り額の差になるわけではありません。仲介手数料や事前工事なども含めて比べます。
たとえば、仲介で3,000万円、直接買取で2,400万円という想定にします。
| 項目 | 仲介 | 直接買取 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 3,000万円と仮定 | 2,400万円と仮定 |
| 仲介手数料上限 | 105万6,000円 | 0円 |
| 一般客向け内覧 | 必要 | 不要 |
| 売却時期 | 買主が決まる時期による | 条件合意後に決めやすい |
| 価格確定 | 交渉後に決まる | 契約前に決まる |
この例では、仲介の方が仲介手数料を差し引いても金額面では大きく上回ります。
そのため、「仲介手数料がないから買取の方が手取りが多い」とは限りません。
一方で、買取では売却期間を読みやすく、一般の購入希望者への内覧対応がなく、室内の状態によっては現況のまま売却できることがあります。
価格差だけでなく、時間・手間・住み替えスケジュールまで含めて比較しましょう。
なお、住宅ローン返済、抵当権抹消、印紙税、譲渡所得に対する税金などは、買取でも必要になることがあります。
マンションを少しでも高く買い取ってもらう6つのポイント


この章のポイント
高額なリフォームを先に行うより、査定材料を揃え、そのマンションを適切に評価できる会社へ相談することが重要です。
1.管理関係の資料を用意する
マンションでは、室内だけでなく管理状態も査定材料になります。
- ●管理規約
- ●長期修繕計画
- ●管理費・修繕積立金が分かる資料
- ●大規模修繕に関する資料
- ●総会議事録
などが手元にあれば用意しておきましょう。
2.リフォーム・設備交換の履歴を伝える
キッチン、浴室、給湯器、配管などを交換している場合は、時期や内容が分かる資料を伝えます。
必ず査定額が上がるわけではありませんが、現在の状態を正確に評価する材料になります。
3.同じマンションの相場を把握しておく
近い条件の成約事例を把握しておくと、提示された査定額がどのような考え方で出ているのか確認しやすくなります。
4.売却前に高額なリフォームをしない
買取会社は購入後に自社でリノベーションすることがあります。
売主が先に数百万円をかけて改装しても、その工事費がそのまま査定額へ加算されるとは限りません。まず現況査定を受けましょう。
5.査定額だけでなく条件を比較する
同じ査定価格でも、売主の負担条件が違えば最終的な手取りや手間が変わります。
- ●残置物を撤去する必要があるか
- ●設備故障を直す必要があるか
- ●引渡し時期は相談できるか
- ●契約不適合責任はどうなるか
- ●別途負担する費用があるか
6.マンション買取実績がある会社へ相談する
戸建てや土地を得意とする会社と、区分マンションの再販を得意とする会社では査定の考え方が異なります。
築古、旧耐震、借地権付きなど条件がある場合は、似たマンションの取扱実績があるか確認しましょう。
同じマンションでも買取会社によって査定額が違う理由


この章のポイント
査定額の差は、利益率だけの問題ではありません。リフォーム方法・販売先・得意エリアなどが会社ごとに違います。
再販売の方法が違う
フルリノベーションして販売する会社もあれば、設備や内装を必要な範囲だけ直して販売する会社もあります。
工事費や販売戦略が違えば、最初に購入できる価格も変わります。
得意なエリアが違う
再販売実績や購入希望者の情報を多く持つエリアであれば、販売期間や再販価格を予測しやすくなります。
得意なマンションが違う
築浅ファミリータイプを中心に扱う会社もあれば、築古、旧耐震、投資用、借地権付きマンションなどを扱う会社もあります。
査定額だけを見るのではなく、「なぜこの価格で買い取れるのか」を確認することが大切です。
マンション買取会社を選ぶときのチェックポイント
この章のポイント
最高査定額だけで決めず、「査定根拠」「条件」「実績」「正式価格へ変わる条件」を確認します。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 査定根拠 | 同マンションや周辺の成約事例が示されているか |
| 買取条件 | 引渡し・残置物・設備・免責条件 |
| 実績 | 同じようなマンションの取扱経験があるか |
| 価格変更 | どんな場合に査定額が変わるのか |
| 費用 | 別途売主負担となる費用がないか |
特に注意したいのは、簡易査定の金額だけが極端に高いケースです。
現地確認後、新たに分かった室内状態や権利関係を理由に査定額が変わること自体はあります。
ただし、その場合は「何が分かったため、どの費用を見込んで価格が変わったのか」を確認しましょう。
査定価格が最も高い会社ではなく、正式な買取価格と条件を比較して決めることが重要です。
マーキュリーのマンション買取


この章のポイント
一般的な区分マンションだけでなく、築古・旧耐震・共有名義・借地権付きなど、条件整理が必要なマンションもご相談いただけます。
マーキュリーでは、同じマンション内や周辺の取引事例、専有面積、階数・向き、室内状態、管理状況などを確認して査定します。
また、一般的な区分マンションだけでなく、
- ●築年数の古いマンション
- ●旧耐震マンション
- ●共有名義
- ●相続したマンション
- ●借地権付きマンション
- ●権利関係の整理が必要な物件
などについてもご相談を承っています。
直接買取なら仲介手数料は不要
マーキュリーが直接買主となる場合は、仲介会社を挟まないため仲介手数料はかかりません。
原則として契約不適合責任免責
マーキュリーでは、原則として契約不適合責任免責の条件で買取を行っています。
室内設備や建物の状態に不安があっても、売却前にすべて修理していただく必要はありません。
ただし、売主様が把握している重要な事項については、査定・契約時にお知らせください。
マンションの買取・再生実績
査定を依頼するときは、その会社がどのようなマンションを実際に扱っているかを見ることも判断材料になります。
マーキュリーではマンションのほか、土地・戸建て・一棟物件・借地権・底地・共有持分など、さまざまな不動産の買取・再生を行っています。
マンション買取相場に関するよくある質問
この章のポイント
相場を調べる際に迷いやすい「査定額の比較」「事故歴」「管理状況」「相場上昇時の考え方」などをまとめました。
同じマンションで売出中の部屋が高ければ、買取価格も高くなりますか?
参考にはなりますが、売出価格がそのまま買取査定の基準になるわけではありません。実際の成約価格、階数・向き・専有面積、室内状態などを確認して査定します。売出価格だけでなく、過去の成約事例も見ることが大切です。
室内で孤独死などがあったマンションでも買取査定できますか?
買取会社によって対応は異なりますが、査定自体は相談できる場合があります。事案の内容や経過、告知が必要となる範囲などによって評価が変わるため、分かっている事情を査定時に伝えてください。
修繕積立金が少ないマンションは買取価格が下がりますか?
それだけで一律に価格が下がるわけではありませんが、今後の大規模修繕や一時金の可能性を含め、再販売時の判断材料になります。長期修繕計画や管理組合の収支状況なども合わせて確認されることがあります。
マンション価格が上昇している時期なら買取価格も同じ割合で上がりますか?
必ず同じ割合で上がるわけではありません。市場価格が上昇していても、再販売までの期間や工事費、管理状態などを踏まえて買取価格は決まります。過去の購入価格ではなく、現在の成約相場を基準に査定を受けてください。
専有面積が小さいワンルームマンションも7〜8割が目安ですか?
7〜8割はあくまで一般的な目安で、ワンルームでも一律ではありません。投資需要、賃料、入居状況、管理費・修繕積立金、立地などによって査定方法が変わるため、投資用マンションとしての収益性も含めて確認します。
仲介査定と買取査定を同じ会社に依頼して比較できますか?
両方に対応している不動産会社であれば比較できる場合があります。仲介で想定される成約価格と売却期間、直接買取の価格と条件を並べることで、自分に合う売却方法を判断しやすくなります。





