「持っているマンションが老朽化してきたが、このまま売れるのだろうか」と悩む方は少なくありません。建物が古くなると、建替えや大規模修繕、耐震性といった重い論点が一度に押し寄せてきます。とはいえ、論点を順番に整理していけば、納得のいく形で手放す道は十分に残されています。
このページでは、老朽化マンションの売却を、建替えと大規模修繕の選択・旧耐震基準・管理状態・買取の活用という切り口から整理します。いずれも公的な統計や制度をふまえた内容ですので、ご自身の物件に当てはめながら読み進めてみてください。
老朽化マンションは、所有者一人だけでは方針を決めにくい点に特徴があります。建替えや修繕は管理組合の合意が前提となり、個人の判断だけでは前に進みません。だからこそ、売却という選択肢を早めに視野に入れておくことが、後悔の少ない判断につながります。
なお、本記事は一般的な情報をまとめたものです。最終的な判断にあたっては、お住まいのエリアやお部屋の個別事情をふまえた相談をおすすめします。ご不明な点があれば、記事末尾のフォームからお気軽にお問い合わせください。
老朽化マンションとは?売却前に押さえたい論点
老朽化マンションに厳密な定義はありませんが、一般には築40年前後を超え、設備や構造の傷みが目立ち始めた物件を指すことが多いようです。築年数そのものよりも、建物や配管の傷み具合、管理組合の体力といった「状態」が、売りやすさを大きく左右します。
たとえば築45年のマンションを保有している方であれば、「このまま住み続けるべきか」「建替えや大規模修繕にいくらかかるのか」「旧耐震ではないか」「いま売るとどうなるのか」といった問いを同時に抱えることになります。論点を整理しておくと、何から手をつけるべきかが見えてきます。
以下の表は、老朽化マンションの売却で押さえておきたい代表的な論点と、それが判断にどう影響しやすいかをまとめたものです。あくまで一般的な傾向であり、物件によって例外はありますが、最初の見取り図として役立ちます。
| 論点 | 見るべきポイント | 判断への影響 |
|---|---|---|
| 建替え・修繕 | 合意形成・費用負担の見通し | 住み続けるか売るかを分ける |
| 旧耐震 | 1981年以前の建築か | 安全性と資金調達に影響 |
| 管理状態 | 修繕積立金・修繕履歴 | 将来の負担感を左右 |
| 売り方 | 仲介か買取か | 現金化までの見通しを決める |
このように論点を並べると、老朽化マンションでも検討すべき選択肢が複数あるとわかります。全国の市況をつかむうえでは、国土交通省の不動産価格指数が参考になります。直近の令和7年9月分では、マンション(区分所有)の指数は222.2(対前月比0.1%増、2010年平均=100)と高い水準にあり、住宅地120.7や戸建118.6と比べてもマンションの堅調さがうかがえます。エリアごとの成約相場は、不動産情報ライブラリなどで確認できます。
出典:国土交通省|不動産価格指数
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo05_hh_000001_00242.html
国土交通省|不動産情報ライブラリ
https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
建替えと大規模修繕のどちらを選ぶか|合意形成の壁
老朽化マンションが直面する最初の岐路が、建替えか大規模修繕かという選択です。建替えは建物を一度取り壊して新築する方法で、大規模修繕は既存の建物を維持しながら傷んだ部分を直す方法です。どちらも費用と時間がかかり、管理組合での合意形成が前提になります。
建替えは資産価値を大きく高められる一方、所有者一人あたりの費用負担が重く、合意のハードルも高くなりがちです。法律上も建替えには区分所有者の多数の賛成が必要とされ、全員の足並みをそろえるのは容易ではありません。高齢の所有者が多いマンションでは、費用負担をめぐって話が進みにくい傾向があります。
たとえば築50年のマンションで建替えの話が持ち上がっても、合意に数年単位の時間がかかり、その間に売却の好機を逃してしまうこともあります。建替えを待つのか、その前に売却するのかは、ご自身の年齢や資金計画とあわせて考えるべき大切な判断です。
大規模修繕を選ぶ場合も、修繕積立金が不足していれば一時金の徴収が必要になることがあります。住み続けるなら修繕は避けて通れませんが、近い将来に手放す予定があるなら、負担が膨らむ前に売却を検討するのも一つの考え方です。
旧耐震基準の老朽化マンションをどう扱うか
老朽化マンションを語るうえで欠かせないのが、耐震基準の論点です。建築の確認を受けた時期によって、旧耐震基準か新耐震基準かが分かれます。一般に1981年(昭和56年)以前の基準で建てられた物件は「旧耐震」と呼ばれ、安全性と資金調達の両面で買い手の見方に影響します。
旧耐震の老朽化マンションは、買い手が住宅ローンを組みにくい場合がある点に注意が必要です。金融機関によっては旧耐震物件への融資に慎重な姿勢を取ることがあり、ローンが通りにくいと売れるまでに時間がかかりやすくなります。耐震診断や補強工事の履歴があれば、安心材料として伝えるとよいでしょう。
たとえば築48年の旧耐震マンションを売る場合、現金で購入できる投資家や、再生を前提とした事業者が主な買い手になりやすい傾向があります。買い手の層が変わることを理解しておくと、価格設定や売り方の方針を立てやすくなります。
旧耐震だからといって売れないわけではありません。立地が良ければ、建替えや再開発を見込んだ需要が生まれることもあります。重要なのは、自分の物件がどの買い手層に響くのかを見極め、その層に届く売り方を選ぶことです。
管理状態が老朽化マンションの評価を分ける
老朽化マンションでは、建物そのもの以上に「管理状態」が評価を分けることがあります。同じ築年数でも、管理が行き届いた物件と、そうでない物件とでは、買い手の見方が大きく変わります。築年数が古いほど、管理の差が表面化しやすくなります。
買い手が特に気にするのは、修繕積立金の積立状況と、これまでの修繕履歴です。積立金が十分に確保され、計画的に修繕が行われてきた物件は、今後の維持費が読みやすく、安心して検討しやすくなります。逆に積立金の不足や滞納があると、引き継ぐ側の不安材料になりがちです。
たとえば築45年でも、給排水管の更新や外壁・屋上防水の修繕が適切に行われ、長期修繕計画が整っているマンションは、買い手に好印象を与えます。管理組合の総会議事録や修繕計画の資料を準備しておくと、説明に説得力が出ます。
管理状態を整理するときは、以下のような点をチェックしておくとよいでしょう。書類をそろえておくと、買い手や査定担当者への説明がスムーズになります。
- ●修繕積立金の残高と毎月の積立額
- ●給排水管・外壁・屋上防水など大規模修繕の実施時期
- ●長期修繕計画の有無と内容
- ●管理費・積立金の滞納の有無
- ●管理組合の運営状況(総会の開催・役員のなり手など)
なお、全国的には空き家が増加傾向にあるとされ、管理が行き届かない住戸が増えることへの懸念も指摘されています。管理状態は、老朽化マンションのなかで差をつけられる数少ない要素ですので、手元の資料を整え、強みとして伝えていきましょう。
出典:総務省統計局|住宅・土地統計調査
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html
老朽化マンションの相場の見方|公的指標で全体像をつかむ
個別の物件価格は、市場全体の相場に大きく影響されます。相場が上向きの局面では、老朽化マンションでも比較的売却しやすくなります。逆に相場が落ち着いている時期は、価格交渉が入りやすくなる傾向があります。まずは市場全体の温度を客観的に把握しておきましょう。
土地の値動きをつかむうえでは、国土交通省の地価公示が参考になります。令和7年地価公示では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも4年連続で上昇しました。マンションは戸建てに比べて土地の比重が小さいものの、立地の良い老朽化マンションでは、土地としての価値が評価されることもあります。
たとえば築47年のマンションでも、駅に近く再開発が見込まれる立地であれば、建物の古さを上回る土地の価値が注目される場合があります。築年数だけで「もう値がつかない」と決めつけず、立地と市況をあわせて判断することが大切です。エリアの成約相場は、不動産情報ライブラリやREINSの市場動向などで確認できます。
下の表は、相場を確認するときに役立つ情報源と、それぞれの特徴を整理したものです。複数の視点から相場を見ておくと、価格設定の根拠が固まります。
| 情報源 | わかること | 使い方の目安 |
|---|---|---|
| 地価公示 | 全国の地価の動向 | 土地としての価値を測る |
| 不動産情報ライブラリ | エリアの取引・成約の傾向 | 近隣相場の確認に使う |
| REINS(成約動向) | 流通・成約の全体傾向 | 市況の方向感をつかむ |
相場は日々動くものですが、公的な指標を押さえておけば、感覚に頼らない判断ができます。なお、エリア別の細かな上昇率などは公表値の範囲を超えるため、本記事では具体的な数値には踏み込みません。
出典:国土交通省|令和7年地価公示
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo04_hh_000001_00060.html
東日本不動産流通機構(REINS)|不動産市場動向(統計)
https://www.reins.or.jp/library/
仲介と買取の違い|老朽化マンションに合った売り方を選ぶ
老朽化マンションの売り方には、大きく分けて「仲介」と「買取」があります。仲介は不動産会社が買い手を探す方法で、買取は不動産会社が直接物件を買い取る方法です。それぞれに向き不向きがあり、物件の状態や事情によって適した方法は変わります。
仲介は、時間をかけて買い手を探すぶん、市場の相場に近い価格で売れる可能性があります。一方で、買い手がいつ見つかるかは読みにくく、旧耐震や管理状態の説明に時間がかかることもあります。老朽化が進んだ物件では、内見が長く続いて精神的な負担になる場合もあります。
これに対して買取は、不動産会社が直接買い取るため、買い手探しの期間が不要です。老朽化で買い手がつきにくい物件や、旧耐震で住宅ローンが通りにくい物件でも、現金化までの見通しを立てやすいのが特徴です。引き渡し後の不具合についても、買取では会社が引き受ける形になりやすく、売主の負担が軽くなります。
下の表は、仲介と買取の主な違いを整理したものです。どちらが正解ということではなく、ご自身の優先順位に合うほうを選ぶことが大切です。
| 比較項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 売却までの期間 | 買い手次第で読みにくい | 比較的短く見通しやすい |
| 価格の傾向 | 相場に近づきやすい | 相場より控えめになりやすい |
| 旧耐震・老朽化 | 買い手探しに時間がかかる場合 | 直接買い取りで進めやすい |
| 手続きの負担 | 内見対応などが続く | 窓口が一つでまとまりやすい |
買取では、訪問査定で提示された金額がそのまま買取価格となり、それが手取り額になります。仲介手数料もかからないため、受け取れる金額がはっきりしている点も安心材料です。査定額の根拠を確認したうえで、老朽化マンションに強い会社を選ぶとよいでしょう。
老朽化マンション売却で注意したいこと|トラブルを避ける
老朽化マンションの売却では、いくつか注意しておきたい点があります。価格や条件を急いで決めてしまうと、あとから後悔につながることもあります。落ち着いて情報を確認し、納得したうえで進めることが大切です。
まず気をつけたいのは、相場とかけ離れた価格設定です。老朽化だからと過度に安く売り急いだり、立地の良さを当て込んで高くしすぎたりすると、いずれも不利になりがちです。公的な指標で相場を確認し、根拠のある価格で臨むことが、トラブルを避ける第一歩になります。
また、不動産取引をめぐっては、契約内容や費用の説明が十分でないことに起因するトラブルが報告されています。国民生活センターも、不動産売却に関する相談事例について注意を呼びかけています。契約前には、費用の内訳や引き渡し後の責任の範囲を、書面でしっかり確認しておきましょう。
たとえば、査定額の根拠があいまいなまま話を進めると、後になって条件が変わるといった不安が生じかねません。提示された金額が何を前提にしているのかを確認し、説明が丁寧な会社を選ぶことが、安心して売却を進めるコツです。
出典:国民生活センター|不動産売却トラブル注意喚起
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210624_1.html
相続した老朽化マンションを売るとき|手続きの順序を整える
老朽化マンションは、相続をきっかけに売却を検討するケースも多く見られます。親が長く住んでいた古いマンションを相続したものの、住む予定がなく、建替えや修繕の負担だけが重くのしかかる、という相談は珍しくありません。相続した物件を売るときは、手続きの順序を整えておくことが大切です。
相続した不動産を売却するには、まず名義を相続人に変更する相続登記が必要です。相続登記は2024年(令和6年)4月1日から義務化され、相続を知った日から3年以内に申請することとされています。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象となる点にも注意が必要です。
たとえば、相続人が複数いる場合は、遺産分割の話し合いをまとめてから登記や売却に進む流れになります。老朽化マンションは維持費や修繕負担が続くため、放置するほど不利になりやすい資産でもあります。名義変更から売却までの段取りを早めに描いておくと、負担を抱え込まずに済みます。
老朽化マンションの相続では、名義変更・遺産分割・売却と、整えるべきことが重なりがちです。手続きの窓口が一つにまとまっていると、負担を軽くできます。相続にともなう売却に不安がある方は、相続の手続きから対応できる会社に相談すると安心です。
出典:法務省|相続登記の申請義務化
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html
マーキュリーが選ばれる4つの理由|あらゆる不動産を価値ある未来へ
老朽化マンションの向き合い方を整理したあとは、どの会社に相談するかも大切な判断です。マーキュリーは、一般的な売却が難しい物件も含めて幅広く対応し、あらゆる不動産を価値ある未来へつなぐことを大切にしています。ここでは、選ばれている4つの理由をご紹介します。
① 複雑な権利関係も丁寧に調整
共有名義や借地権、隣地との境界など、権利関係が複雑な物件は売却が難しくなりがちです。マーキュリーは、こうした権利調整の経験を重ねてきました。問題を一つずつ整理し、売却に向けた道筋を一緒に描いていきます。
② 再建築不可・訳あり物件の再生
旧耐震や再建築不可の物件、いわゆる訳あり物件も、マーキュリーは積極的にお引き受けします。一般の市場では値がつきにくい老朽化物件でも、再生のノウハウを活かして価値ある形に変えていきます。あきらめる前に、まずはご相談ください。
③ 相続のお悩みをワンストップで
相続した老朽化マンションは、名義変更や遺産分割など、売却の前に整えるべきことが多くあります。マーキュリーは、相続にまつわる手続きから売却までをワンストップでサポートします。窓口が一つにまとまることで、負担を軽くできます。
④ 直接買取で仲介手数料ゼロ・査定額がそのまま手取り
マーキュリーは物件を直接買い取るため、仲介手数料がかかりません。訪問査定で提示する査定額がそのまま買取価格となり、手取り額になりますので、手残りの金額が明確です。受け取れる金額がはっきりしていると、資金計画も立てやすくなります。
まとめ|マーキュリーへご相談ください
老朽化マンションの売却は、建替えと大規模修繕の選択・旧耐震基準の扱い・管理状態の評価・売却方法という複数の論点を整理することがポイントです。築年数だけで「売れない」と決めつけず、立地や合意形成の状況といった要素に目を向けることで、判断の選択肢は広がります。
とはいえ、これらをご自身だけで見極めるのは簡単ではありません。建替えや修繕の見通し、旧耐震・管理状態といった要素をふまえた判断には、専門家の視点が役立ちます。査定額の根拠を確認し、老朽化マンションに強い会社に相談することが、後悔の少ない売却への近道です。
マーキュリーは、権利調整や訳あり物件の再生、相続のワンストップ対応、そして仲介手数料ゼロの直接買取まで、幅広くお手伝いしています。訪問査定で提示する査定額がそのまま手取り額になるため、安心してご検討いただけます。老朽化マンションの売却にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。





