「住み替えで戸建てを売りたい」「相続した一戸建てを手放したい」。
戸建ての売却は、マンションとは評価軸が異なり、土地と建物の両面で考える必要があります。築年数で建物価値は下がる一方、土地の価値は市況の影響を受けて動くため、同じ築年数の戸建てでもエリアによって査定額は大きく変わります。
この記事では、最新の公的データを参照しながら、戸建て売却の全体像を整理します。仲介・買取・古家付き土地の使い分けから、税制優遇、庭・外構の影響まで、初めての方でも迷わない形でまとめました。
【地価公示2025】全国+2.7%でバブル後最大、国土交通省「令和7年地価公示」によれば、全国平均地価は前年比+2.7%で4年連続上昇。住宅地+2.1%、商業地+3.9%とバブル崩壊後で最大の伸び。戸建て売却の主軸となる土地価値が上昇局面にあり、追い風の市況です。
戸建て売却とマンション売却の5つの違い
戸建てとマンションは、評価・需要層・期間などが大きく異なります。違いを押さえておくことで、適切な売却戦略を立てられます。以下では5つの観点で比較していきます。
| 項目 | 戸建て | マンション |
|---|---|---|
| 構成 | 土地+建物 | 建物の区分所有 |
| 築年数の影響 | 大(木造22年で法定耐用) | 相対的に小 |
| 管理費 | なし | 月1〜3万円継続 |
| 売却期間目安 | 3〜6カ月 | 2〜4カ月 |
| 需要層 | ファミリー中心 | 単身〜ファミリー幅広く |
戸建ては個別性が高いのが特徴
立地・間取り・建物状態・土地形状がそれぞれ異なり、「同じ戸建てが2つとない」のが実情です。同じ区画内でも、接道幅や日当たり、リフォーム履歴で査定額が100〜200万円変わることも珍しくありません。
この個別性が査定のばらつきを生み、売主にとっては会社選びが重要になります。マンションと違って同じ建物内の直近成約事例がそのまま参考になりにくいため、より慎重な査定が必要です。
違いを押さえたら、戸建て売却の4つの方法を見ていきます。
戸建て売却の4つの方法|現況・古家付き・更地・買取
戸建ての売却方法は1つではありません。物件の築年数・建物状態・売却までの時間によって、適切な方法が変わります。以下では4つのパターンの特徴を整理します。
① 現況のまま仲介
建物を残したまま売却する最もスタンダードな方法です。築浅〜築30年以内で選ばれます。相場価格で売れる可能性がある一方、売却まで3〜6カ月かかります。内覧対応や引渡し後の契約不適合責任など、売主側の手間とリスクが残ります。
② 古家付き土地として売却
建物を解体せず、土地として価値を訴求する方法です。築古で建物価値がほぼゼロのケースで有効。解体費(100〜200万円)を売主負担せずに済む点が大きなメリットです。買主が新築前提で購入するイメージです。
③ 更地にして売却
建物を解体してから売却する方法です。土地価値が高いエリアでは、更地のほうが買主が付きやすく、高く売れるケースもあります。解体費は売主負担となり、固定資産税の住宅用地特例も外れるため、タイミングに注意が必要です。
④ 買取
不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。最短1週間〜1カ月で決済でき、仲介手数料や内覧対応も不要。価格は相場の7〜9割ですが、査定額がそのまま買取金額として確定するため、資金計画が立てやすくなります。
方法を選んだら、実際の売却フローを6ステップで確認します。
戸建て売却の6ステップ|注意点とメリットも整理
戸建て売却は、相場調査から決済まで6つのステップで進みます。各ステップで起こりやすい注意点と、それを乗り越えるメリットを整理しながら見ていきましょう。
STEP1|相場調査(1〜2週間)
国交省「不動産情報ライブラリ」やREINS Market Informationで近隣の成約価格を確認します。さらに国税庁の路線価・国交省の公示地価も押さえておくと、土地価格の感覚が掴めます。
【注意点】戸建ては個別性が高く、ポータルサイトの売出価格をそのまま信用できません。成約事例ベースで見ることが重要です。
【メリット】公的データで自分で相場を把握しておくと、業者査定の妥当性を冷静に判断できます。
STEP2|査定依頼(1〜2週間)
戸建てに強い会社に査定を依頼します。机上査定で金額レンジを掴み、訪問査定で精度を上げるのが基本の流れです。
【注意点】査定額の「根拠」が示されないと、後から減額交渉される可能性があります。類似事例の提示を必ず確認してください。
【メリット】戸建ての専門会社なら、土地と建物を分けて評価してくれます。築古でも土地価値をしっかり見てもらえる点が大きな安心材料です。
STEP3|売却方針の決定(1日〜1週間)
仲介・古家付き土地・更地・買取のどれで進めるかを決定。物件の状態と自分の事情に合う方法を選びます。
【注意点】「とりあえず仲介」と決めるのではなく、買取査定も並行で取って手取り総額を比較するのが賢明です。
【メリット】複数の選択肢を比較すれば、自分にとって最適な方法が見えてきます。買取なら査定額がそのまま手取り額として確定します。
STEP4|売却活動(1〜3カ月)
仲介なら広告掲載・内覧対応が続きます。買取なら買取価格の調整と契約条件の擦り合わせが中心。買取の場合はここが最短1週間程度で完了します。
【注意点】仲介は土日に内覧対応が集中し、家族のスケジュールへの影響が大きい点に注意。子どもがいる家庭は特に負担になります。
【メリット】買取なら内覧対応が1〜2回で完結。生活リズムを崩さずに売却を進められます。
STEP5|売買契約(1日)
買主が決まったら、条件を詰めて契約締結。手付金(売価の5〜10%)を受領するのが一般的です。
【注意点】契約書では契約不適合責任の範囲・引渡し時期・付帯設備の扱いを必ず確認。後日のトラブルを避けるためにも、納得するまで時間をかけてください。
【メリット】買取なら契約不適合責任が原則免責。引渡し後の不具合発覚で責任を問われるリスクから解放されます。
STEP6|決済・引渡し(契約から1〜2カ月後)
残代金受領・所有権移転・鍵の引渡しを行います。ローンが残っていた場合は、この日に完済と抵当権抹消登記を行います。
【注意点】決済日には登記済証(または登記識別情報)・印鑑証明書などの書類が必要。1つでも漏れると決済が延期されます。
【メリット】司法書士が登記手続きを代行するため、売主の手間は最小限。決済から数週間以内に売却益が手元に入ります。
フローを押さえたら、戸建て査定で見られるポイントを確認します。
戸建て査定で見られる7つの評価ポイント
戸建ての査定では、土地・建物・市況の3軸から複合的に評価されます。具体的に何が見られるかを7つに分解して整理します。
① 土地の面積・形状
整形地か変形地か、旗竿地かで大きく評価が変わります。整形地が最も高く、旗竿地や三角地は減額要因になる傾向があります。
② 前面道路・接道
幅員4m以上の道路に2m以上接するのが建築基準法の接道義務。満たさない場合は再建築不可となり、評価が大きく下がります。
③ 用途地域・建ぺい率・容積率
建築可能な建物規模が変わります。建ぺい率・容積率が大きいほど広い家を建てられるため、土地の価値も高くなる傾向があります。
④ 築年数と構造
法定耐用年数は木造22年・軽量鉄骨27年・RC造47年。築22年超の木造は建物評価がほぼゼロになり、土地価値で勝負する形になります。
⑤ 建物の状態
雨漏り・シロアリ・傾き・内装の傷みが査定に影響します。インスペクション(建物状況調査)を事前実施していれば、その結果も反映されます。
⑥ リフォーム履歴
水回りや外壁の大規模リフォーム履歴があればプラス評価。直近5〜10年のリフォームは買主への訴求力が高い傾向があります。
⑦ 境界確定の有無
境界が曖昧だと買主から減額交渉を受けやすくなります。測量費用は50〜100万円ですが、境界確定済みのほうがスムーズに売れるケースが多いです。
【国交省価格指数】戸建ては安定推移
国土交通省「不動産価格指数(令和7年9月分)」では、戸建住宅118.6、マンション(区分所有)222.2、住宅総合145.4(2010年平均=100)。戸建てはマンションに比べて値動きが緩やかで、土地評価が価格の主軸となります。査定ポイントを押さえたら、独自視点で「庭・外構が査定に与える影響」を見ていきます。
【独自視点】庭・外構が戸建ての査定額に与える影響
戸建て査定では、建物・土地に加えて「庭・外構」も評価対象になります。マンションにはない要素のため、見落とされやすいポイントです。庭の状態次第で査定額が数十万〜数百万円変わることもあるため、対策を整理しておきましょう。
① 庭の手入れ状態
雑草が伸び放題・植栽が荒れている庭は、買主の印象を大きく下げます。売却前に剪定と除草をしておくと、内覧時の印象が改善され、減額交渉を防ぎやすくなります。
② 外構の劣化
ブロック塀のひび割れ、フェンスの破損、門扉のサビは買主への減点要因。最低限の補修(数万円程度)で、印象は大きく改善できます。
③ カーポート・駐車スペース
車を持つファミリー層には必須要素。カーポートがあるかどうかで、査定額が数十万円変わることもあります。
④ プライバシー対策
目隠しフェンス・植栽の有無も重要。隣家と近い住宅地では、プライバシーが確保されているほど評価が上がります。
⑤ メンテナンス履歴
外構の塗装履歴・植木の伐採履歴を記録しておくと、買主の安心材料になります。「最近メンテナンス済み」が伝われば、内覧の評価が上がります。
庭・外構の影響を押さえたら、もう一つの独自視点として「築古戸建ての高値売却のコツ」を整理します。
【独自視点】築古戸建てを少しでも高く売る5つのコツ
築20年超の戸建ては、建物評価が下がる一方で土地評価が主軸になります。土地の価値を最大化する売り方を選ぶことで、手取り総額を大きく変えられる可能性があります。
① 古家付き土地として売る
建物を残したまま「土地として」売り出します。買主が新築する前提なので、建物の状態を気にされません。解体費(100〜200万円)を負担せずに済む点が最大のメリットです。
② 境界確定を完了させる
境界が曖昧なまま売ると、買主から減額交渉を受けやすくなります。測量費用50〜100万円かかっても、その額以上に査定額が上がるケースが多くあります。
③ 道路と接道の改善余地を確認
接道義務未充足の場合、隣地を一部買い取って改善する選択肢も。土地評価が大きく上がり、再建築可能になればマーケットも広がります。
④ インスペクション+瑕疵保険で安心感を演出
建物状況調査と既存住宅売買瑕疵保険をセットで提供すると、買主の不安を大きく軽減できます。築古でも「保険付き」の信頼性で売れやすくなります。
⑤ 買取も並行検討
築古戸建ては仲介で長期売れ残るリスクが高い分野。買取査定も並行で取り、手取り総額・売却期間を比較するのが現実的です。マーキュリーは築古戸建ての買取実績が豊富です。
築古戦略を押さえたら、かかる費用を具体的に確認します。
戸建て売却にかかる費用の全容
売却価格の5〜8%程度が諸費用の目安です。マンションと違い、測量費や解体費が発生するケースもあるため、事前に総コストを把握しておくことが重要です。
| 項目 | 金額目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 約105万円 | 売価×3%+6万円+税(買取なら不要) |
| 印紙税 | 1万円 | 売買契約書 |
| 抵当権抹消 | 1〜2万円 | ローン残債あり時 |
| 司法書士報酬 | 2〜5万円 | 登記手続き |
| 測量費 | 50〜100万円 | 境界確定の場合 |
| 解体費 | 100〜200万円 | 更地化の場合 |
| 譲渡所得税 | 利益により | 特例活用可 |
| 引越し費 | 10〜30万円 | 住み替え時 |
戸建て売却で使える税制優遇4選
- ●3,000万円特別控除(マイホーム売却・所有期間問わず)
- ●10年超所有の軽減税率(6,000万円以下部分)
- ●買換え特例(住み替え時)
- ●相続空き家の3,000万円特別控除(2027年末まで)
いずれも売却翌年の確定申告で適用を受けます。自動では適用されないため、申告を忘れないよう注意してください。
費用と税金を押さえたら、マーキュリーの強みについてご紹介します。
マーキュリーが選ばれる4つの理由|戸建ても直接買取で対応
マーキュリーは、築古戸建てから再建築不可・権利関係が複雑な戸建てまで、専門ノウハウで直接買取に対応する不動産会社です。以下では戸建て売却で特に役立つ強みを4点ご紹介します。
① 権利調整のプロフェッショナル
借地権・底地・共有持分・接道未充足など、権利関係が複雑な戸建ての取扱い実績が豊富。隣地所有者や他の共有者との交渉も自社で一貫対応します。
② 再建築不可・築古戸建ての再生ノウハウ
再建築不可、築40年超の戸建ても自社で再生して価値を生み出します。不動産開発事業を手がけており、買取後の活用・再販まで完結できる体制です。
③ 相続対策までワンストップ対応
相続税の納税資金確保、遺産分割、共有名義の整理など、税理士・司法書士との連携でワンストップ対応します。
④ 直接買取で仲介手数料ゼロ・査定額がそのまま手取り
自社で直接買い取るため仲介手数料が不要。査定額がそのまま買取金額として確定するため、資金計画が立てやすくなります。
マーキュリーの強みを押さえたら、最後に要点を整理します。
まとめ|戸建て売却のご相談はマーキュリーへ
- ●土地評価が戸建て査定の主軸
- ●築年数で建物価値は大きく変わる(木造22年がひとつの目安)
- ●境界確定・インスペクションで査定UP
- ●庭・外構の手入れも査定額に影響
- ●築古は古家付き土地・買取の選択肢も検討
- ●3,000万円控除・買換え特例などで税負担軽減
- ●買取なら査定額がそのまま手取り額になる
国土交通省の地価公示は4年連続上昇、住宅地の上昇率は+2.1%で、戸建て売却には追い風の市況と言えます。動きのある時期を活かして、後悔のない売却を目指しましょう。
マーキュリーは、築古・再建築不可・権利関係が複雑な戸建てにも対応できる買取会社です。査定・ご相談は無料、売却方針の相談や権利関係の整理までワンストップでサポートいたします。
参考資料・出典
- ・国土交通省|不動産価格指数(令和7年9月分) https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo05_hh_000001_00242.html
- ・国土交通省|令和7年地価公示 https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_fr4_000001_00265.html
- ・国土交通省|不動産情報ライブラリ https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
- ・総務省統計局|令和5年住宅・土地統計調査 https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html
- ・国民生活センター|高齢者の自宅売却トラブルに注意(2021年6月) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210624_1.html
- ・国税庁|路線価図・評価倍率表 https://www.rosenka.nta.go.jp/
- ・住宅金融支援機構|フラット35 金利情報 https://www.flat35.com/kinri/kinri_suii.html





