相続した実家、転居して使わなくなった住まい。誰も住まなくなった家を、どうすべきか決めかねている方は多くいらっしゃいます。
空き家をそのままにしておく最大の問題は、保有しているだけで負担が増え続けることです。固定資産税は毎年かかり、建物は使われないほど傷みが早く進みます。さらに、管理が行き届かない状態が続けば、税制上の優遇が外れる可能性もあります。
一方で、空き家は売れないわけではありません。建物の状態が悪くても、土地としての価値は残ります。手を入れずに、そのままの状態で手放す方法もあります。
この記事では、空き家を放置した場合のリスクから、手放す方法の選択肢、価格の決まり方、費用と税金、進め方の手順までを順に整理します。判断を先送りするほど選択肢が狭まる領域ですので、まずは仕組みを確認していきましょう。
空き家を放置するリスク
「いつか使うかもしれない」と考えて置いておくと、負担は静かに積み上がります。何が起きるのかを具体的に押さえましょう。
第一に、税金です。誰も住んでいなくても、固定資産税と都市計画税は毎年課されます。使っていない資産に対して支出が続く状態になります。
第二に、建物の劣化です。人が住まない家は傷みが早く進みます。換気されないことで湿気がこもり、カビや腐朽が広がります。水回りの封水が切れて臭気が上がり、シロアリの被害にも気づけません。屋根や外壁の不具合を放置すれば、雨漏りから構造部分の劣化へつながります。
第三に、特定空家に指定されるリスクです。倒壊のおそれがある、衛生上有害である、著しく景観を損なっているなど、周囲に悪影響を及ぼす状態と判断されると、自治体から特定空家に指定される可能性があります。指定されると住宅用地の特例が外れ、固定資産税の負担が大きく増えます。
第四に、近隣への責任です。台風で瓦や外壁材が飛んで隣家に被害を与えた、老朽化した塀が倒れて通行人にけがをさせたといった場合、所有者としての責任を問われます。遠方に住んでいても免れるものではありません。
総務省の住宅・土地統計調査でも、空き家は増加傾向にあることが示されています。相続を機に使われなくなった住宅が積み上がっているのが実情です。
空き家を手放す方法の選択肢
手放し方は一つではありません。建物の状態と急ぎ具合によって、適した方法が変わります。
| 手放す方法 | スピード | 手取りの考え方 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 古家付き土地として仲介 | 数か月〜1年以上 | 成約価格から仲介手数料を差し引く | 立地がよく、時間に余裕がある |
| 解体して更地で仲介 | 解体後さらに数か月 | 解体費と手数料を差し引く | 更地のほうが買い手のつく立地 |
| リフォームして売却・賃貸 | 工事後さらに数か月 | 工事費を先に負担する | 建物の状態がよく需要が見込める |
| 直接買取 | 数日〜数週間 | 訪問査定の提示額がそのまま手取り | 早く確実に手放したい・状態が悪い |
| 隣地所有者へ売却 | 交渉次第 | 交渉で決まる | 隣地に買う動機がある |
仲介で古家付き土地として売り出す場合、買主は解体費を見込んだうえで検討します。そのため提示できる価格は土地の相場から解体費相当を差し引いた水準になりやすく、買い手が現れるまでの期間も読めません。
解体してから売る方法には、更地のほうが買主の想像が働きやすいという利点があります。ただし解体費が先に自己負担で出ていくうえ、更地にすると住宅用地の特例が外れて固定資産税が上がります。年内に売れなければ、翌年の負担が増えます。
リフォームして活用する方法は、建物の状態がよく賃貸需要のある立地でなければ回収できません。かけた費用がそのまま価格に上乗せされるわけではない点に注意が必要です。
直接買取であれば、家が建ったまま、荷物が残ったままの状態で引き取れます。解体も片付けもリフォームも不要で、訪問査定で提示された金額がそのまま手取りになります。
たとえば、売りやすくしようと先に解体したものの買主が半年決まらず、更地になったことで固定資産税が上がり、結果的に手取りが減ったという例があります。解体の判断は売却の見通しとあわせて考えるべきものです。
空き家の価格の決まり方と相場の調べ方
築年数の経った空き家では、価格はほぼ土地の価値で決まります。調べるべきは建物ではなく土地の水準です。
木造住宅の法定耐用年数は22年とされており、これを超えると建物の評価はほとんど残りません。1981年(昭和56年)6月以前の耐震基準で建てられた家であれば、買主が住宅ローンを組みにくく、一般の市場ではさらに敬遠されます。
したがって、見るべきは立地と土地の条件です。最寄り駅からの距離、接道の状況、土地の形状と面積が価格の土台になります。接道が幅員4m未満、あるいは接する長さが2m未満といった条件では再建築ができず、評価は大きく下がります。
相場を調べるには、公的なデータが役に立ちます。国税庁の路線価図では、その道路に面した土地の1㎡あたりの評価額を確認できます。不動産情報ライブラリでは、実際の成約価格や地価を地図から調べられます。
全国的な傾向としては、国土交通省の不動産価格指数で住宅地が120.7、戸建が118.6という水準です(2010年平均を100とした値)。また令和7年地価公示では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも4年連続の上昇が確認されています。土地の価格は全国的に底堅く推移しています。
たとえば、路線価が1㎡あたり12万円の道路に面した40坪(約132㎡)の土地であれば、単純計算で約1,584万円が一つの目安になります。ここから解体費相当や、形状・接道の条件による調整が入ります。
出典:国税庁|路線価図・評価倍率表
国土交通省|不動産情報ライブラリ
国土交通省|不動産価格指数
国土交通省|令和7年地価公示
空き家の売却でかかる費用と税金
手取りを見積もるには、差し引かれるものを把握しておく必要があります。
| 項目 | 内容 | 直接買取の場合 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売却価格に連動して発生 | かからない |
| 解体費 | 建物を取り壊す場合に必要 | 不要(建物が残ったまま引き取り) |
| 家財の処分費 | 残置物を撤去する場合に必要 | 条件の調整で決められる |
| 測量費 | 境界が未確定の場合に必要 | 現況のまま引き取れる場合がある |
| 印紙税 | 売買契約書に貼付する | 発生する |
| 抵当権抹消費用 | ローンが残っている場合の登記手続き | 発生する |
| 譲渡所得税・住民税 | 売却益が出た場合のみ課税 | 発生する |
仲介で売る場合は仲介手数料が発生します。直接買取であれば、この費用はかかりません。そのほかに、売買契約書に貼る印紙税、解体する場合の解体費、家財を処分する場合の費用、土地の境界が未確定であれば測量費がかかります。
税金については、売却益が出た場合に譲渡所得税と住民税が課されます。課税されるのは売却価格そのものではなく、そこから取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡所得です。解体費や測量費は譲渡費用に含められます。
相続した空き家については、有利な取り扱いがあります。亡くなった方が一人で住んでいた家を相続して売る場合、相続した空き家に関する特別控除が設けられています。要件が細かく定められており、期限もあるため、適用可否は国税庁の案内で確認してください。
また、相続税を納めていれば取得費加算の特例を使える可能性があります。相続開始から3年10か月以内という期限があるため、売却時期の判断材料になります。
所有期間は、相続した場合には亡くなった方の取得日を引き継ぎます。相続直後に売っても長期譲渡所得として扱われることが多く、短期の高い税率が適用される心配は少なくなります。
これらの特例は確定申告をして初めて適用されます。納税額がゼロになる場合でも、申告そのものは必要です。
出典:国税庁|土地や建物を売ったとき(譲渡所得)
国税庁|相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(取得費加算)
国税庁|長期譲渡所得の税額計算
空き家を売るまでの流れと準備
手続きの道筋を把握しておけば、次に何をすべきかで迷いません。買取の場合の流れを示します。
まず、所有関係の確認から始めます。登記名義が誰になっているかを登記事項証明書で確認してください。相続した空き家では、名義が亡くなった方のままというケースが非常に多く見られます。この状態では売買契約にも決済にも進めません。
相続登記は2024年(令和6年)4月1日から義務化されており、相続を知った日から3年以内の申請が求められます。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。この義務は施行前に発生していた相続にもさかのぼって適用されます。
次に、書類を揃えます。登記識別情報または権利証、本人確認書類、印鑑証明書、固定資産税の納税通知書、測量図や公図が必要です。相続が絡む場合は、戸籍謄本一式と遺産分割協議書も加わります。
そのうえで現地の査定を受け、金額と条件に納得できれば売買契約を結び、決済と同時に所有権を移転します。買取であれば、家財が残ったままでも、片付けをせずに引き渡せる場合があります。
登記が済んでいない段階でも査定は受けられます。名義変更の準備と並行して価格の見当をつけておけば、遺産分割の話し合いも進めやすくなります。
ケース別の考え方
空き家といっても、事情はさまざまです。代表的なパターンごとに整理します。
相続人が複数いる場合
不動産は物理的に分けられないため、売却して現金にしてから分ける換価分割が選ばれることが多くあります。共有名義のままにすると、後で売却するときに全員の合意が必要になり、共有者が亡くなればさらに相続人が増えて収拾がつかなくなります。
家財がそのまま残っている場合
処分には相応の費用と手間がかかります。買取であれば、残置物の扱いを条件の調整段階で決められるため、片付けをせずにご相談いただけます。
建物の傷みが激しい場合
雨漏りやシロアリ被害があっても、土地の価値は残ります。むしろ状態が悪いほど一般の買主は敬遠するため、再生を前提とする買取のほうが話が進みます。修繕してから売る必要はありません。
引き取り手が見つからない場合
どうしても売却先が見つからない土地については、相続土地国庫帰属制度という選択肢があります。ただし要件と負担金の定めがあり、建物が建っている土地は対象外です。まずは売却の可能性を確認するのが先になります。
空き家の売却で失敗しないための注意点
進めるうえで気をつけたい点を整理しておきます。
まず、解体を急がないことです。買主が決まる前に解体すると、費用が先に出ていくうえ、更地になることで固定資産税が上がります。マイホームを取り壊して売る場合の特別控除にも、取り壊しからの期間に要件が設けられています。
次に、査定額の根拠を確認することです。国民生活センターは、高額な金額を提示したあとで理由をつけて値下げを迫る手口について、繰り返し注意を呼びかけています。金額が動くのであれば、必ず説明があるはずです。
また、契約する相手が宅地建物取引業の免許を受けている事業者かどうかを、国土交通省の検索システムで確認しておくと安心です。行政処分の履歴も調べられます。
そして、不動産の売買契約にクーリング・オフは原則として適用されません。その場での即決を求められても、いったん書面を持ち帰って検討する時間を確保してください。
出典:国民生活センター|不動産売却トラブル注意喚起
国土交通省|建設業・宅建業者等企業情報検索
マーキュリーが選ばれる4つの理由|あらゆる不動産を価値ある未来へ
空き家は、権利の整理と建物の状態という二つの問題を抱えがちです。両方を引き受けられる相手を選ぶことで、負担は大きく変わります。
① 権利調整に対応
共有名義、相続人が複数いる、境界が未確定、連絡の取れない相続人がいるといった状態でもご相談いただけます。権利関係を解きほぐしたうえで買い取ります。
② 再建築不可・訳あり物件の再生
旧耐震の建物、再建築不可の土地、傷みの激しい家も対象です。一般の市場で敬遠される条件でも、再生を前提に評価いたします。
③ 相続対策をワンストップで
相続登記が済んでいない段階からご相談いただけます。司法書士や税理士と連携し、戸籍の収集から登記、売却までを一括して進められます。
④ 直接買取で仲介手数料ゼロ・査定額がそのまま手取り
買主を探すのではなく、当社が直接買い取ります。解体も片付けもリフォームも不要で、仲介手数料はかかりません。訪問査定で提示した金額がそのまま手取り額になります。
空き家の売却に関するよくある質問
空き家について、お客様からよくいただくご質問をまとめました。
解体してから売ったほうがよいですか
必ずしもそうとは限りません。解体費が先に出ていくうえ、更地にすると固定資産税が上がります。買取であれば建物が残ったままお引き取りできます。
家財が残ったままでも買い取ってもらえますか
対応いたします。残置物の扱いは条件の調整段階で決めますので、片付けをせずにご相談いただけます。
雨漏りやシロアリの被害があっても売れますか
売却できます。建物の状態が悪くても土地の価値は残りますので、そのままの状態で評価いたします。修繕は不要です。
遠方に住んでいて現地に行けませんが手続きできますか
書類のやり取りを中心に進められます。現地の確認は当社で行いますので、何度も足を運んでいただく必要はありません。
相続した空き家で登記が済んでいませんが相談できますか
その段階からご相談いただけます。司法書士と連携して登記を進めながら、並行して売却の準備を整えられます。査定だけ先に受けることも可能です。
まとめ|マーキュリーへご相談ください
空き家は、持ち続けるほど負担が積み上がる資産です。仕組みを理解して早めに動けば、選べる手立ては多く残ります。
- ●誰も住んでいなくても固定資産税はかかり、建物は使われないほど早く傷む
- ●特定空家に指定されると住宅用地の特例が外れ、固定資産税の負担が大きく増える
- ●築年数の経った空き家の価格は、ほぼ土地の価値で決まる
- ●解体を先行すると費用が自己負担になり、更地で固定資産税も上がる
- ●相続した空き家には特別控除や取得費加算の特例があるが、いずれも期限がある
相続したまま手をつけられていない実家、荷物が残ったままの家、傷みの進んだ空き家も、マーキュリーは直接買取で承ります。解体も片付けも先に済ませていただく必要はありません。査定は無料で、ご相談だけでも歓迎いたします。





