
古くなった戸建て、いわゆる「ボロ家」をどう手放すか悩んでいませんか。雨漏りや傾き、長年の空き家暮らしで、もう人が住める状態ではないと感じている方も多いはずです。
「こんな状態で売れるのだろうか」「解体してから売るべきか」「再建築不可と言われたけれど価値はあるのか」。こうした不安が、決断を先延ばしにする原因になりがちです。
この記事では、ボロ家を現況のまま買い取ってもらう方法、解体費用の目安と負担を抑える考え方、再建築不可の家の扱い、放置した場合のリスク、相続した家で使える税金の特例までを整理します。
ボロ家でも売れる?現況のまま売却できる仕組み


古くて傷んだ戸建てでも、売ること自体は十分にできます。人が住める状態かどうかと、不動産として価値があるかどうかは別の話だからです。土地に価値が残っていれば、建物が傷んでいても取引は成り立ちます。
実際、東日本不動産流通機構(東日本レインズ)のデータでは、2025年に首都圏で成約した中古戸建て21,502件のうち、築31年以上は6,856件と約3割を占めています。古い戸建てにも、きちんと買い手がついているのです。
ただし、一般の中古住宅市場の買主は「自分が住む家」を探しています。雨漏りや傾きがある家は敬遠されやすく、売れ残ることもあるでしょう。一方、買取会社は建て替えやリフォームを前提に物件を見るため、現況のままでも検討の対象になります。
たとえば、屋根が傷み、庭が荒れ放題の空き家でも、買取会社は解体や改修の費用を見込んだうえで価格を出します。売主が掃除や修繕をする必要はなく、家具や荷物が残ったままでも相談できるケースが多くあります。
仲介と買取の違い|ボロ家では「契約不適合責任」に注意
| 比較項目 | 仲介(一般の買主に売る) | 買取(不動産会社に売る) |
|---|---|---|
| 売れるまでの期間 | 買主が見つかるまで数カ月以上かかることも | 早ければ数日〜1カ月程度 |
| 価格の水準 | 相場に近い価格を狙える | 相場の7〜9割程度が一般的 |
| 修繕・片付け | 求められることがある | 現況のままでよいことが多い |
| 契約不適合責任 | 売主が負うのが一般的 | 免除されることが多い |
| 仲介手数料 | かかる | かからない |
ボロ家で特に注意したいのが「契約不適合責任」です。仲介で個人に売った場合、引渡し後にシロアリや雨漏り、配管の不具合などが見つかると、修理費の負担や代金の減額、契約の解除を求められることがあります。古い家ほど、売主自身も気づいていない不具合が潜んでいるものです。買取であれば、この責任を免除する条件で契約するのが一般的なため、売ったあとの心配がほとんどありません。仲介と買取の違いは不動産の買取と仲介の違いで詳しく解説しています。
出典:東日本不動産流通機構|戸建住宅(中古)の築年帯別状況[首都圏]2025年
「現況のまま売る」と「解体してから売る」どちらが得か


ボロ家を手放すとき、まず迷うのが「建物を残したまま売るか」「解体して更地にしてから売るか」です。どちらにも長所と短所があり、家の状態や立地によって向き不向きが変わります。
更地にすれば買主は土地の使い方をイメージしやすくなりますが、解体費用は売主が先に払わなければなりません。建物を残したまま売れば解体費はかかりませんが、買主がその費用を見込むため、価格に反映されることがあります。
| 比較項目 | 現況のまま売る(古家付き土地) | 解体してから売る(更地) |
|---|---|---|
| 解体費の負担 | 不要(買主が見込む) | 売主が先に負担 |
| 売り出すまでの手間 | 少ない | 解体工事に1〜2カ月程度かかる |
| 固定資産税 | 住宅用地の特例が続く | 翌年から特例が外れて上がる |
| 再建築不可の場合 | そのまま相談しやすい | 新たに建てられず、使い道がさらに狭まる |
| 家具・荷物 | 残ったまま相談できる場合あり | 解体前に処分が必要 |
特に注意したいのが再建築不可の家です。解体して更地にすると、新しく建物を建てられないため、かえって使い道がなくなるおそれがあります。再建築不可かもしれない場合は、先に解体せず、現況のまま専門の会社に相談するのが安全です。
買取会社に現況のまま相談すれば、解体が必要かどうかも含めて評価してくれます。自分で解体業者を探して費用を立て替える負担を避けられるのは、古い家を抱える売主にとって大きな安心材料です。古家付き土地として売る方法は古家付き土地を高く売る方法、築年数がかなり経った家は築50年の戸建ての売却でも解説しています。
再建築不可物件とは|ボロ家でつまずきやすいポイント


古い戸建てで特に問題になりやすいのが「再建築不可」です。今の建物を壊すと、新しい建物を建てられない土地のことで、古い家ほど当てはまる可能性があります。
主な原因は、建築基準法の「接道義務」を満たしていないことです。建物を建てる土地は、建築基準法上の道路(原則として幅4m以上)に2m以上接していなければなりません。路地の奥の家や、通路のような細い道でしか道路につながっていない家、道路に見えても建築基準法上の道路として扱われていない私道に面した家などが該当しやすくなります。前の道の幅が4m未満でも、「2項道路」として認められていれば、敷地を後退させる(セットバック)ことで建て替えられる場合もあります(セットバックが必要な土地)。
2025年4月の建築基準法改正でリフォームのハードルも上がった
2025年4月に施行された改正建築基準法により、木造2階建ての住宅などでも、屋根や壁、柱などを大きく直す「大規模な修繕・模様替え」をするときに、建築確認の手続きが必要になりました。再建築不可の家は、建築確認が必要な工事が難しいため、これまでのような大がかりなリフォームで再生する方法も取りにくくなっています。再建築不可の家を個人で直して使い続けるハードルは、以前より上がっているといえます(建築基準法とは)。
再建築不可でも価値はゼロではない
「再建築不可=価値がない」と思われがちですが、そうとは限りません。隣地の一部を買い取ったり、隣の土地と一体で使ったりすることで接道の条件を満たし、建て替えができるようになる場合があります。建築基準法43条の許可を受けて建てられるケースもあります。
隣地の所有者にとっては、再建築不可の土地でも自分の敷地を広げる価値があることもあります。こうした活用の道筋を描けるかどうかで、評価は大きく変わります。再建築不可かどうかは、役所での調査や接道の状況の確認が必要なので、まずは現況を伝えて専門の会社に見てもらうことをおすすめします。詳しくは再建築不可物件の買取をご覧ください。
ボロ家の解体費用の考え方|負担を抑える視点


ボロ家を手放すとき、多くの方が気にするのが解体費用です。木造30坪の家で100〜200万円程度がひとつの目安ですが、次のような条件で高くなります。
- ●重機が入れない:路地の奥や前の道が狭い家は、手作業が増えて費用がかさむ
- ●アスベストを含む建材がある:古い家では使われていることがあり、除去費用が別にかかる
- ●家具や荷物が残っている:残置物の処分費が上乗せされる
- ●ブロック塀や庭木、井戸、浄化槽がある:撤去の費用が加わる
アスベストについては、2022年4月から、一定規模以上の解体工事で事前調査の結果を行政に報告することが義務になり、2023年10月からは資格を持った人による調査が必要になりました。古い家ほど調査や除去の費用を見込んでおく必要があります。解体費用の内訳や自治体の補助金については家の解体料金はどう決まる?で解説しています。
解体費用を売主がすべて負担すると、手元に残る金額は大きく減ります。しかも、更地にしたあとで買い手が見つからなければ、住宅用地の特例が外れて上がった固定資産税だけが残るおそれもあります。
解体せず「現況渡し」で負担を避ける
費用負担を抑えるいちばんの方法は、解体せずに現況のまま引き渡す「現況渡し」です。買取会社が解体や再生を前提に価格を出すため、売主が工事費を立て替える必要がありません。
たとえば、見積もりで解体費が思ったより高かった場合でも、現況のままの買取に切り替えれば、その負担を避けられます。解体するか現況のまま売るかは、再建築の可否や立地によって変わるため、自分で解体を進める前に、現況のままの査定額と比べて検討することが大切です。
空き家になったボロ家を放置するリスク


古い戸建てを使わないまま放置すると、さまざまなリスクが積み重なります。人が住まない家は傷みが早く進み、価値はさらに下がっていきます。
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%と、どちらも過去最多・過去最高になりました。こうした状況を受けて、空き家を放置した所有者への対応も厳しくなっています。
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 固定資産税が上がる | 2023年12月施行の改正空家法で、管理が不十分な「管理不全空家」として市区町村から勧告を受けると、住宅用地の特例が外れる |
| 過料・代執行 | 倒壊のおそれがある「特定空家」として命令を受けて従わないと、50万円以下の過料の対象。行政が取り壊し、その費用を請求されることもある |
| 損害賠償 | 屋根や外壁が落ちて通行人や隣家に被害が出れば、所有者として責任を問われる |
| 防犯・防災 | 不法侵入、放火、不法投棄などのおそれが高まる |
| 価値の低下 | 傷みが進むほど評価が下がり、売るときの金額が小さくなる |
たとえば、相続で受け継いだまま遠方で管理できず、数年放置している家は珍しくありません。その間に屋根や外壁が傷み、いざ売ろうとしたときには評価が下がっていたというケースもあります。早めに動くほど、選べる方法は広がります(空家対策特別措置法とは)。
相続したボロ家を手放すときの基礎知識


ボロ家を手放すきっかけには、相続が関わることがよくあります。親が住んでいた古い家を受け継いだものの、住む予定がなく管理に困っている、というご相談は典型的です。
相続登記は義務になっている
2024年4月1日から、相続登記の申請が義務になりました。相続を知った日から3年以内に申請しなければならず、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。それ以前に相続した不動産も、2027年3月31日までに登記が必要です。祖父母の名義のまま放置されている家では、相続人が多くなって手続きが複雑になることもあります。売るためには、まず名義を整理し、相続人の合意を得ておくことが前提になります(相続登記が未了の不動産の売却)。
相続空き家の3,000万円控除は「現況のまま売る」場合も使える
親が一人で住んでいた古い家を相続して売る場合は、「相続空き家の3,000万円特別控除」で、売却益から最大3,000万円を差し引ける可能性があります。主な要件は次のとおりです。
- ●昭和56年5月31日以前に建てられた家であること
- ●相続開始から3年目の年末までに売ること
- ●売却価格が1億円以下であること
- ●2027年12月31日までの売却であること
以前は、売主が解体するか耐震改修をしてから売る必要がありましたが、2024年1月以降の売却からは、売った年の翌年2月15日までに買主が解体や耐震改修をする場合も対象になりました。ボロ家を現況のまま買取会社に売る場合でも、この特例を使える可能性があります。なお、相続人が3人以上いる場合は、1人あたりの控除額が2,000万円になります。使えるかどうかは、税理士や税務署に確認しておくと安心です。
出典:国税庁|No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
ボロ家の相場の確認方法|2026年の市況


ボロ家でも、土地の価値は市況に支えられます。建物が傷んでいても、立地のいい土地なら一定の需要が見込めます。
2026年3月に公表された令和8年地価公示では、全国の全用途平均が2.8%上がり、5年連続の上昇となりました。東京圏の住宅地も3.5%上がっています。一方、東日本レインズによると、2026年9月の首都圏の中古戸建ては、成約件数が前年同月比16.5%減ったものの、平均成約価格は5.4%上がりました。土地の値段は上がり続けていますが、取引の件数は減りはじめています。
相場は次の3つで確認できます。
- ●国土交通省の不動産情報ライブラリ:近くで実際に取引された価格を調べられる
- ●国税庁の路線価:土地の値段の目安がわかる(時価の8割程度が目安)
- ●不動産会社の査定:建物の状態や再建築の可否をふまえた金額がわかる
古い家を抱えていると価値を低く見積もりがちですが、土地の値段が上がっている地域では、思っていたより高い評価が出ることもあります。まずは現況のまま査定を受け、客観的な数字を確かめるところから始めてみてください。
ボロ家の売却で気をつけたいトラブルと注意点


古い戸建ての売却では、トラブルを避けるための注意も欠かせません。状態が悪い家ほど、契約後に「聞いていない不具合があった」といった争いになりやすいためです。
- ●査定額の根拠を確認する:解体費や修繕費をどう見込んだのか、説明を受ける
- ●契約不適合責任の扱いを書面で確認する:免除されるのか、どこまで責任を負うのか
- ●残置物や引渡し時期の条件を確認する:家具や荷物を残してよいか、いつまでに明け渡すか
- ●金額が変わる条件を確認する:高い金額で気を引き、契約直前に「調査で問題が見つかった」と値下げする事例もある
- ●即決しない:自宅を不動産会社に売る契約はクーリング・オフの対象にならない
古い家や再建築不可の家は、扱いに慣れた会社かどうかで対応が大きく変わります。似た物件を買い取った実績があるか、説明がわかりやすいかを見極め、安心して任せられる相手を選びましょう。空き家の売り方全般は空き家の売却・買取ガイドでまとめています。
マーキュリーが選ばれる4つの理由|あらゆる不動産を価値ある未来へ


古い戸建てや再建築不可の家、相続が絡む物件は、一般的な売却では扱いにくいとされがちです。マーキュリーは2004年の設立以来、こうした条件の難しい不動産を自社で直接買い取り、再生してきました(東京都知事(5)第84482号)。
① 再建築不可の土地を「建てられる土地」に変えてきた
マーキュリーは再建築不可事業として、接道の問題を抱える土地の再生に取り組んでいます。世田谷区東玉川では、約61坪の土地を4人の借地人が使い、奥の区画が再建築不可になっていた案件で、権利を取得したうえで確定測量と分筆を行い、奥の区画も建て替えができる宅地にしました。他社では1年以上話が進んでいなかった案件です(事例を見る)。
② 長年の空き家も現況のまま
港区南麻布では、長い間空き家になっていた長屋の一部を、隣接する部分とあわせて一括で買い取り、新築住宅として再生しました(事例を見る)。修繕や解体、家財の片付けは買取後に当社が行うため、売主様が先に費用をかける必要はありません。
③ 権利関係が複雑な家も
共有名義、借地の上に建つ家、私道に面した家など、権利関係が複雑な不動産の権利調整を426件手がけてきました。当社が買主として権利を取得したうえで、地主様や共有者様、隣地の方との話し合いを当社自身の立場で進めます。相続登記や税務申告が必要な場合は、提携の司法書士・税理士をご紹介します。
④ 直接買取で仲介手数料ゼロ・契約不適合責任も原則免除
当社が直接買い取るため、仲介手数料はかかりません。引渡し後の契約不適合責任も原則として免除しているため、古い家でも売ったあとに修理費を請求される心配はありません。契約で決めた金額と日程で確実に売れるため、相続空き家の特例の期限などに合わせた計画も立てやすくなります。
ボロ家の売却に関するよくある質問
Q. 人が住めないほど古い家でも売れますか?
売れます。住める状態かどうかと、不動産として価値があるかどうかは別です。土地に価値があれば、建物が傷んでいても取引は成り立ちます。買取会社は解体や改修を前提に価格を出すため、現況のままでも相談できます。
Q. ボロ家は解体してから売ったほうがいいですか?
先に解体するのはおすすめしません。木造30坪でも100〜200万円程度の解体費がかかり、更地にすると翌年から土地の固定資産税が上がります。再建築不可の家を解体すると、新しく建てられず使い道がさらに狭まります。まずは現況のままの査定額を確認しましょう。
Q. 再建築不可のボロ家でも買い取ってもらえますか?
買い取ってもらえることがあります。隣地と一体で使う、隣地の一部を取得して接道の条件を満たすなどの方法で、価値を見いだせる場合があるためです。再建築不可の家の扱いに慣れた買取会社に相談するのが近道です。
Q. 家具や荷物が残ったままでも売れますか?
仲介で売る場合は、引渡しまでに空にしておくのが一般的です。買取であれば、家具や荷物が残ったままでも引き取ってもらえることが多く、片付けの手間や費用を省けます。
Q. 古い家を売ったあとで不具合が見つかったらどうなりますか?
個人に仲介で売った場合は、契約不適合責任として修理費の負担や代金の減額を求められることがあります。不動産会社の買取では、この責任を免除する条件で契約するのが一般的なため、売ったあとの心配がほとんどありません。
Q. 相続したボロ家を現況のまま売っても3,000万円控除は使えますか?
2024年1月以降の売却では、売った年の翌年2月15日までに買主が解体や耐震改修をする場合も、相続空き家の3,000万円特別控除の対象になります。昭和56年5月31日以前に建てられた家であることなどの要件があるため、税理士や税務署に確認しましょう。
Q. マーキュリーの対応エリアはどこですか?
東京都内を中心に、首都圏で開発を行っています。
まとめ|マーキュリーへご相談ください
古くなったボロ家でも、土地に価値が残っていれば、現況のまま手放すことは十分にできます。
- ●首都圏の中古戸建ての成約の約3割は築31年以上
- ●仲介では契約不適合責任に注意。買取なら原則免除
- ●先に解体すると費用と固定資産税の負担が増える。再建築不可ならなおさら
- ●2025年4月の法改正で、再建築不可の家の大規模リフォームは難しくなった
- ●放置すると管理不全空家として固定資産税が上がることも
- ●相続した家は、現況のまま売っても相続空き家の特例を使える可能性がある
大切なのは、自己判断で解体したり放置したりせず、まずは現況のままの査定額を確かめることです。マーキュリーは、再建築不可、相続、権利関係の複雑さ、建物の古さといった難しい条件にこそ向き合い、直接買い取っています。状態や残置物を問わず、お気軽にご相談ください。





