再建築不可物件は売却できる?高く売る方法・相場の考え方・買取の注意点

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最終更新日:2026/09/29

再建築不可物件でも、売却することはできます。ただし、一般的な土地や戸建てと比べると、建替えができず、買主が住宅ローンを利用しにくいため、売却まで時間がかかったり、価格が低くなったりする傾向があります。

大切なのは、最初から「安く売るしかない」と決めつけないことです。まずなぜ再建築不可なのかを調べ、接道条件を改善できないか、建築基準法43条2項の認定・許可を検討できないかを確認します。そのうえで、仲介・買取・隣地への売却を比較するのが基本です。

この記事では、再建築不可物件が売れにくい理由、売却価格を左右するポイント、高く売るための方法、仲介と買取の違い、売却前にしてはいけないことまで順番に解説します。

最初に結論

再建築不可物件を売るときは、次の順番で考えると整理しやすくなります。

① 再建築不可になっている理由を調べる
② 接道改善や43条2項の認定・許可の可能性を確認する
③ 建物を残した方がよいか判断する
④ 仲介・買取・隣地への売却を比較する
⑤ 査定価格だけでなく、期間・費用・契約条件まで確認する

特に、売却前に建物を解体したり、高額なリフォームをしたりするのは避け、まず現況のまま査定を受けることをおすすめします。

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再建築不可物件の売却イメージ

再建築不可物件でも売却できる

この章のポイント
再建築不可は「売買できない」という意味ではありません。ただし、一般的な住宅とは買主層や査定の考え方が異なります。

「再建築不可」と聞くと、売ること自体ができないと思われることがあります。しかし、再建築不可は建替えに制限がある状態であって、売買そのものを禁止するものではありません。

実際には、現在ある建物を利用したい人、賃貸運用を考える投資家、隣接地と一体利用したい隣地所有者、再建築不可物件を扱う不動産会社などが買主候補になります。

一方で、一般の住宅を探している人からは敬遠されやすく、住宅ローンも利用しにくい傾向があります。そのため、通常の戸建てと同じ売り方をすると、なかなか買主が決まらないことがあります。

そもそも再建築不可物件とは?

この章のポイント
代表的な原因は接道義務を満たしていないことです。ただし、前面道路が狭いだけで再建築不可と決まるわけではありません。

再建築不可物件とは、現在は建物が建っていても、取り壊した後に原則として新しい建物を建てられない土地・建物を指します。

代表的な原因が、建築基準法上の接道義務を満たしていないことです。建築物の敷地は、原則として幅員4m以上の建築基準法上の道路に2m以上接している必要があります。

たとえば、次のような土地では再建築できない可能性があります。

  • 道路に接している間口が2m未満
  • 前面の通路が建築基準法上の道路に該当しない
  • 他人の土地などに囲まれ、建築基準法上の道路へ接していない

ただし、道路の種類や敷地の形、自治体の条例などによって判断は変わります。前面道路が狭いからといって、見ただけで再建築不可と判断することはできません。

再建築不可になる詳しい理由については、再建築不可とは?建て替えできない理由と対処法をわかりやすく解説も参考にしてください。

再建築不可物件の売却価格は何で決まる?

この章のポイント
「通常物件の○割」と一律に決まるわけではありません。再建築できる可能性、建物を使える状態か、立地、私道・隣地関係などを総合して査定されます。

再建築不可物件の価格について、「通常の物件より何割安いのか」と気になる方も多いと思います。

ただ、実際の価格差は物件ごとに大きく、一定の割合では決まりません。同じ再建築不可でも、駅から近く建物をそのまま賃貸利用できる物件と、無接道で建物の劣化も大きい物件では評価が大きく変わります。

査定で見られやすい項目 評価への影響
再建築不可の原因 接道改善などで解消できる可能性があるか
43条2項の可能性 認定・許可により建築できる可能性があるか
建物の状態 修繕して今後も利用できるか
立地・賃貸需要 投資用物件として活用しやすいか
私道・通行関係 通行や掘削などに問題がないか
境界・越境 隣地との権利関係に調整が必要か
隣地との一体利用 隣地所有者にとって価値が高まるか

そのため、相場サイトの割合だけで売却価格を決めず、道路・接道・建物・権利関係まで確認した査定を受けることが重要です。

再建築不可物件が売れにくい4つの理由

この章のポイント
売れにくい主な理由は、建替えできないこと、融資を利用しにくいこと、建物の維持費がかかりやすいこと、購入者が限定されることです。

建替えができず利用方法が限られる

通常の戸建てなら、建物が古くなったら解体して新築する選択肢があります。

再建築不可物件では、現在の建物を取り壊すと新しい建物を建てられない可能性があるため、既存建物を修繕しながら使うことが前提になりやすくなります。

再建築不可物件は土地活用方法が限られる

住宅ローンを利用しにくい

金融機関は、借りる人の返済能力だけでなく、担保となる不動産の価値も確認します。

再建築不可物件は、将来の利用が制限され、売却先も限られやすいため、担保評価が低くなる傾向があります。その結果、買主が住宅ローンを利用できなかったり、希望額まで借りられなかったりすることがあります。

再建築不可物件と住宅ローン

築古物件が多く、修繕費がかかることがある

再建築不可物件には築年数の古い木造住宅も多く、屋根、外壁、給排水、基礎、土台などに修繕が必要なケースがあります。

さらに、細い通路の奥にある物件では工事車両や重機が入りにくく、搬入方法によって工事費が高くなることもあります。

再建築不可物件のリフォーム費用

購入できる人が限られる

住宅ローンの利用や建替えに制約があるため、一般的な戸建てより購入希望者は少なくなります。

ただし、現金で購入できる投資家、賃貸運用を考える人、隣地所有者などには需要があります。つまり、再建築不可物件は「売れない」のではなく、買う人が一般の住宅とは異なる物件です。

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再建築不可物件を少しでも高く売る5つの方法

この章のポイント
売却価格を上げるために重要なのは、高額な工事をすることではなく、「再建築不可を解消できる可能性」と「誰に売れば価値が高いか」を調べることです。

1.役所調査で再建築不可の原因を確定する

不動産会社から「再建築不可」と言われたとしても、まず道路種別、幅員、接道長さなどを確認します。

原因が分からなければ、接道改善や43条2項の可能性も判断できません。査定前後の段階で、建築指導課などの行政窓口で確認しておくことが重要です。

2.隣地所有者への売却を検討する

一般の買主には使いにくい土地でも、隣地所有者にとっては価値が高い場合があります。

たとえば隣地と一体化することで土地形状がよくなったり、接道条件を改善できたりするケースです。

再建築不可物件を隣地所有者へ売却する方法

ただし、売却を急いでいることが相手に伝わると価格交渉で不利になることもあります。隣地への打診は、不動産会社などを通して進める方法も検討しましょう。

3.隣地の一部を取得して接道条件を改善できないか調べる

接道幅が不足している場合、隣地の一部を取得することで建築可能になるケースがあります。

ただし、入口部分を2mにすれば必ず解決するとは限りません。路地状部分全体の幅、前面道路の種類、自治体条例なども確認する必要があります。

隣地の一部を取得して接道条件を改善する方法

隣地を購入する前に、行政や建築士などへ建築可能性を確認してください。

4.建築基準法43条2項の認定・許可を確認する

建築基準法上の道路へ通常どおり接していない敷地でも、周辺状況などによっては、43条2項の認定または許可を受けて建築できる場合があります。

制度 概要
43条2項1号 省令で定める基準に適合する道などに接し、一定の建築物について特定行政庁の認定を受ける
43条2項2号 一定の基準に適合し、建築審査会の同意を得て特定行政庁の許可を受ける

利用できるかは個別判断です。過去に許可された物件でも、将来の建替え時に同じ条件で必ず許可されるとは限りません。

参考:国土交通省「接道義務に係る特例認定・許可(建築基準法第43条第2項)」

5.建物を残したまま専門会社へ査定を依頼する

再建築不可物件では、現在ある建物そのものに利用価値が残っていることがあります。

リフォームして居住する、賃貸運用するなどの出口が考えられるため、古いからという理由だけで解体せず、まず建物付きの状態で査定を受けましょう。

再建築不可物件そのものの特徴については、再建築不可とは?建て替えできない理由と対処法をわかりやすく解説もご覧ください。

仲介・買取・隣地への売却はどう選ぶ?

この章のポイント
高値の可能性を探すなら仲介、スピードや現況売却を重視するなら買取、隣地と一体化するメリットが大きい場合は隣地への売却を検討します。
売却方法 向いているケース 注意点
仲介 時間をかけても市場で買主を探したい 融資の問題から売却期間が長くなることがある
不動産会社の買取 早く売りたい、築古・残置物あり、現況で売りたい 仲介より査定価格が低くなる傾向がある
隣地所有者への売却 隣地と一体化することで土地価値が高まる 価格・境界・交渉方法で揉めないよう注意する

再建築不可物件では「一番高い査定額」を選ぶだけではなく、実際にその価格で買主を見つけられるのか、いつ売却できるのかまで比較することが大切です。

再建築不可物件の買取については、再建築不可物件は買取会社がいい理由と4つのメリットでも解説しています。

再建築不可物件の査定前に準備しておくとよい資料

この章のポイント
資料がすべて揃っていなくても査定できます。ただ、道路・境界・私道・建物の履歴が分かる資料があると、価格判断を進めやすくなります。
  • 登記識別情報・権利証
  • 登記事項証明書
  • 公図・地積測量図など
  • 固定資産税・都市計画税納税通知書
  • 購入時の売買契約書・重要事項説明書
  • 建築確認関係の書類が残っている場合はその資料
  • 私道に関する通行・掘削承諾書など
  • 境界確認書・測量図
  • 過去のリフォーム・修繕履歴

特に私道に面している物件では、私道持分の有無や通行・掘削に関する取り決めが査定へ影響することがあります。

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再建築不可物件を売却する前にしてはいけないこと

この章のポイント
特に注意したいのは「原因を調べないまま安値で売る」「先に建物を壊す」「高額なリフォームを先に行う」ことです。

再建築不可の原因を確認せずに売り出す

接道幅が足りない物件と、前面通路そのものが建築基準法上の道路ではない物件では、対応方法が違います。

原因を確認しないまま「再建築不可」として販売すると、本来評価できる可能性を見落とすことがあります。

売却前に建物を解体する

一般的な古家付き土地では、更地にして販売することがありますが、再建築不可物件では慎重に判断する必要があります。

建物を壊した後に新築できなければ、住宅や賃貸物件として利用する選択肢を失う可能性があるためです。

さらに、住宅用地の固定資産税・都市計画税には特例があるため、建物を取り壊す時期によって税負担へ影響することがあります。

解体を決める前に、建築可能性、売却価格、税負担まで含めて確認しましょう。

高額なリフォームを先に行う

再建築不可物件でも修繕・リフォームができる場合はありますが、工事内容によっては建築確認などが関係します。

また、数百万円をかけて工事をしても、その費用をそのまま売却価格へ上乗せできるとは限りません。

先に現況で査定を取り、「工事をする場合」と「そのまま売る場合」の手取りを比較して判断する方が安全です。

再建築不可のリフォーム|意外と知らない問題点

再建築不可物件の売却で確認したい契約不適合責任

この章のポイント
再建築不可であることだけでなく、雨漏り・シロアリ・越境・私道関係など、売主が把握している情報は契約前に整理しておきます。

契約不適合責任とは、引き渡した不動産が契約で定めた種類・品質などに適合していない場合に、売主が負うことがある責任です。

再建築不可物件では建物が古いケースも多いため、雨漏り、シロアリ、傾き、設備故障など、把握している問題があれば不動産会社へ伝えてください。

不動産会社による買取では、契約不適合責任について免責特約を設ける取引もあります。ただし、不動産会社へ売れば法律上自動的に免責になるわけではありません。

売買契約書で、どの範囲まで責任を負うのかを確認しましょう。

空き家の再建築不可物件は売却まで最低限の管理を続ける

この章のポイント
現在の建物を利用できるかどうかが価格に影響するため、売却までの間に劣化を進めないことも大切です。

誰も住んでいない建物は、雨漏りや設備不良などに気付きにくくなります。

売却まで時間がかかる場合は、無理のない範囲で換気、通水、雨漏り確認、庭木の管理などを行いましょう。

特に雨漏りやシロアリ被害は放置すると修繕範囲が広がり、建物の利用価値が下がる可能性があります。

再建築不可物件の売却はマーキュリーへご相談ください

この章のポイント
再建築不可物件では、現地を見るだけでなく、道路種別・接道・私道・隣地関係まで調べたうえで売却方法を考える必要があります。

マーキュリーでは、再建築不可物件をはじめ、借地権、底地、共有持分など、一般的な不動産より条件の整理が必要な物件についてもご相談を承っています。

たとえば、

  • 相続した家が再建築不可と言われた
  • 接している通路が道路かどうか分からない
  • 建物がかなり老朽化している
  • 残置物を片付けず売却したい
  • 隣地との調整も含めて相談したい
  • 仲介で長期間売れていない

といったケースも、まず現在の状況を確認します。

物件によっては、古家や残置物を含めた現況での買取、境界を明示しない条件、契約不適合責任について特約を設ける取引などについてもご相談いただけます。

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マーキュリーで再建築不可物件を売却する流れ

ステップ 内容
1 物件所在地・売却希望時期などを確認
2 役所で道路種別・接道条件などを調査
3 現地で建物状態・間口・周辺状況を確認
4 査定価格と売却方法をご提案
5 条件に合意後、売買契約・決済・引渡し

再建築不可かどうか分からない段階でもご相談いただけます。まず道路と接道状況を確認し、そのうえで売却方法を整理します。

再建築不可物件の売却に関するよくある質問

前面道路が2項道路なら再建築不可ですか?

2項道路に接しているという理由だけで再建築不可になるわけではありません。建築基準法上の2項道路として扱われる道路であれば、セットバックなどが必要になることはありますが、接道長さなど他の条件を満たせば建築できる可能性があります。道路種別と敷地条件を行政窓口で確認してください。

接道幅が2m未満でもセットバックすれば再建築できますか?

セットバックは主に道路幅員を確保するための制度で、敷地が道路に接する長さそのものが不足している問題を必ず解消できるわけではありません。接道幅不足の場合は、隣地の一部取得など別の方法が必要になることがあります。

私道持分がない再建築不可物件でも売却できますか?

売却できる可能性はあります。ただし、通行や上下水道工事のための掘削などについて権利関係の確認が必要です。私道所有者との取り決めや過去の承諾書がある場合は、査定時に提示すると状況を確認しやすくなります。

境界が確定していなくても再建築不可物件を売却できますか?

境界未確定でも売却できるケースはあります。必ず確定測量をしなければ売れないとは限りません。ただし、接道幅や隣地との関係が価格判断に重要な物件では、測量が必要になる場合があります。先に費用をかけるのではなく、査定時に必要性を確認してください。

再建築不可物件を売るとき、建築当時の確認済証がなくても大丈夫ですか?

確認済証が見つからないだけで売却できないと決まるわけではありません。自治体に残る建築計画概要書などから確認できる場合もあります。手元にある図面や購入時の書類を用意し、不足資料については不動産会社や行政窓口へ確認しましょう。

再建築不可物件を売却する前に確定測量をした方が高く売れますか?

測量によって接道長さや境界が明確になり、買主が判断しやすくなる場合はあります。ただし、測量費用をかければ必ずその分だけ高く売れるわけではありません。現況査定を受け、測量の必要性と価格への影響を確認してから判断するとよいでしょう。

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