国有地の借地権は売却できる?財務局の「同時売却」の流れ・期間・注意点を解説

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最終更新日:2026/10/29

国有地の借地権のイメージ

「家の土地が国の土地だとわかったけれど、借地権は売れるの?」「関東財務局から届いた書類の意味がわからない」——国や東京都が地主の借地権について、当社にはこうしたご相談が寄せられます。
地主が個人なら、地主に借地権を買い取ってもらう、地主から底地を買う、といった話し合いができます。しかし国が地主の場合は、ルールも手続きも大きく違います。
この記事では、国有地・公有地の借地権を売る方法、財務局の「同時売却」の流れと期間、底地を自分で買う方法、注意点を整理します。

国や東京都が地主の借地権とは

国(財務省)や都道府県、市区町村が所有している土地を、国有地・公有地といいます。その上に借地人が建物を建てて住んでいる場合、地主は国や自治体ということになります。国有地の借地は、各地の財務局・財務事務所(東京なら関東財務局の東京財務事務所など)が管理しています。

個人の地主が持っていた底地が、国の土地になっていることも珍しくありません。代表的なのが相続税の物納です。地主が相続税を現金で払えず、底地を国に納めると、その日から地主は国に変わります。借地人にとっては、ある日突然「地主が国になった」という通知が届くことになります。

国有地・公有地(財務省・関東財務局・東京都財務局等が所有している)借地権も売却できます

国有地の借地権も、一般の借地権と同じように売却できます。マーキュリーでは、国有地・公有地の借地権の買取実績があり、財務局とのやりとりも当社でサポートしています。

地主が個人の場合と国の場合の違い

  地主が個人・法人・寺社など 地主が国(財務局)
地主に借地権を買い取ってもらう 話し合い次第で可能 原則できない
借地人が底地を買う 話し合い次第で可能 国の基準の価格で購入できる場合がある
第三者への借地権の売却 地主の承諾が必要(断られることもある) 国の承認が必要(手続きに沿って申請)
承諾料(名義書換料) 話し合いで決める(借地権価格の10%程度が目安) 国の基準で算出され、必要となる場合がある
底地との同時売却 地主との合意と価格配分の交渉が必要 国の制度として申請できる(価格は国が算出)
交渉の進め方 地主の意向や感情に左右されやすい 決められた手続きと基準で進む

国が地主の場合、価格や条件を交渉で動かすことはできません。その代わり、地主の気持ち次第で話が止まるということもなく、手続きに沿えば着実に進められるのが特徴です。

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国有地の借地権を売る3つの方法

① 国の承認を得て、借地権を第三者に売る

国は、借地上の建物(借地権)を買い戻すことは基本的にありません。そのため、借地権を手放すには第三者に売るのが基本です。
売るときは、事前に財務局へ借地権譲渡の申請をし、承認を得る必要があります。国の承認前に借地権を譲渡すると、国との貸付契約違反になるので注意してください。承認にあたっては、国の基準で算出される名義書換承諾料が必要になる場合があります。
この方法では、買主は新しい借地人として国と貸付契約を結び、地代(貸付料)を払い続けることになります。

② 底地もあわせて第三者に売る「同時売却」

同時売却とは、借地人が借地権付き建物を第三者に売るのにあわせて、国が底地も同じ買主に売る制度です。買主は借地権と底地の両方を手に入れ、普通の所有権の土地として持つことができます。

同時売却のイメージ

所有権になれば地代がかからず、住宅ローンも使いやすくなるため、借地権だけを売るより買い手が見つかりやすく、借地権の価格も評価されやすくなります。
個人の地主との同時売却では、地主が売る気になるタイミングを待ったり、代金を借地人と地主でどう分けるかを交渉したりする必要があり、話がまとまらないことも少なくありません。国の同時売却は、底地の価格を国が自ら算出するため、価格配分でもめることがありません。

関東財務局では、借地人の依頼にもとづいて、ホームページで同時売却の購入希望者を募集することもできます。

参考:関東財務局「同時売却について」

③ 借地人が底地を買ってから売る

国有地の借地人は、国に申し込んで底地を買い取れる場合があります。底地を買えば土地も建物も自分のものになり、普通の不動産として売ったり、建て替えたりできます。
価格は国の算定方法で決まります。底地の購入資金を用意できるなら、自分で所有権にしてから売るほうが、最終的な手取りが多くなることもあります。一方で、まとまった資金と手続きの時間が必要です。底地の購入を希望する場合は、管轄の財務事務所に相談してください。

同時売却の流れと期間

関東財務局が示している同時売却の基本的な流れは次のとおりです。

  1. 借地人と購入希望者が交渉し、合意する:借地権付き建物の売買条件を決めます。
  2. 借地人が国に申請する:借地権の譲渡申請と、底地の売払申請を財務事務所に提出します。
  3. 国が審査・承認する:底地の売払価格などの条件が示されます。
  4. 2つの売買契約を結ぶ:借地人と購入者が建物(借地権)の売買契約を、国と購入者が底地の売買契約を結びます。
  5. 決済・引き渡し:借地権と底地の代金を支払い、登記をして完了です。
同時売却の流れ

当社の経験では、国への申し込みから決済までは3ヶ月程度が目安です。書類のやりとりが何度かあり、不備があればやり直しになるため、その分だけ長くかかります。境界が確定していない場合などは、さらに時間がかかることもあります。

同時売却の注意点

  • 底地の価格は交渉できない:底地の売払価格は、借地権付き建物の売買価格とは関係なく、国の算出方法で決まります。
  • 借地人は国の代理人ではない:底地を売るのはあくまで国です。借地人が底地の売却を約束したり、条件を決めたりすることはできません。
  • 同時売却ができない土地もある:条件が付いたり、地域によっては実施されなかったりします。重要施設の周辺や国境離島などにある土地では、同時売却は行われていません。
  • 承認前に契約・引き渡しをしない:国の承認を得る前に借地権を譲渡すると、貸付契約違反になります。
  • 東京都などの公有地は手続きが別:都や区市町村が地主の場合は、それぞれの財産管理部署のルールに従います。同時売却の可否や承諾料の扱いも自治体ごとに異なるため、個別の確認が必要です。

個人の地主の場合も含めた同時売却の仕組みは、同時売却って?底地と借地権を同時に売却するメリットで解説しています。

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国が地主になったときの借地人の注意点

物納などで地主が国に変わっても、借地権そのものはそのまま続きます。契約の内容や、旧法借地権であれば旧借地法のルールも引き継がれます(参考:旧法借地権とは?)。
ただし、地代(貸付料)は国の基準で定められ、地代の振込先や更新・承諾の手続きも財務事務所が窓口になります。個人の地主との間で口約束になっていたことは引き継がれないこともあるため、契約書の内容をあらためて確認しておきましょう。地代の考え方は借地権の地代はいくら?もご覧ください。

マーキュリーは国有地の借地権の売却をサポートします

国有地の借地権を売るには、財務事務所への申請や書類の準備、平日の窓口対応が必要です。お仕事をしながら、ご自身ですべて進めるのは簡単ではありません。

当社は借地権・底地の権利調整を本業とし、借地権の買取実績は258件、底地の買取実績は74件にのぼります(当社サイト掲載時点)。国や東京都が地主の借地権についても、当社が買主として借地権を直接買い取るほか、国の同時売却制度を使って底地とあわせて取得した実績があります。

  • 当社が直接の買主になる:購入希望者を探す必要がなく、条件が合えばすぐに手続きに入れます。
  • 申請書類の準備をサポート:財務事務所への譲渡申請や売払申請に必要な書類の準備を、買主の立場からお手伝いします。
  • 古い建物・荷物が残ったままでも相談可能:借地上の建物が古い、相続したまま使っていない、といった状態でもご相談ください。

相続した国有地の借地権を手放したい場合は、借地権の相続で要注意!相続と遺贈の違いや借地権の相続税はいくら?もあわせてご覧ください。地主が個人の場合の売り方は借地権は売却できる?、借地権を地主に買い取ってもらう方法で解説しています。

国有地の借地権に関するよくある質問

Q. 地主が国の借地権でも売却できますか?

売却できます。事前に財務局(財務事務所)に借地権譲渡の申請をして承認を得れば、第三者に売ることができます。底地もあわせて買主に売ってもらう「同時売却」という制度もあります。

Q. 国に借地権を買い取ってもらうことはできますか?

基本的にできません。国は借地権を買い戻すことはないため、第三者に売るか、借地人自身が底地を買って所有権にする方法を検討します。

Q. 国有地の同時売却にはどれくらいの期間がかかりますか?

当社の経験では、国への申し込みから決済まで3ヶ月程度が目安です。書類に不備があったり、境界の確定が必要だったりすると、さらに時間がかかります。

Q. 国有地の底地の価格は交渉できますか?

できません。底地の売払価格は、借地権付き建物の売買価格とは関係なく、国の算出方法にもとづいて決まります。

Q. 地主が相続税の物納で国に変わりました。借地契約はどうなりますか?

借地権はそのまま続き、契約の内容も引き継がれます。地代の支払先や更新・承諾の窓口は財務事務所に変わります。個人の地主との口約束などは引き継がれないことがあるので、契約書の内容を確認しておきましょう。

Q. 国の承認を得る前に売買契約を結んでも大丈夫ですか?

国の承認前に借地権を譲渡すると、国との貸付契約違反になります。売買の条件を決めたら、承認を得てから契約・引き渡しを進めるようにしてください。

Q. マーキュリーはどのエリアに対応していますか?

東京都内を中心に、首都圏で開発を行っています。

まとめ

国や東京都が地主の借地権も、売却することができます。国は借地権を買い戻さないため、国の承認を得て第三者に売るか、国の「同時売却」制度で底地とあわせて売るか、借地人が底地を買ってから売るのが基本です。価格や条件は国の基準で決まり、交渉で動かすことはできませんが、手続きに沿えば着実に進められます。
申請や書類の準備に不安がある方は、国有地の借地権の取引実績がある株式会社マーキュリーにご相談ください。

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