任意売却をしたからといって、住宅ローンが必ずすべてなくなるわけではありません。
例えば、住宅ローンの残高が3,000万円ある状態で、不動産を2,500万円で任意売却した場合、単純計算では500万円の残債が残ります。
この残債は、任意売却をしただけで自動的に免除されるわけではありません。
ただし、任意売却後に残った金額を一括で支払うことが難しい場合には、債権者と相談し、収入や生活状況に応じた返済方法を検討できることがあります。
また、残債だけでなくカードローンなど他の借金もあり、返済そのものが難しい場合には、弁護士などへ相談して任意整理・個人再生・自己破産といった債務整理を検討するケースもあります。
この記事では、任意売却後に残債が残った場合の扱い、返済方法、債権者との相談ポイント、債務整理を検討するケース、売却前に確認しておきたい注意点まで解説します。
- 1 任意売却後に住宅ローンの残債が残ることはある
- 2 任意売却後の残債は原則として返済が必要
- 3 任意売却後の残債は一括返済しなければならない?
- 4 任意売却後の残債を返済する主な方法
- 5 任意売却後の残債に利息はかかる?
- 6 任意売却後の残債は保証会社や債権回収会社へ移ることもある
- 7 任意売却の売却代金から引っ越し費用は出せる?
- 8 任意売却後の返済計画で確認したい4つのポイント
- 9 任意売却後の残債が払えない場合の債務整理
- 10 任意売却前に残債をできるだけ減らすことも重要
- 11 マーキュリーでは任意売却後の残債も見据えて売却を進めます
- 12 任意売却後の残債に関するよくある質問
- 13 まとめ|任意売却は売却後の残債まで確認して進める
任意売却後に住宅ローンの残債が残ることはある
任意売却とは、住宅ローンを完済できない状態でも、金融機関などの債権者から同意を得て抵当権を外してもらい、不動産を売却する方法です。
例えば、住宅ローン残高が3,000万円、不動産の売却価格が2,500万円だった場合、売却代金だけでは住宅ローンを完済できません。
通常の売却では、住宅ローンを完済して抵当権を抹消しなければ売却することが難しいため、不足額を自己資金で補う必要があります。
任意売却では、債権者の同意を得ることで、売却後に残債が残る状態でも抵当権を外して売却できる場合があります。
ただし、残った住宅ローンについては、売却後も債務として残ります。
任意売却そのものについて詳しく知りたい方は、任意売却とは?競売との違いやメリット・デメリットを解説も参考にしてください。
任意売却後の残債は原則として返済が必要
任意売却後に残った住宅ローンは、原則として返済する必要があります。
「家を売ったから住宅ローンもなくなる」と考えてしまう方もいますが、不動産の売却と借金の消滅は別の問題です。
売却代金を返済に充てても債務が残った場合、その残額について返済義務が続きます。
ただし、返済方法については債権者と相談できる場合があります。
任意売却をする方は、そもそも従来の住宅ローン返済が難しくなっていることが多いため、売却後の残債についても収入や生活費などを踏まえて返済方法を相談することになります。
任意売却後の残債は一括返済しなければならない?
住宅ローンを滞納して期限の利益を喪失している場合、契約上は残債全額の一括請求を受けることがあります。
しかし、現実に一括返済できない場合は、任意売却を進める過程や売却後に、債権者と今後の返済方法について相談することになります。
債権者によって対応は異なりますが、返済能力や家計状況を確認したうえで、分割返済について協議するケースがあります。
そのため、任意売却を検討するときは売却価格だけではなく、「売却後にいくら残るのか」「残った金額をどのように返済するのか」まで確認しておくことが重要です。
任意売却後の残債を返済する主な方法
1.債権者と相談して分割返済する
まず考えられるのが、残債を分割して返済していく方法です。
毎月いくら返済できるのかは、残債額だけでなく、収入、家賃、生活費、扶養家族などによって変わります。
そのため、売却後の家計を整理したうえで、継続できる返済額を債権者と相談します。
住宅金融支援機構でも、返済の継続が困難になった場合の任意売却や返済方法変更に関する案内を行っています。
2.余裕ができたら繰り上げて返済する
売却直後は引っ越しや新居の費用が必要になるため、毎月の返済額を大きくするのが難しいことがあります。
その後、家計に余裕が出てきた場合には、債権者との契約内容を確認したうえで返済額を増やす方法も考えられます。
ただし、残債にどのような利息・遅延損害金が発生するかは債権者や契約内容によって異なります。
「毎月少額を払っていれば問題ない」と決めつけず、残債総額と今後の返済条件を確認しておきましょう。
3.返済が難しい場合は債務整理を検討する
任意売却をしても残債の返済が難しい場合や、住宅ローン以外にも多額の借金がある場合は、債務整理を検討することがあります。
代表的な方法には、任意整理、個人再生、自己破産があります。
債務整理は法律業務となるため、不動産会社ではなく弁護士などの専門家へ相談する必要があります。
任意売却後の残債に利息はかかる?
任意売却後に残った債務について、利息や遅延損害金が発生するかどうかは、契約内容や債権者との合意によって異なります。
元の住宅ローン契約どおりの条件がそのまま続くとは限らず、保証会社による代位弁済後や債権回収会社へ債権が移った後などでは、返済条件が変わることがあります。
そのため、任意売却後は次の点を確認しておきましょう。
- 残債はいくらあるのか
- 毎月の返済額はいくらか
- 利息や遅延損害金が発生するのか
- 返済日はいつか
- 繰り上げ返済が可能か
- 今後の窓口となる債権者はどこか
任意売却後の残債は保証会社や債権回収会社へ移ることもある
住宅ローンに保証会社が付いている場合、滞納が続くと保証会社が金融機関へ残債を支払う「代位弁済」が行われることがあります。
この場合、借主の借金そのものがなくなるわけではありません。
金融機関に代わって保証会社が債権者となり、保証会社へ返済することになります。
また、その後、債権回収会社(サービサー)が返済の窓口になるケースもあります。
任意売却後に連絡先が変わった場合は、通知書などを確認し、どの会社へ返済するのかを把握しておきましょう。
任意売却の売却代金から引っ越し費用は出せる?
任意売却では、売却代金は基本的に債権者への返済に充てられます。
ただし、売却のために必要となる費用について、債権者の承認を得て売却代金から配分できる場合があります。
例えば、次のような費用です。
- 不動産会社への仲介手数料
- 抵当権抹消などに必要な登記費用
- マンションの管理費・修繕積立金の滞納分の一部
- 差押えなどの解除に必要な費用
- 引っ越し費用
ただし、これらを自由に売却代金から差し引けるわけではありません。
どの費用をいくら認めてもらえるかは、債権者の判断や配分協議によって異なります。
特に引っ越し費用については、必ず確保できるものではないため、事前に確認しておくことが重要です。
任意売却後の返済計画で確認したい4つのポイント
1.売却後の残債額を正確に確認する
まず確認したいのは、任意売却後に実際にいくら残るのかです。
単純に「住宅ローン残高-売却価格」で計算できるとは限りません。
売却代金から認められる諸費用や、利息・遅延損害金などを含めて最終的な残債額を確認する必要があります。
2.売却後の生活費を含めて返済額を考える
任意売却後は、新しい住居の家賃や引っ越し費用などが必要になります。
残債を早く返済したいからといって、生活できないほど高い返済額を設定してしまうと、再び滞納する可能性があります。
家賃、食費、水道光熱費、教育費などを含め、継続できる返済額を考えましょう。
3.住宅ローン以外の借金も確認する
カードローン、クレジットカードのリボ払い、自動車ローンなどがある場合は、住宅ローンの残債だけでなく、すべての借金を含めて家計を確認する必要があります。
任意売却後の残債だけなら返済できても、他の借金を含めると返済が難しいケースもあります。
4.債務整理が必要か早めに判断する
任意売却後も返済の見通しが立たない場合は、無理に返済を続けるだけではなく、弁護士などへ相談して債務整理を検討することも大切です。
早い段階で相談すれば、現在の収入や借金総額に応じた選択肢を整理しやすくなります。
任意売却後の残債が払えない場合の債務整理
任意整理
任意整理とは、裁判所を利用せず、債権者と返済条件について話し合う方法です。
将来利息の取扱いや分割返済期間などについて協議することがありますが、どのような条件になるかは債権者や債務の内容によって異なります。
個人再生
個人再生は、裁判所を利用して借金を一定の基準まで減額し、認可された再生計画に基づいて返済していく手続きです。
任意売却後に残った住宅ローン債務についても、状況によっては個人再生の対象となり得ます。
また、住宅を残したまま個人再生を行う場合には、「住宅資金特別条項」と呼ばれる制度があります。
個人再生を利用できるか、どの債務がどのように扱われるかは個別事情によって変わるため、弁護士へ確認しましょう。
自己破産
自己破産は、支払不能となった場合に裁判所へ破産を申し立て、財産を法律に従って整理したうえで、免責許可を受けることによって対象となる債務の返済責任を免れる制度です。
自己破産を申し立てただけで借金がすべてなくなるわけではなく、免責許可を受ける必要があります。
また、税金や養育費など、免責許可を受けても支払い義務が残る債務があります。
所有する財産についても、すべてが一律に処分されるわけではなく、財産の種類や金額、手続きによって扱いが異なります。
破産・個人再生などの手続きについては、裁判所「破産」などの公式情報も確認してください。
任意売却前に残債をできるだけ減らすことも重要
売却後の返済負担を軽くするためには、任意売却の段階でできるだけ高く売却することも重要です。
例えば、住宅ローン残高が3,000万円の場合、2,200万円で売却するのと2,600万円で売却するのでは、その後に残る債務が大きく変わります。
ただし、任意売却には競売手続きとの関係で販売期間が限られることがあるため、「時間をかければ高く売れる」という単純なものでもありません。
債権者が認める販売価格、競売までの期間、市場で売れる価格を見ながら進める必要があります。
任意売却の相談先については、任意売却はどこに相談する?業者選びのポイントと注意点も参考にしてください。
マーキュリーでは任意売却後の残債も見据えて売却を進めます
任意売却では、不動産を売却できればそれで終わりではありません。
売却価格、金融機関が認める配分、売却後に残る住宅ローンなどを確認しながら進める必要があります。
マーキュリーでは、現在の住宅ローン残高や物件価格などを確認し、任意売却が可能かどうかを検討します。
また、任意売却に際して債務整理など法律上の対応が必要になる場合には、弁護士など法律の専門家への相談が必要です。
不動産会社が債務整理の代理交渉を行うことはできませんので、不動産売却と法律上の債務整理を切り分けて進めることが重要です。
住宅ローンの返済が苦しく、「売った後の借金がどうなるのか不安」という段階でも、まずは現在の住宅ローン残高と物件価格を確認してみてください。
任意売却後の残債に関するよくある質問
任意売却をすると住宅ローンの残債はなくなりますか?
任意売却をしただけで住宅ローンの残債が自動的になくなるわけではありません。売却代金を返済に充てても残った金額については、原則として返済義務が残ります。
任意売却後の残債は一括返済しなければいけませんか?
期限の利益を喪失している場合は一括請求を受けることがあります。ただし、一括返済が難しい場合には、債権者と今後の返済方法について相談するケースがあります。
任意売却後の残債は分割返済できますか?
債権者が認めれば、収入や生活状況などを踏まえて分割返済について協議できる場合があります。具体的な返済額や期間は債権者によって異なります。
任意売却後の残債にも利息はかかりますか?
利息や遅延損害金が発生するかどうかは、住宅ローン契約や任意売却後の債権者との合意内容によって異なります。残債額だけでなく、利息・遅延損害金や毎月の返済条件も確認しましょう。
任意売却後の残債を払えない場合はどうなりますか?
返済が困難な場合は、放置せず債権者へ相談することが重要です。返済そのものが難しい場合には、弁護士などへ相談し、任意整理・個人再生・自己破産などの債務整理を検討することがあります。
自己破産をすれば任意売却後の残債はすべてなくなりますか?
自己破産を申し立てただけで債務がなくなるわけではなく、裁判所から免責許可を受ける必要があります。また、税金や養育費など一部の債務は免責されません。個別の状況については弁護士へ相談してください。
まとめ|任意売却は売却後の残債まで確認して進める
任意売却をしても、売却代金で住宅ローンを完済できなければ残債は残ります。
その残債は原則として返済する必要がありますが、一括返済が難しい場合には、債権者と分割返済などについて相談できるケースがあります。
そのため、任意売却を検討するときは「家を売れるかどうか」だけを見るのではなく、売却価格からどの程度残債が残るのか、売却後の毎月の返済はいくらになるのかまで確認することが重要です。
また、住宅ローン以外にも借金があり、任意売却後も返済の見通しが立たない場合には、任意整理・個人再生・自己破産などを検討することがあります。
債務整理は法律業務となるため、必要な場合は弁護士など法律の専門家へ相談しましょう。
マーキュリーでは、住宅ローンの残高と物件価格を確認しながら、任意売却や不動産買取が可能かをご提案しています。売却後の残債がどの程度になるのか不安な方も、競売手続きが進む前に早めに状況を確認することをおすすめします。





