「不動産価格が上がっていると聞くけれど実際はどうなのか」「自分の家はいくらなのか」。売却を考え始めると、まず気になるのが不動産価格ではないでしょうか。
不動産価格は、ニュースで語られる全国の動きと、ご自身の物件の価格とが必ずしも一致しません。公示価格や路線価など複数の「価格」があり、それぞれ目的も意味も異なるため、混乱しやすい分野です。
この記事では、公的な統計から見た不動産価格の現状、価格の種類と違い、公的データを使った調べ方、価格を左右する要因、物件の種類ごとの考え方、今後の見通しの捉え方までを順に整理します。
最後に、価格を把握したうえでどう売却を判断するか、買取という選択肢の位置づけにも触れます。ご自身の物件の価格を考える土台として、お役立てください。
不動産価格は今どうなっている?公的な統計で見る現状
不動産価格の動きをつかむには、国が公表している統計を見るのが確実です。代表的なのが、国土交通省の「不動産価格指数」と「地価公示」です。どちらも個別の物件の価格ではなく、市場全体の傾向を示す指標だと理解しておきましょう。
不動産価格指数は、2010年平均を100として、取引価格の動きを指数で表したものです。令和7年12月分では、住宅総合が148.0で、対前月比0.5%増となりました。マンション(区分所有)は225.1、住宅地は119.8、戸建住宅は121.9です。なお、令和8年1月分以降は国土交通省が公表を延期しているため、2026年9月時点ではこれが最新の値です。
| 区分 | 不動産価格指数(令和7年12月分) |
|---|---|
| 住宅総合 | 148.0(対前月比0.5%増) |
| マンション(区分所有) | 225.1 |
| 住宅地 | 119.8 |
| 戸建住宅 | 121.9 |
※2010年平均=100
この数値からは、いずれの区分も2010年平均を上回り、とりわけマンションの水準が高いことが読み取れます。種類によって動き方が違う点は押さえておきたいところです。
また、令和8年地価公示では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇しました。7月1日時点の令和8年都道府県地価調査(基準地価)でも、全国の全用途平均・住宅地・商業地がいずれも5年連続で上昇しています。土地の価格も、全国的には上向きの流れが続いているといえます。
たとえば「地価上昇のニュースを見たから自宅も上がっているはず」と考えがちですが、これは全国の傾向です。個別の価格は立地や状態で異なります。
出典:国土交通省|不動産価格指数(令和7年12月・第4四半期分)
国土交通省|令和8年地価公示の概要
国土交通省|令和8年都道府県地価調査
不動産価格の種類|公示価格・路線価・固定資産税評価額・実勢価格の違い
不動産には「一物四価」ともいわれるように、目的の異なる複数の価格があります。どの価格を見ているのかを意識しないと、「思っていた金額と違う」という誤解につながりがちです。ここでは代表的な4つの価格を整理します。
| 価格の種類 | 公表・決定する機関 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 公示価格 | 国土交通省(地価公示) | 土地取引の指標、公共事業の用地取得の基準 |
| 路線価 | 国税庁 | 相続税・贈与税の計算 |
| 固定資産税評価額 | 市町村(東京23区は都) | 固定資産税・都市計画税などの計算 |
| 実勢価格(成約価格) | 実際の売買で決まる | 市場で実際に取引された価格 |
公示価格は、標準的な土地の価格を国が示したもので、土地取引の目安として使われます。路線価は、道路に面した土地の1平方メートルあたりの価格で、相続税や贈与税の計算に使われます。
固定資産税評価額は、毎年届く固定資産税の納税通知書で確認できる価格で、税額を計算するための評価です。そして実勢価格は、売主と買主が合意して実際に成立した価格を指します。
売却を考えるときに最も重視したいのは、実勢価格です。公示価格や路線価、固定資産税評価額は、あくまで一定の目的のために定められた評価であり、そのまま売れる価格を示すものではありません。たとえば、納税通知書の評価額だけを見て売却価格を見積もると、実際の取引水準と開きが出ることがあります。
不動産価格の調べ方|公的データを使う5つの方法
ご自身の物件の価格の目安を知るには、公的なデータを組み合わせて見るのが近道です。どれか一つだけで判断せず、複数の情報から傾向を確かめると、より実態に近い水準が見えてきます。代表的な調べ方を5つ紹介します。
不動産価格指数で市場全体の動きを見る
国土交通省の不動産価格指数では、住宅地・戸建・マンションといった区分ごとの価格の推移がわかります。個別の価格ではありませんが、市況が上向きか横ばいかをつかむのに役立ちます。
地価公示で土地価格の水準を確認する
地価公示では、標準地ごとの価格が公表されています。自宅の近くにある標準地の価格を見ると、エリアの土地価格の水準をおおまかに把握できます。
不動産情報ライブラリで成約価格を調べる
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、実際の取引価格や地価の情報を地図上で調べられます。近隣で似た条件の物件がどのくらいで取引されたかを確かめるのに便利です。
REINSの市場動向で成約の傾向をつかむ
不動産流通機構(REINS)は、不動産会社が物件情報を共有する仕組みで、成約動向の統計も公表しています。エリアごとの成約の傾向を知る参考になります。
路線価で土地の評価を知る
国税庁の路線価図では、前面道路ごとの土地の評価を確認できます。売れる価格そのものではありませんが、土地の評価の目安として参考になります。
たとえば都内の戸建てなら、近隣の成約価格を確認し、地価公示と路線価で土地の水準を補う使い方が考えられます。
出典:国土交通省|不動産情報ライブラリ
国土交通省|不動産価格指数
国税庁|路線価図・評価倍率表
不動産価格を左右する6つの要因
同じエリアでも、物件ごとに価格が大きく異なるのはなぜでしょうか。不動産価格は、物件そのものの条件と、市場全体の環境の両方で決まります。ここでは代表的な6つの要因を整理します。ご自身の物件がどれに当てはまるかを確かめてみてください。
| 要因 | 価格への影響の例 |
|---|---|
| 立地 | 駅からの距離、生活施設、エリアの需要 |
| 築年数 | 建物の傷み、耐震性、設備の古さ |
| 土地の形状・接道 | 旗竿地・狭小地・再建築不可などの条件 |
| 権利関係 | 借地権・底地・共有持分などの複雑さ |
| 市況 | 取引の活発さ、需要と供給のバランス |
| 金利 | 住宅ローンの借りやすさ、買い手の購入力 |
立地と築年数は価格の基本です。駅に近いエリアは需要が高く、築浅の建物は評価されやすい傾向があります。
土地の形状や接道も見落とせません。建築基準法の接道義務を満たさない再建築不可の土地や、間口の狭い旗竿地は、建築の自由度が低いため価格が抑えられがちです。
権利関係も大きな要因です。借地権や共有持分の物件は、利用や売却に他者の同意が必要な場合があり、一般の買い手からは敬遠されやすくなります。
さらに、市況や金利といった外部環境も価格に影響します。たとえば、同じ条件の家でも、買い手が住宅ローンを組みやすい時期とそうでない時期とでは、動き方が変わることがあります。
マンション・戸建て・土地で異なる価格の考え方
不動産価格の動きは、物件の種類によって異なります。価格指数を見ても、マンションと戸建・住宅地では水準に差があります。それぞれの価格がどのように決まりやすいかを知っておくと、自分の物件の価格を考えやすくなります。
| 物件の種類 | 価格を考えるときの主なポイント |
|---|---|
| マンション | 立地・階数・向き・管理状態・修繕積立の状況 |
| 戸建て | 土地の価値と建物の状態を分けて考える |
| 土地 | 面積・形状・接道・用途地域・周辺の取引 |
マンションは同じ建物内で似た住戸の取引があるため、価格の目安をつかみやすい物件です。管理状況や修繕の計画も評価に影響します。
戸建ては、土地と建物を分けて考えるのが基本です。築年数が古くなるほど建物の評価は下がりやすく、土地の価値が価格の中心になっていきます。
土地は、面積に加えて形状や接道、建築の条件で価格が決まります。たとえば、同じ広さでも、整った形の土地と、奥まった旗竿地とでは、使い勝手が違うため価格にも差が出やすくなります。
今後の不動産価格の見通しはどう考える?
「これから不動産価格は上がるのか、下がるのか」は、多くの方が気になるところです。ただ、将来の価格を正確に言い当てることは、専門家でも難しいとされています。大切なのは、予想に頼るのではなく、判断材料を持っておくことです。
見通しを考えるときは、いくつかの視点を組み合わせると整理しやすくなります。
- ●価格指数や地価公示の推移など、公的な統計の流れ
- ●金利の動向と、住宅ローンの借りやすさ
- ●エリアの人口や再開発など、地域ごとの需要
- ●物件そのものの築年数の進み方
金利については、日本銀行の金融システムレポートで金融環境や不動産市場の分析を確認できます。金利が上がると買い手の購入力に影響しやすいため、価格の先行きを考えるうえでの材料になります。
また、建物は時間の経過とともに傷みが進むため、市況にかかわらず建物の評価は下がっていくのが一般的です。たとえば、「もう少し待てば上がるかもしれない」と保有を続けるうちに、築年数が進み、固定資産税や管理の負担が積み重なることもあります。先行きを断定せず、ご自身の事情に合わせて判断することが大切です。
価格を知ったうえでの売却判断|仲介と買取の位置づけ
不動産価格の目安がわかったら、次はどのように売るかを考えます。売却の方法には、大きく分けて仲介と買取の2つがあり、それぞれ向いている物件や状況が異なります。価格だけでなく、時間や手間も含めて考えることが大切です。
| 項目 | 仲介 | 直接買取 |
|---|---|---|
| 買い手 | 一般の個人など | 不動産会社 |
| 売れるまでの期間 | 買い手が見つかるまで読めない | 比較的短期間で進めやすい |
| 手取りの考え方 | 成約価格から仲介手数料などを差し引く | 提示された査定額がそのまま手取り |
| 物件の状態 | 補修や片付けをしたほうが売れやすい | 現況のままでも相談しやすい |
| 向いている物件 | 需要の高い立地・状態のよい物件 | 再建築不可・築古・権利関係が複雑な物件 |
仲介は市場で買い手を探すため、条件のよい物件なら実勢価格に近い水準を目指せますが、期間は読みにくくなります。
一方、買取は不動産会社が自ら買主となる方法です。訪問査定で提示された金額がそのまま買取価格となり、手取り額になります。仲介手数料はかかりません。たとえば、再建築不可や権利関係が複雑で仲介では買い手が限られる物件は、買取のほうが現実的な場合があります。
なお、契約を急がされるトラブルには注意が必要です。国民生活センターも、不動産の売却をめぐるトラブルに注意を呼びかけています。査定額の根拠を確認し、納得してから契約しましょう。
不動産価格に関するよくある質問
最後に、不動産価格について寄せられることの多い質問にお答えします。
公示価格や路線価で売れるのですか
公示価格や路線価は、土地取引の指標や税金の計算のために定められた評価です。実際に売れる価格は、個別の条件と市場の状況で決まるため、成約価格もあわせて確認しましょう。
固定資産税評価額はどこで確認できますか
毎年届く固定資産税の納税通知書に記載されています。税額の計算のための評価であり、売却価格そのものを示すものではない点に注意が必要です。
全国で価格が上がっていれば自分の家も上がりますか
全国の統計は平均的な傾向を示すものです。立地や築年数、土地の形状などによって、個別の物件の価格は異なります。近隣の成約価格を確かめるのが確実です。
築年数が古い家でも価格はつきますか
建物の評価は下がりやすくなりますが、土地の価値が残るため、価格がつくことは多くあります。状態によっては、現況のまま買い取れる会社に相談するのも一つの方法です。
マーキュリーが選ばれる4つの理由|あらゆる不動産を価値ある未来へ
不動産価格は、物件の事情によって大きく変わります。価格がつきにくいとされる物件ほど、その価値を読み解き、活用の道を描ける力が問われます。マーキュリーが多くの方に選ばれている理由をご紹介します。
① 権利調整に対応
借地権・底地・共有持分など、権利関係が複雑な物件の取扱い実績が豊富です。地主や共有者との交渉、境界の調整まで自社で一貫して対応し、売主の負担を最小限に抑えて取引を前に進めます。
② 再建築不可・訳あり物件の再生
再建築不可・違法建築・傾斜地・狭小地・ゴミ屋敷状態など、活用が難しい物件も自社で再生して価値を生み出します。不動産開発事業を手がけており、買取後の活用・再販まで自社で完結できる体制です。
③ 相続対策をワンストップで
相続税の納税資金の確保、遺産分割、共有名義の整理など、単なる売却にとどまらないサポートが可能です。税理士や司法書士との連携により、税務・登記・売却を一括で進められます。
④ 直接買取で仲介手数料ゼロ・査定額がそのまま手取り
自社で直接買い取るため、仲介手数料がかかりません。査定額がそのまま買取金額として確定するため、資金計画が立てやすくなります。契約不適合責任も原則免責のため、引渡し後の心配がありません。
まとめ|マーキュリーへご相談ください
不動産価格は、全国の統計が示す傾向と、ご自身の物件の価格とを分けて考えることが大切です。価格の種類と調べ方を知っておけば、物件の価格の目安を落ち着いて把握できます。
- ●不動産価格指数や地価公示を見ると、全国的には上向きの傾向が続いている
- ●公示価格・路線価・固定資産税評価額・実勢価格は、それぞれ目的が異なる
- ●価格の目安は、不動産情報ライブラリや路線価などの公的データを組み合わせて調べる
- ●価格は立地・築年数・土地の形状・権利関係・市況・金利で左右される
- ●見通しは断定せず、ご自身の事情に合わせて売却の時期と方法を考える
再建築不可の土地、築年数の古い家、権利関係が複雑な物件も、マーキュリーは直接買取で承ります。「自分の物件の価格がわからない」「売るべきか迷っている」という段階でも、お気軽にご相談ください。査定は無料で、ご相談だけでも歓迎いたします。





