宅建業法とは?免許・宅建士・仲介手数料・8種制限を消費者目線でわかりやすく解説

不動産売却売買契約仲介手数料地代所有権借地権手数料建築基準法契約書アパート更新道路抵当権違約金契約不適合解約

最終更新日:2026/10/29

宅地建物取引業法(以下、宅建業法)は、不動産会社(宅建業者)が守るべき免許制度やルールを定めた法律です。免許制度、宅地建物取引士(宅建士)、営業保証金、広告の規制、報酬(仲介手数料)の上限、重要事項説明、そして不動産会社が売主になるときの「8種制限」などが定められています。
不動産取引で一般の消費者を守ることを目的とした法律なので、内容を知っておくと、不動産会社とのやりとりでおかしな点に気づきやすくなり、安心して取引できます。
この記事では、免許など業者向けの規制は簡単に、仲介手数料や媒介契約、重要事項説明、8種制限など消費者に直接関わる部分は少し詳しく解説します。

宅建業法とは

宅建業法は1952年(昭和27年)に制定された法律で、宅建業を営む者に免許制度を設け、その業務を適正に行わせることで、購入者などの利益を守り、宅地・建物の円滑な流通を図ることを目的としています(宅建業法1条)。

「宅地建物取引業」とは、宅地や建物について、次の行為を業として(不特定多数を相手に反復継続して)行うことをいいます。

  • 自ら売買・交換を行う
  • 他人の売買・交換・貸借の代理をする
  • 他人の売買・交換・貸借の媒介(仲介)をする

自分が持っているアパートを自分で貸す(自ら貸借)だけなら、宅建業にはあたらず免許はいりません。一方、不動産を仕入れて繰り返し売る場合は、個人でも免許が必要です。

宅建業の免許

宅建業を営むには免許が必要です。事務所を1つの都道府県にだけ置く場合はその都道府県知事、2つ以上の都道府県に置く場合は国土交通大臣に申請します。法人でも個人でも免許を受けられ、有効期間は5年です。

免許番号は「東京都知事(5)第〇〇〇〇〇号」のように表示され、カッコ内の数字は免許の更新回数を表します。数字が大きいほど、長く営業を続けている会社だとわかります。不動産会社の免許は、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で確認でき、過去の行政処分の有無も調べられます。

また、事務所ごとに、業務に従事する人5人に1人以上の割合で、専任の宅建士を置かなければなりません。従業者が20人いる事務所なら、4人以上の専任の宅建士が必要です。

参照:e-Gov 宅地建物取引業法 第二章 免許

宅地建物取引士(宅建士)

宅建士とは、宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けて、宅地建物取引士証の交付を受けた人のことです。登録には、2年以上の実務経験か、国土交通大臣の登録を受けた講習の修了が必要です。
宅建士にしかできない業務(独占業務)は次の3つです。

  • 重要事項の説明
  • 重要事項説明書(35条書面)への記名
  • 契約書面(37条書面)への記名

重要事項を説明するときは、宅建士証を相手に提示しなければなりません。宅建業法では、宅建士の心構えについても次のように定めています。

(宅地建物取引士の業務処理の原則)
第十五条 宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない。
(信用失墜行為の禁止)
第十五条の二 宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。
(知識及び能力の維持向上)
第十五条の三 宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない。

参照:e-Gov 宅地建物取引業法 第三章 宅地建物取引士

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営業保証金と弁済業務保証金

免許を受けても、すぐに営業を始められるわけではありません。不動産取引は金額が大きいため、業者との取引で損害を受けた人が確実に弁済を受けられるよう、宅建業者はお金を供託するか、保証協会に加入する必要があります。

営業保証金

宅建業者が自ら法務局(供託所)に供託する方法です。金額は、主たる事務所(本店)が1,000万円、その他の事務所(支店)は1か所につき500万円です。供託したことを免許権者に届け出てから、営業を始められます。
業者との取引で損害を受けた人(宅建業者を除く)は、供託された金額の範囲内で弁済を受けられます。これを「還付」といい、還付で営業保証金が不足すると、業者は2週間以内に不足分を補充しなければなりません。

参照:e-Gov 宅地建物取引業法 第四章 営業保証金

弁済業務保証金(保証協会)

営業保証金の代わりに、国土交通大臣が指定した「保証協会」に加入する方法もあります。業者は保証協会に「弁済業務保証金分担金」を納め、保証協会がまとめて供託所に供託します。分担金は、本店が60万円、支店は1か所につき30万円で、営業保証金よりはるかに少ない額で営業を始められます。
保証協会は、全国宅地建物取引業保証協会(ハトマーク)と不動産保証協会(ウサギマーク)の2つです。加入業者と取引して損害を受けた人は、営業保証金と同じ額(本店1,000万円・支店500万円)を上限に弁済を受けられます。多くの不動産会社は、この保証協会に加入しています。

参照:e-Gov 宅地建物取引業法 第五章の二 宅地建物取引業保証協会

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広告の規制

誇大広告等の禁止

宅建業者は広告をするとき、物件の所在、規模、形質、利用の制限、環境、交通の便、代金や支払い方法、ローンのあっせんなどについて、事実と著しく違う表示をしたり、実際より著しく良い・有利だと誤解させるような表示をしたりしてはいけません。
実際に誤解した人がいたかどうか、契約が成立したかどうかに関係なく、表示しただけで違反になります。チラシ、新聞、雑誌、インターネット、ダイレクトメールなど、手段も問いません。

代表的なのが「おとり広告」です。実在しない物件、すでに売れてしまった物件、そもそも取引する気のない物件を広告して客を呼び込むもので、誇大広告として禁止されています。成約した物件の削除を忘れていただけというケースもありますが、意図的に行う悪質な業者もいるので注意しましょう。
違反した業者は、指示処分や業務停止処分、重い場合は免許取消しの対象になり、6ヶ月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(あるいはその両方)が科されることもあります。

第三十二条(誇大広告等の禁止)
宅地建物取引業者は、その業務に関して広告をするときは、当該広告に係る宅地又は建物の所在、規模、形質若しくは現在若しくは将来の利用の制限、環境若しくは交通その他の利便又は代金、借賃等の対価の額若しくはその支払方法若しくは代金若しくは交換差金に関する金銭の貸借のあつせんについて、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

参照:e-Gov 第三十二条 誇大広告等の禁止

広告開始時期・契約締結時期の制限

建売住宅のように、工事が終わる前の物件を販売することがあります。完成予想図や模型で販売し、途中で設計が変わると、買主のイメージと違う建物ができてトラブルになりかねません。
そのため宅建業者は、工事の完了前は、開発許可や建築確認など必要な許可・確認を受けた後でなければ、その物件の広告をしてはいけません(33条)。許可や確認を受けた後は、勝手に計画を変えられないからです。同じ理由で、売買契約(交換を含む)を結ぶことも、許可・確認の後でなければできません(36条)。なお、賃貸の媒介・代理については、契約締結時期の制限はありません。
違反した業者は指示処分などの監督処分の対象になります(罰則はありません)。

第三十三条(広告の開始時期の制限)
宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第六条第一項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。

参照:e-Gov 第三十三条 広告の開始時期の制限

建築確認については建築基準法とは?で解説しています。

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媒介契約のルール

不動産会社に売却や購入の仲介を頼むときは、「媒介契約」を結びます。宅建業者は、売買・交換の媒介契約を結んだら、遅滞なく書面(または電磁的方法)を交付しなければなりません(34条の2)。媒介契約には3種類あります。

  一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
複数の会社への依頼 できる できない できない
自分で見つけた相手との取引 できる できる できない
契約の有効期間 規制なし 3ヶ月以内 3ヶ月以内
レインズへの登録 義務なし 7日以内 5日以内
売主への業務報告 義務なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上

違いや選び方は不動産売却時の媒介契約の種類で詳しく解説しています。

報酬(仲介手数料)の上限

宅建業者は、売買や貸借の媒介・代理で契約が成立したときに報酬を受け取れますが、その上限は国土交通大臣の告示で決められています。契約が成立しなければ報酬は発生せず、上限を超える報酬を受け取ることは禁止されています。また、契約までにかかった経費を報酬とは別に請求することも原則できません(依頼者の特別な依頼で行った広告の費用などは例外です)。

売買の仲介手数料

売買の仲介で、依頼者の一方から受け取れる報酬の上限は次のとおりです(課税事業者の場合、消費税10%込み)。

売買代金のうち200万円以下の部分 5.5%
200万円超400万円以下の部分 4.4%
400万円超の部分 3.3%

たとえば売買代金が500万円なら、上限は(200万円×5.5%)+(200万円×4.4%)+(100万円×3.3%)=23万1,000円です。売買代金が400万円を超える場合は、「売買代金×3%+6万円」に消費税を加えた速算式でも同じ金額が計算できます。

消費税の納税義務がない免税事業者の場合は、仕入れにかかった消費税相当分として4%を上乗せした、5.2%・4.16%・3.12%が上限になります。売主・買主の両方から依頼を受けた場合は、それぞれからこの上限まで受け取れます。

低廉な空き家などの特例(2024年7月改正)

価格が低く仲介手数料が少ない空き家は、仲介会社が扱いたがらないという問題がありました。そこで2024年7月から、売買代金が800万円以下の宅地・建物(低廉な空き家等)については、現地調査などの費用を含めて、依頼者の一方から30万円(税抜。消費税込みで33万円)まで受け取れるようになりました。この特例を使うには、媒介契約の際に、報酬額について依頼者に説明し、合意を得る必要があります。仲介手数料の詳細は不動産売却の手数料はいくら?で解説しています。

賃貸の仲介手数料

賃貸の仲介で受け取れる報酬は、貸主と借主から受け取る合計で、家賃の1ヶ月分(消費税込みで1.1ヶ月分)が上限です。
このうち居住用建物の場合は、依頼者の承諾を得ていなければ、依頼者の一方から受け取れるのは家賃の0.5ヶ月分(税込0.55ヶ月分)までです。土地や事業用建物の賃貸には、この制限はありません。
また、2024年7月からは、長期間使われていない空き家などを貸す場合、貸主から家賃の2ヶ月分(税込2.2ヶ月分)まで受け取れる特例もできました。

借主が1ヶ月分の仲介手数料を払うのはなぜ?

アパートを借りるとき、特に承諾した覚えがないのに家賃の1ヶ月分の仲介手数料を請求された経験がある方もいるのではないでしょうか。居住用建物の特例では、承諾がなければ0.5ヶ月分が上限のはずです。
実務では、申込書や重要事項説明の場面で1ヶ月分を払うことの承諾を得る形が多く見られます。しかし、2019年の東京地裁の判決では、承諾は「仲介の依頼を受ける時点」で得ている必要があり、契約直前の承諾では足りないとして、0.5ヶ月分を超える部分の返還が命じられました。仲介手数料が1ヶ月分と言われたら、いつ、どのように承諾したことになっているのかを確認してみましょう。

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重要事項説明と契約書面

宅建業者は、契約が成立する前に、宅建士に重要事項を説明させなければなりません(35条)。説明する主な内容は次のとおりです。

  • 登記されている権利(所有者、抵当権など)
  • 都市計画法・建築基準法などの法令上の制限
  • 私道の負担、道路との関係、電気・ガス・水道などの設備
  • 代金以外に必要なお金、契約の解除、損害賠償の予定や違約金
  • 手付金等の保全措置、契約不適合責任の履行に関する措置
  • 土砂災害警戒区域・津波災害警戒区域かどうか、水害ハザードマップでの物件の位置(2020年8月から義務化)
  • 借地権付き建物の場合は、借地契約の期間や地代などの内容

契約が成立したら、宅建業者は契約の内容を記載した書面(37条書面)を遅滞なく交付します。2022年5月からは、重要事項説明書や契約書面への押印が不要になり、相手の承諾があれば電子書面での交付もできるようになりました。オンラインでの重要事項説明(IT重説)も認められています。
重要事項説明は、物件のリスクを知る最後の機会です。わからないことはその場で質問し、納得してから契約しましょう。

宅建業者が自ら売主になる場合の「8種制限」

宅建業者は仲介をするだけでなく、自ら売主として不動産を売ることもあります。不動産の知識が豊富な業者が一般の消費者と直接契約すると、どうしても業者の立場が強くなります。そこで、宅建業者が売主で、買主が宅建業者でない場合に限り、買主を守るための8つの制限が設けられています。これを「8種制限」といいます。業者どうしの取引や、賃貸借には適用されません。
なお、8種制限は「業者が売主」の場合のルールです。当社のような買取会社が個人の売主から買い取る場合には適用されないため、たとえば契約不適合責任を免除する特約を結ぶことができます。

制限 内容
① 自己の所有に属しない物件の売買の制限 他人の物件や未完成物件は、原則として売る契約ができない
② クーリング・オフ 事務所等以外で申し込んだ場合、一定期間内なら無条件で撤回・解除できる
③ 損害賠償額の予定等の制限 損害賠償の予定額と違約金の合計は代金の20%まで
④ 手付の額の制限等 手付は代金の20%まで。手付は解約手付とされる
⑤ 担保責任についての特約の制限 民法より買主に不利な特約は原則無効
⑥ 手付金等の保全措置 一定額を超える手付金等は保全措置をしてから受け取る
⑦ 割賦販売契約の解除等の制限 30日以上の期間を定めた書面での催告が必要
⑧ 所有権留保等の禁止 代金の3割を超えて受け取ったら所有権を移転する

① 自己の所有に属しない物件の売買契約の制限

宅建業者は、自分のものではない物件(他人の物件)や、まだ完成していない物件について、自ら売主として売買契約を結ぶことは原則できません。民法では他人の物の売買も有効とされていますが、業者が売主の場合は、物件を確実に取得できないまま売ると買主が困るためです。
ただし、次の場合は例外です。

  • 業者がその物件を取得する契約(予約を含む)をすでに結んでいるとき(停止条件付きの契約は除く)
  • 未完成物件について、手付金等の保全措置を講じているとき

参照:e-Gov 第三十三条の二 自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限

② クーリング・オフ

不動産は高額なので、買主は冷静に判断できる状況で申し込む必要があります。そこで、宅建業者の事務所等以外の場所で買受けの申し込みや契約をした買主は、書面によって申し込みの撤回や契約の解除ができます。効力は書面を発したときに生じ、業者は損害賠償や違約金を請求できず、受け取った手付金などを速やかに返さなければなりません。

ただし、次の場合はクーリング・オフできません。

  • 業者からクーリング・オフについて書面で告げられた日から8日が経過したとき
  • 物件の引き渡しを受け、かつ代金の全部を支払ったとき
  • 業者の事務所、継続的に業務を行う案内所(モデルルームなど)で申し込んだとき
  • 買主が自ら申し出て、自宅や勤務先で申し込んだとき

クーリング・オフできるかどうかは、「どこで申し込んだか」で決まります。業者に呼ばれて自宅で申し込んだ場合や、喫茶店、テント張りの案内所などで申し込んだ場合は、クーリング・オフができます。

参照:e-Gov 第三十七条の二 事務所等以外の場所においてした買受けの申込みの撤回等

③ 損害賠償額の予定等の制限

不動産の売買では、買主が代金を用意できずに契約が解除されるなど、債務不履行が起きることがあります。そのため、損害の額をあらかじめ決めておき、実際の損害額を証明しなくても請求できるようにしておくのが一般的です。これを「損害賠償額の予定」といいます。
業者が売主の場合、損害賠償額の予定と違約金を合わせた金額は代金の20%までで、超える部分は無効です。立場の強い業者が高額な違約金を設定するのを防ぐためのルールです。

参照:e-Gov 第三十八条 損害賠償額の予定等の制限

④ 手付の額の制限等

不動産の売買では、契約時に代金の一部を手付金として払うのが一般的です。相手が契約の履行に着手するまでは、買主は手付金を放棄して、売主は手付金の倍額を返して、契約を解除できます(手付解除)。
業者が売主の場合、受け取れる手付金は代金の20%までです。また、手付はどんな名目であっても解約手付としての性質を持つとされ、これより買主に不利な特約は無効になります。

参照:e-Gov 第三十九条 手付の額の制限等

⑤ 担保責任(契約不適合責任)についての特約の制限

2020年4月の民法改正で、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変わりました。引き渡された物件が、種類・品質・数量について契約の内容と合っていない場合、買主は売主に、修補などの履行の追完、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求めることができます。種類・品質の不適合については、買主が不適合を知った時から1年以内に売主に通知すれば、これらの権利を行使できます(民法566条)。

一般の個人どうしの売買なら、「契約不適合責任を負わない」という特約も、当事者が合意していれば有効です。しかし業者が売主の場合は、買主が不利な特約に応じさせられるおそれがあるため、次のように制限されています(宅建業法40条)。

  • 民法の規定より買主に不利な特約は、原則として無効
  • 例外として、通知の期間を「引き渡しの日から2年以上」とする特約は有効

つまり、「契約不適合責任を一切負わない」「引き渡しから1年以内に限る」といった特約は無効になり、民法のルール(知った時から1年以内の通知)が適用されます。「引き渡しから2年以内」とする特約が認められているのは、2年あれば通常は不具合に気づけると考えられているためです。
なお、新築住宅の場合は、住宅品質確保法により、構造上の主要な部分と雨水の浸入を防ぐ部分について、引き渡しから10年間の責任が義務づけられています。

参照:e-Gov 第四十条 担保責任についての特約の制限

⑥ 手付金等の保全措置

業者が売主の場合、引き渡し前に業者が倒産してしまうと、物件が手に入らないばかりか、払った手付金も返ってこないおそれがあります。そこで、業者は一定額を超える手付金等(手付金や中間金など、引き渡し前に払うお金)を受け取る前に、銀行などによる保証や保険会社の保証保険などの「保全措置」を講じなければなりません。
ただし、受け取る額が次の範囲内であれば、保全措置は不要です。

  • 未完成物件:代金の5%以下、かつ1,000万円以下
  • 完成物件:代金の10%以下、かつ1,000万円以下

買主に所有権の登記がされた場合も、保全措置は不要です。保全措置が必要なのに講じない場合、買主は手付金等を支払わなくても債務不履行になりません。

参照:e-Gov 第四十一条、第四十一条の二 手付金等の保全

⑦ 割賦販売契約の解除等の制限

割賦販売とは、代金を分割で支払う契約のことです。支払いが長期にわたると、うっかり入金を忘れるなどの遅れも起こりえます。そのたびに「すぐ解除」「残りを一括で払え」となっては買主に酷なため、業者は、賦払金の支払いが遅れても、30日以上の期間を定めて書面で催告し、それでも支払われない場合でなければ、契約の解除や残金の一括請求はできません。これに反する特約は無効です。

参照:e-Gov 第四十二条 宅地又は建物の割賦販売の契約の解除等の制限

⑧ 所有権留保等の禁止

所有権留保とは、代金を全額受け取るまで所有権を買主に移さず、売主の手元にとどめておくことです。業者が割賦販売をした場合、受け取った額が代金の10分の3を超えたら、所有権の移転登記などをしなければなりません。ただし、買主が残りの代金について抵当権の設定や保証人を立てるなどの担保を講じる見込みがない場合は、この限りではありません。

参照:e-Gov 第四十三条 所有権留保等の禁止

宅建業法違反があったときの相談先

宅建業者に宅建業法違反の疑いがある場合は、その業者に免許を出した都道府県(東京都なら住宅政策本部の不動産業課)や国土交通省の地方整備局が相談窓口になります。違反した業者には、指示処分、業務停止処分、免許取消しなどの監督処分が行われます。業者との取引で損害を受けた場合は、加入している保証協会の苦情解決・弁済の制度も利用できます。

マーキュリーについて

株式会社マーキュリーは、2004年(平成16年)の設立以来20年以上にわたり、宅建業者として不動産の取引を行ってきました。

宅地建物取引業者免許 東京都知事(5)第84482号
所属団体 (公社)全国宅地建物取引業保証協会
設立 2004年(平成16年)12月
顧問弁護士 笠原総合法律事務所

当社は借地権・底地・共有持分などの権利調整を本業とし、権利調整の実績は400件を超えます。宅建業法に沿って適正に取引を行うことはもちろん、借地借家法や建築基準法など、取引に関わる法律も踏まえてご提案しています。顧問弁護士とも連携しておりますので、法律が絡む複雑なご相談もお気軽にお寄せください。ご相談・査定は無料です。
関連する法律については、借地借家法とは?や不動産と民法の関係とは?もあわせてご覧ください。

宅建業法に関するよくある質問

Q. 宅建業法は誰を守るための法律ですか?

不動産を買う人・借りる人など、一般の消費者の利益を守るための法律です。宅建業者に免許制度を設け、広告や報酬、重要事項説明、業者が売主となる場合の契約内容などを規制することで、公正な取引を確保しています。

Q. 免許番号のカッコ内の数字は何を表していますか?

免許の更新回数を表しています。免許の有効期間は5年なので、「(5)」なら4回更新しており、おおむね20年以上営業を続けていることがわかります。

Q. 仲介手数料の上限はいくらですか?

売買代金が400万円を超える場合、依頼者の一方から受け取れる上限は「売買代金×3%+6万円」に消費税を加えた額です。2024年7月からは、800万円以下の低廉な空き家などについて、合意があれば30万円(税抜)まで受け取れる特例もあります。

Q. 不動産の購入でクーリング・オフはできますか?

宅建業者が売主で、業者の事務所やモデルルーム以外の場所(業者に呼ばれた自宅や喫茶店など)で申し込んだ場合は、書面で告げられた日から8日以内であれば、書面でクーリング・オフできます。個人が売主の物件や、事務所で申し込んだ場合は対象外です。

Q. 8種制限は、買取会社に家を売る場合にも適用されますか?

適用されません。8種制限は、宅建業者が売主で、一般の個人が買主の場合のルールです。個人が買取会社に売る場合は、売主が個人なので適用されず、契約不適合責任を免除する特約なども結ぶことができます。

Q. マーキュリーはどのエリアに対応していますか?

東京都内を中心に、首都圏で開発を行っています。

まとめ

宅建業法は、不動産会社に免許制度や業務のルールを課すことで、一般の消費者を守るための法律です。消費者として特に知っておきたいのは、仲介手数料の上限、媒介契約の種類、重要事項説明、そして業者が売主の場合の8種制限です。不動産会社と取引するときは、免許番号や所属する保証協会も確認しておくと安心です。
不動産の売却や、借地権・底地など権利が複雑な不動産のご相談は、宅建業者として20年以上の実績がある株式会社マーキュリーにお気軽にご相談ください。

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