地主のための底地管理ガイド|更新料・地代・建替え承諾のトラブルと解決法

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最終更新日:2026/10/28

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借地を貸している地主さんからのご相談で多いのは、更新料、地代、建替えをめぐる話です。どれもお金が絡むうえ、相手は何十年も付き合いのある借地人さん。言いたいことがあっても切り出しにくく、話がこじれると感情的なしこりが残りがちです。
このページでは、地主さんがよく直面する問題とその考え方、そして底地の管理を専門家に任せるという選択肢についてご紹介します。

地主様が抱える問題解決

借地の問題は、法律の話であると同時に人間関係の話でもあります。当事者同士だと、どうしてもお互いの言い分をぶつけ合う形になりやすいものです。
マーキュリーでは、地主さんと借地人さんの間に第三者として入り、双方が納得できる落としどころを一緒に探します。ここでは、よくある4つの問題を取り上げます。

更新料の問題

更新料は、毎月の地代と違って一度にまとまった金額になります。そのため「今は払えない」「そもそも払いたくない」と言われ、困っている地主さんは少なくありません。
まず確認したいのは、契約書に更新料の定めがあるかどうかです。更新料の支払いは法律で決まっているものではなく、契約での取り決めや当事者の合意があって初めて請求できます。契約書に定めがない場合は、話し合いで合意を目指すことになります。

一括で払うのが難しいという借地人さんには、更新料を分割して地代に上乗せする方法もあります。
たとえば旧法(旧借地法)の借地で、木造などの建物の場合、更新後の期間は20年です。更新料が100万円なら、100万円÷20年÷12ヶ月で月あたり約4,167円。この分を毎月の地代に上乗せする形です。
この方法をとるときは、後で「そんな約束はしていない」とならないよう、金額と期間を書いた合意書を交わしておきましょう。

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地代の滞納

「地代を払ってもらえないので、契約を解除できないか」というご相談もよく受けます。
結論からいうと、少しの滞納だけで契約を解除するのは難しいのが実情です。借地のような長期の契約では、地主と借地人の信頼関係が壊れたといえるほどの事情がないと、裁判所は解除を認めません。
どのくらいの滞納なら認められるかは事情によりますが、数ヶ月から半年以上の滞納が一つの目安と考えられます。

解除を考えるなら、手順も大切です。まず内容証明郵便などで、期限を決めて支払いを求める(催告する)こと。その期限までに支払いがなかった場合に、初めて解除を伝えます。催告をせずにいきなり解除を通知しても、無効とされるおそれがあります。
なお、借地人さんが地代を法務局に供託している場合は、支払いがあったものとして扱われるため、滞納にはあたりません。

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建替え問題

「借地人が、断りもなく家を建て替えてしまった」というご相談を受けたこともあります。
これが契約違反になるかどうかは、契約書に「建替えや増改築には地主の承諾が必要」という条項(増改築禁止特約)があるかで変わります。条項がなければ、借地人さんは原則として承諾なしに建て替えられます。

このご相談者の契約書には、承諾が必要との条項がありました。こうした場合でも、すぐに契約解除を求めるより、まずは契約書を借地人さんに見せて、建替えには承諾が必要なこと、承諾にあたっては承諾料をいただくのが一般的であることを丁寧に説明するのが賢明です。無断の建替えであっても、契約解除まで認められるのは信頼関係が壊れたといえる場合に限られるからです。
反対に、借地人さんが建替えを申し出てきたのに地主さんが承諾しない場合、借地人さんは裁判所に承諾に代わる許可を求めることができます。その際、裁判所が承諾料に相当する金額の支払いを命じることもあります。

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底地を売却

「底地を借地人さんに買い取ってもらいたい。路線価図の借地権割合で計算した金額で売れますか?」という質問もよくいただきます。
借地権割合は、相続税や贈与税を計算するときに使う評価上の割合です。実際の売買価格を決めるものではないため、最終的には借地人さんとの話し合いで金額を決めることになります。
とはいえ、交渉の出発点としてはわかりやすい数字です。参考資料として使うのはよいと思います。

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専門家による底地管理

ここ数年、「底地の管理を任せたい」というお問い合わせを多くいただくようになりました。
アパートやマンションの賃貸管理を扱う不動産会社はたくさんありますが、底地の管理まで引き受ける会社は多くありません。借地権は特殊な権利で、仕組みや判例をよく理解していないと、問題点を洗い出すことも、借地人さんと交渉することもできないからです。
マーキュリーは創業以来、借地権・底地を専門に、多くの地主さん・借地人さんとお付き合いしてきました。その経験をもとに、底地の問題整理から日々の管理まで、地主さんを全面的にサポートします。
以下は、実際によく寄せられるご相談です。

よくある問題① 底地を相続したが、何もわからない

ご相談内容
親が亡くなり、底地を相続しました。土地のことはずっと親が管理していて、私はまったく関わっていません。仕事も不動産とは無関係で、借地権や底地が何なのかもよくわかりません。
契約書がどこにあるのかもわからない状態です。「貸した土地は一生返ってこない」と聞いたこともありますが、本当でしょうか。借地人さんに迷惑をかけたくはないものの、何から手をつければよいのか見当がつきません。

マーキュリーの回答
まずは、借地権がどういう権利なのかを知っておきましょう。
借地権とは、ひと言でいえば「建物を建てるために土地を借りる権利」です。そして、借地権が設定されている土地のことを「底地」と呼びます。借地権には賃借権と地上権がありますが、実際には土地の賃貸借契約にもとづく賃借権がほとんどです。
借地権には、1992年8月1日以降の契約なら借地借家法、それより前の契約なら旧借地法が適用されます。いずれの場合も、借地人の権利は強く守られています。土地の上に建物がある限り、契約期間が満了しても借地人が希望すれば契約は更新されるのが原則です。地主が更新を拒むには「正当事由」が必要ですが、これが認められるハードルはかなり高いのが実情です。
「一生返ってこない」というのは言い過ぎですが、借地人さんとのお付き合いは長く続くと考えておいたほうがよいでしょう。だからこそ、底地をこの先どうしていきたいのかを整理したうえで、借地人さんと上手に付き合っていくことが大切です。契約書が見つからない場合も、借地契約がなくなるわけではありません。まずは地代の入金記録などから、借地人さんと契約の状況を確認するところから始めます。

よくある問題② 適正な地代や更新料、承諾料がわからない

ご相談内容
もうすぐ更新を迎える借地があります。更新料はいくらぐらい請求してよいのでしょうか。地代も何十年も前の安い金額のままなので、できれば更新料は多めにもらいたいところです。
ただ、借地人さんとの関係もあるので、どう切り出せばよいのかわかりません。建物もだいぶ古くなっているので、いずれ建替えの相談が来るかもしれず、そのときの対応も知っておきたいです。

マーキュリーの回答
地代、更新料、承諾料といったお金は、原則として地主さんと借地人さんの合意で決まります。法律で「いくら」と決まっているわけではありません。
更新は20年や30年に一度のことで、金額もまとまったものになります。地主さんにとっても借地人さんにとっても、事前の準備が必要です。周辺の地代や、一般的にやり取りされている更新料・承諾料の水準を把握したうえで、お互いが現実的に受け入れられる金額をすり合わせていくことになります。
お金の話は切り出しにくいものです。それでも、借地関係を続けていく以上は避けて通れません。曖昧なままにせず、話し合いを重ねてきちんと取り決めておくことが、結果的にお互いのためになります。

よくある問題③ 次の世代に引き継ぐために底地を整理したい

ご相談内容
先祖代々受け継いできた底地があります。私自身は借地のこともある程度理解していて、苦労しながらも地主を続けてきました。借地人さんとも長い付き合いで、関係は良好だと思っています。
心配なのは子どもの代です。子どもたちは底地にあまり関心がなさそうで、同じ苦労をさせたくありません。自分の代のうちに、引き継いでも困らない形に整理しておきたいと考えています。

マーキュリーの回答
借地の関係は、建物がある限り続きます。地主さんの側も借地人さんの側も、次の世代、その次の世代へと引き継がれていくものです。
底地の整理でいちばん大切なのは、契約書をきちんと整えておくことです。契約書は、地主さんと借地人さんの約束事を記した大切な書面です。昔の契約書は内容が簡単だったり、当事者が亡くなっていたりすることも多いため、今の当事者の間で契約書を作り直す「巻き直し」を検討します。
その際、更新料や承諾料の決め方、地代を見直すときのルールなども、法律上有効な範囲で具体的に定めておくことができます。取り決めが明確になっていれば、お子さんが引き継いだあとに揉める心配も減ります。
また、借地人さんへの底地の売却や、借地権と底地を一緒に第三者へ売る方法など、整理の仕方はほかにもあります。地主さんが底地をどう残したいのか、引き継ぐ方がどう活用したいのかによって、選ぶ方法は変わります。

よくある問題④ 借地人と地代や更新料、承諾料で揉めている

ご相談内容
地代の値上げをお願いしたところ、断られてしまいました。これまで更新料もそれほど受け取っていないので、地主としては地代を上げたいのが本音です。お互い感情的になっていて、もう直接は話したくありません。
地代や更新料はお互いの合意が必要といいますが、合意できなければ地主が泣き寝入りするしかないのでしょうか。

マーキュリーの回答
前にもお伝えした通り、地代や更新料、承諾料は、お互いの合意で決めるのが原則です。
直接の話し合いが難しくなっているなら、管理会社や弁護士などの第三者を間に入れて話し合いましょう。地主さんの事情と借地人さんの事情を整理し、お互いが譲れる範囲を探っていきます。地代は少し抑える代わりに更新料で調整する、といったように、地代・更新料・承諾料のバランスを考えながら交渉するのがポイントです。

それでもまとまらない場合は、法的な手続きを考えます。今の地代が、近隣の地代の水準や、地主さんが負担している固定資産税・都市計画税などと比べて不相当に安い場合は、借地借家法にもとづいて地代の増額を請求できます。話し合いで決着がつかなければ、まず裁判所に調停を申し立て、それでも合意できない場合に訴訟へと進むのが一般的な流れです。
ただし、裁判で白黒をつけると、その後の関係がぎくしゃくしがちです。借地の付き合いはこの先も長く続きます。できる限り、話し合いで解決する道を探ることを強くおすすめします。

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底地の管理についてよくある質問

地主の方からよくいただく質問をまとめました。

更新料は必ず請求できますか

必ず請求できるわけではありません。更新料は法律で支払いが義務づけられたものではなく、契約書に定めがあるか、当事者の合意がある場合に請求できます。定めがない場合は、借地人さんとの話し合いで合意を目指すことになります。

地代を値上げしたいときは、どうすればよいですか

まずは借地人さんに、固定資産税の負担や周辺の地代の水準などの根拠を示して話し合います。合意できず、今の地代が不相当に安い場合は、借地借家法にもとづいて増額を請求できます。話し合いで決着しなければ、まず調停を申し立て、それでもまとまらなければ訴訟に進みます。

地代を滞納されたら、すぐに契約を解除できますか

すぐには難しいです。借地契約の解除には、地主と借地人の信頼関係が壊れたといえるほどの事情が必要で、数ヶ月から半年以上の滞納が一つの目安とされます。解除する前に、内容証明郵便などで期限を決めて支払いを求めておくことも大切です。

借地人が無断で建て替えた場合はどうなりますか

契約書に増改築を禁止する条項があれば、契約違反になります。ただし、それだけで契約解除が認められるとは限りません。まずは契約書を示して承諾が必要だったことを伝え、承諾料を含めて話し合うのが現実的です。条項がない場合は、借地人さんは原則として承諾なしで建て替えられます。

借地の契約書が見つからない場合、契約は無効になりますか

無効にはなりません。借地契約は口頭でも成立しているため、地代のやり取りが続いていれば契約は有効です。ただし、条件があいまいなままだと、更新や売却のときに揉める原因になります。今の当事者の間で契約書を作り直しておくことをおすすめします。

底地は借地権割合をもとにした価格で売れますか

借地権割合は、相続税や贈与税の評価に使う割合で、実際の売買価格を決めるものではありません。借地人さんに売る場合も、最終的には話し合いで価格を決めます。交渉の目安として参考にするのはよいでしょう。

底地の管理を任せると、どんなことをしてもらえますか

地代の集金や滞納の督促、更新や建替え承諾の交渉、契約書の巻き直しなどを、地主さんに代わって行います。借地人さんとの直接のやり取りが負担になっている方や、相続したばかりで状況がわからない方も、まずはご相談ください。

借地の問題は、どちらか一方の言い分を通そうとしても解決しません。裁判に持ち込むことはできても、その後も続く関係を考えると、話し合いで折り合いをつけるのがいちばんです。
マーキュリーでは、更新料や地代の交渉から、相続した底地の整理、日々の管理まで、地主さんのご相談を幅広くお受けしています。「こんなことを聞いてもいいのだろうか」という段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。