リースバックで自宅に住み続けるには?流れ・費用・リバースモーゲージとの違い

売買契約不動産売却所有権相場手数料契約書配偶者更新抵当権固定資産税

最終更新日:2026/10/28

「老後のお金が心配。でも、長年住んだこの家からは離れたくない」。そんな悩みを持つ方の選択肢として、利用が広がっているのがリースバックです。
リースバックは、ひと言でいえば「自宅を売って、そのまま借りて住み続ける」方法です。引っ越しをせずに、自宅をまとまったお金に換えられるのが大きな特徴です。
ただし、売ったあとは家賃を払い続けることになり、契約の内容によっては、思っていたより早く家を出なければならないこともあります。
この記事では、リースバックの仕組みと流れ、メリットだけでなくデメリットや注意点まで、契約前に知っておきたいことをまとめました。

リースバック イメージ

リースバックとは?

まずは、リースバックがどういうものなのか、基本から見ていきましょう。

リースバックの概要

リースバックは、自宅を不動産会社などに売却し、同時にその買主と賃貸借契約を結んで、売った家にそのまま住み続ける仕組みです。
売却代金がまとまって手に入る代わりに、それ以降は毎月、買主に家賃を支払うことになります。家の持ち主は自分から買主に移り、自分は「借りて住む人」になるわけです。
契約で買戻しの約束をしておけば、将来お金の目処が立ったときに、家を買い戻すこともできます。ただし、買い戻せるかどうかや、その価格・期限は契約次第です。買戻しを考えているなら、売却の時点で必ず条件を取り決めておきましょう。

リースバックのメリット

一番のメリットは、住まいを変えずにまとまったお金を用意できることです。家の名義は買主に移りますが、暮らしはこれまで通り続けられます。
利用者には60代以上の方が多いものの、目的は年代によってさまざまです。売却代金は、たとえば次のような用途に使われています。

  • ●住宅ローンの返済(完済して返済の負担をなくす)
  • ●老後の生活費や医療費・介護費の備え
  • ●事業資金や借入金の返済
  • ●相続対策(分けにくい不動産を、分けやすい現金に換えておく)
  • ●終活の準備

そのまま家に住み続けられることから、次のようなメリットもあります。

  • ●住み慣れた家や街で暮らし続けられる
  • ●子どもの転校や通勤先の変更が必要ない
  • ●引っ越しの手間や費用がかからない
  • ●表札や外観が変わらないため、売ったことを近所に知られにくい
  • ●固定資産税・都市計画税は、新しい所有者が負担する
  • ●買主が決まっているので、一般の売却より早く現金化しやすい

リースバックのデメリット

便利な仕組みですが、良いことばかりではありません。主なデメリットは次の4つです。

①売却価格が相場より安くなりやすい
買主は、売主に貸し続けることを前提に家を買うため、自由に使える物件より価格を低めにつけるのが一般的です。仲介で普通に売り出した場合より、手取りは少なくなると考えておきましょう。

②毎月家賃がかかる
持ち家のころにはなかった家賃が毎月かかります。家賃は売却価格をもとに決まることが多く、周辺の賃貸相場より高くなる場合もあります。長く住むほど、支払う家賃の合計は大きくなります。

③ずっと住み続けられるとは限らない
賃貸借契約が「定期借家契約」の場合、契約期間が終わると原則として退去しなければなりません。再契約できるかどうかは、買主との合意次第です。

④買い戻すときは、売った価格より高くなるのが一般的
買戻しの価格は、売却価格より高く設定されることがほとんどです。いずれ買い戻すつもりなら、その資金をどう用意するかまで考えておく必要があります。

とはいえ、「近いうちにお金が入る予定はあるけれど、今どうしてもまとまった資金が必要」「手元の資金だけではやりくりが厳しい」といった場面では、とても頼りになる方法です。デメリットを理解したうえで、自分の状況に合うかどうかを判断しましょう。

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リースバックの仕組みとは?

ここからは、実際にリースバックを利用するときの流れを見ていきます。相談から住み続けるまで、一般的には次のステップで進みます。
※細かな手続きは、会社によって異なります。

STEP

無料相談&お問い合わせ

ご自宅がリースバックの対象になるか、売却価格や家賃の希望などを、まずはお気軽にご相談ください。

STEP

物件調査

実際にお部屋の中を拝見するほか、役所で法令上の制限などを調査します。

STEP

リースバック条件の提示

売却価格、引き渡しの時期、家賃、賃貸借の契約形態や期間、買戻しの条件などをご提示します。

STEP

契約(売買契約)

条件にご納得いただけたら、売買契約を結びます。

STEP

決済(自宅の現金化)・建物賃貸借契約締結

売買代金の残りをお支払いし、所有権移転登記を行います。あわせて、提示した条件の通りに建物賃貸借契約を結びます。

STEP

賃貸として自宅に住む

毎月決められた家賃を支払うことで、売却後もそのまま住み続けられます。

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リースバックの注意点

リースバックは、「売る」と「借りる」を同時に行う少し特殊な取引です。普通の売却や賃貸にはない注意点があるので、契約前に押さえておきましょう。

不動産の所有者が不動産会社に切り替わる

当たり前のことですが、見落としがちな点です。リースバックで住み続けられても、家はもう自分のものではありません。
リフォームや増築を自由にすることはできず、ペットを飼う、誰かと同居するといったことも、賃貸借契約のルールに従うことになります。また、自宅を担保にしてお金を借りることもできなくなります。

契約後にトラブルが生じてしまうことがある

契約したあとに、次のようなトラブルが起こるケースもあります。

  • ●数年後に、買主から家賃の値上げを求められた
  • ●買主が家を別の会社に転売し、新しい所有者から退去を求められた
  • ●買い戻そうとしたら、想像以上に高い金額を提示された

家賃の値上げは、買主が一方的に決められるものではありません。周辺の家賃相場や税金の変動などを理由に値上げを求められることはありますが、話し合いで合意できなければ、調停などの手続きで決めることになります。
家が転売された場合も、普通借家契約で住み続けていれば、新しい所有者に対しても今の賃貸借契約をそのまま主張できます。一方、定期借家契約の場合は、期間が終われば退去を求められる可能性があります。

こうしたトラブルを防ぐには、次の2つが欠かせません。

  • ①契約前に、買主と条件を細かくすり合わせておく
  • ②口約束で済ませず、すべて契約書に書いてもらい、隅々まで読む

国土交通省も「住宅のリースバックに関するガイドブック」を公表し、契約前に確認すべき点を注意喚起しています。少しでも不安があれば、家族や専門家にも契約書を見てもらいましょう。

契約時には家賃の他に諸経費も必要

賃貸借契約を結ぶときには、普通の賃貸と同じように初期費用がかかることがあります。たとえば次のような費用です。

  • ●敷金
  • ●礼金
  • ●火災保険料
  • ●家賃保証会社の保証料
  • ●事務手数料

売却側でも、住宅ローンの抵当権を抹消する登記費用や、売買契約書の印紙代がかかります。売却益が出た場合は、譲渡所得税・住民税の対象にもなります。
受け取った代金をそのまま全部使えるつもりでいると、思ったよりお金が残らないこともあります。いくら手元に残るのか、契約前に見積もりで確認しておきましょう。

賃貸借の契約形態と期間を確認する

リースバックの賃貸借契約には、「普通借家契約」と「定期借家契約」があります。どちらになるかで、住み続けられる期間が大きく変わります。

普通借家契約は、期間が終わっても原則として更新されます。家主から更新を断るには正当な理由が必要なので、借りる側は長く住み続けやすい契約です。
定期借家契約は、契約期間が終わると更新されずに終了します。続けて住むには、家主と改めて再契約を結ぶ必要があります。「再契約可」と書かれていても、家賃の滞納などがあれば断られることもあります。

「ずっと住み続けたい」と考えているなら、普通借家契約かどうか、定期借家契約なら期間は何年で、再契約の条件は何かを必ず確認してください。

オーバーローンの場合にはリースバックが利用できない

家の売却価格より住宅ローンの残りが多い状態を「オーバーローン」といいます。この場合、売却代金だけではローンを返しきれず、抵当権を外せないため、基本的にリースバックは利用できません。
ただし、足りない分を預貯金などで用意できれば、リースバックで売却できる可能性があります。ローンの残高と売却価格の見込みを、まず確認してみましょう。

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リースバックとリバースモーゲージとの違い

リースバックとよく比べられるのが、リバースモーゲージです。どちらも自宅を使ってお金を用意する方法で、名前も似ているため混同されがちですが、仕組みは大きく違います。

リバースモーゲージのサービス概要

リバースモーゲージは、自宅を担保にしてお金を借りる仕組みです。家は売らずに、自分の名義のまま住み続けます。
生きている間は利息だけを支払い、元金は亡くなったあとに自宅を売却するなどして一括で返済するタイプが一般的です。

リースバックリバースモーゲージ
仕組み自宅を売って借りる自宅を担保にお金を借りる
家の名義買主に移る自分のまま
毎月の支払い家賃利息(一般的なタイプの場合)
年齢制限がないことが多いおおむね50〜60歳以上
お金の使いみち自由制限されることが多い

リバースモーゲージの特徴

リースバックとの違いがわかりやすい、リバースモーゲージの特徴を紹介します。

年齢制限

リバースモーゲージには年齢の条件があります。金融機関や商品によって異なりますが、おおむね50歳以上、または60歳以上のシニア向けのサービスです。一方、リースバックは年齢を問わず利用できる会社が多くあります。

収入条件

リバースモーゲージは、毎月の利息を払い続けられるだけの収入(年金など)があるかを審査されます。
リースバックでも家賃を払う必要があるので一定の収入は求められますが、金融機関の融資審査に比べると、柔軟に相談に乗ってもらえることが多いでしょう。

使いみち

リバースモーゲージは、借りたお金の使いみちが、生活費や住宅の購入・リフォームなどに限られていることが多く、事業資金や投資には使えないのが一般的です。
また、商品によっては同居できるのが本人と配偶者に限られる場合もあります。リースバックは使いみちが自由で、同居の条件も賃貸借契約の範囲で決まります。

リバースモーゲージが向いている人・向いていない人

リバースモーゲージには、向いている人とそうでない人がいます。

リバースモーゲージに向いている人

  • ●手元の資金が少なく、老後の生活費に不安がある方
  • ●子どもに自宅を残す必要がない方
  • ●家の名義は自分のまま、最期まで住み続けたい方

リバースモーゲージに向いていない人

  • ●担保としての評価が出にくい地域にお住まいの方
    (対象エリアを都市部などに限っている商品も多いため)
  • ●できるだけ多くの資金を用意したい方
    (借りられる額は、一般に自宅の評価額よりかなり低く設定されるため)
  • ●不動産価格の下落や長生きによるリスクが気になる方
    (地価が下がると借入限度額が見直され、差額の返済を求められることがあります。元金が最後まで残るため、長生きするほど利息の負担も続きます)

こうした向き・不向きを踏まえて、リバースモーゲージとリースバックのどちらが自分に合っているかを比べてみてください。

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リースバックを契約するには?

リースバックは、リースバックを取り扱っている不動産会社に相談します。普通の売却とは仕組みが違うため、どの不動産会社でも扱っているわけではありません。
ここまで見てきたように、リースバックにはリスクもあります。不誠実な会社と契約してしまうと、相場よりかなり安く買い取られたり、売ったあとで聞いていた話と違う条件を持ち出されたりすることもあります。
失敗しないために、次の2つを意識しましょう。

誠実な専門業者に依頼をすること

信頼できる会社かどうかは、次のような点で見極められます。

  • ●問い合わせへの返事が早い
  • ●メリットだけでなく、デメリットも説明してくれる
  • ●リースバックや不動産取引の実績が豊富

条件を見るときは、売却価格だけで判断しないことも大切です。売却価格が高くても家賃が高ければ、長く住むほど負担は大きくなります。売却価格と家賃、契約形態、買戻しの条件をあわせて見て、何年住むといくらかかるのかを担当者と一緒に確認しましょう。

契約書についてできるだけ細かくチェックすること

口頭で聞いていた話と、実際の契約内容が違っていた、というのはよくあるトラブルです。説明に安心せず、契約書に何が書かれているかを自分の目で確かめましょう。
特に、次の点は必ず確認してください。

  • ●普通借家契約か、定期借家契約か
  • ●契約期間と、期間が終わったあとも住み続けられるか(更新・再契約の条件)
  • ●家賃の改定についての取り決め
  • ●買戻しができるか、できる場合の価格と期限
  • ●修繕費用を誰が負担するか
  • ●家が第三者に売却された場合の扱い

マーキュリーでも、リースバックのご相談を承っています。「うちの家でも利用できる?」「いくらくらいになる?」といった段階でも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。

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リースバックについてよくある質問

リースバックについて、よくいただく質問をまとめました。

リースバックの売却価格は、相場と比べてどのくらいですか

一般的に、仲介で普通に売り出す場合より低くなります。買主は売主に貸し続けることを前提に購入するため、すぐに自由に使える物件より価格を抑えるのが通常です。具体的な金額は、物件の状態や立地、家賃の設定によって変わります。まずは査定を受けて、売却価格と家賃の両方を確認してみてください。

家賃はどのように決まりますか

売却価格と、買主が見込む利回りをもとに決まることが多いです。そのため、売却価格を高くすると家賃も高くなる関係にあります。周辺の賃貸相場より高くなる場合もあるので、売却価格と家賃のバランスで判断しましょう。

リースバックをしたら、ずっと住み続けられますか

賃貸借の契約形態によります。普通借家契約なら原則として更新され、長く住み続けやすくなります。定期借家契約の場合は期間が終わると契約が終了し、住み続けるには再契約が必要です。契約前に必ず確認してください。

売った家を買い戻すことはできますか

契約で買戻しの条件を決めておけば可能です。ただし、買戻しの価格は売却価格より高く設定されるのが一般的で、期限が設けられていることもあります。買い戻すつもりがあるなら、売却の時点で価格と期限を契約書に明記してもらいましょう。

住宅ローンが残っていても利用できますか

売却代金でローンを完済できれば利用できます。売却価格よりローンの残高が多いオーバーローンの場合は、足りない分を預貯金などで用意できれば利用できる可能性があります。

家族と一緒に住み続けることはできますか

できます。リースバックは賃貸借契約にもとづいて住むため、契約で認められた範囲であれば、配偶者や子どもなどの家族と同居できます。入居する人は契約時に伝えておきましょう。

リースバックで売却したとき、税金はかかりますか

売却益が出た場合は、譲渡所得税と住民税がかかります。ただし、マイホームの売却であれば、一定の要件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例を使える場合があります。詳しくは税務署や税理士に確認してください。