土地の売却は、建物のある不動産とは勝手が違います。建物の状態を気にする必要がない一方で、境界がどこにあるか、そこに建物を建てられるかといった条件が価格を大きく左右します。
なかでもつまずきやすいのが境界です。隣地との境界が確定していない土地は、買主が安心して購入できず、成約までの期間が延びます。売ると決めてから測量を始めると、数か月を要することもあります。
また、土地は建物と違って減価しません。取得したときの価格がそのまま取得費として残るため、長く保有していた土地ほど売却益が出やすく、税金の検討が欠かせません。
この記事では、土地を売る方法の選択肢から、価格の決まり方と相場の調べ方、境界の確定、手続きの流れ、費用と税金、売れにくい土地の考え方までを順に整理します。
土地を売る方法の選択肢
売り方によって、期間も手取りも変わります。まずは全体像を押さえましょう。
| 売る方法 | 現金化までの期間 | 手取りの考え方 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 仲介で売る | 数か月〜1年以上 | 成約価格から仲介手数料を差し引く | 立地がよく、時間に余裕がある |
| 直接買取 | 数日〜数週間 | 訪問査定の提示額がそのまま手取り | 期限がある・条件に難がある |
| 隣地所有者へ売却 | 交渉次第 | 交渉で決まる | 隣地に買う動機がある |
| 等価交換・共同事業 | 年単位 | 土地の対価を建物で受け取る | 事業性の高い立地 |
仲介は、買主が現れるのを待つ方法です。整形地で接道の条件もよい土地であれば、市場価格での成約を狙えます。ただし、土地は建物と違って「住みたい」という感情で動く買主が少なく、条件が価格に厳密に反映されます。条件に難があると、売り出しが長期化しがちです。
直接買取は、不動産会社が買主になる方法です。買主を探す工程がないため期間が読め、仲介手数料もかかりません。境界が未確定、形が悪い、再建築ができないといった条件でも、再生を前提に評価できます。
隣地所有者への売却は、意外と現実的な選択肢です。隣地の方にとっては、自分の敷地を広げられる、あるいは接道の条件を改善できるという動機があります。とくに狭小地や不整形地では、第三者より高く評価されることがあります。
たとえば、間口が狭く単独では家を建てられない土地が、隣地の方に売却することで有効に使われたという例があります。市場では評価されない土地でも、特定の相手には価値があります。
土地の価格の決まり方と相場の調べ方
土地の価格は、いくつかの条件の積み重ねで決まります。何が効いているのかを知れば、提示された金額を判断できます。
最も大きいのが立地です。最寄り駅からの距離、周辺の生活利便性、用途地域の指定が土台になります。次に効いてくるのが、接道の条件です。建築基準法では、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければ建物を建てられません。この条件を満たさない土地は、再建築ができず評価が大きく下がります。
形状も重要です。整形地に比べ、旗竿地、三角地、間口の狭い土地は使いにくく、そのぶん評価が下がります。高低差がある、擁壁が必要といった条件も、造成費として差し引かれます。
相場を調べる手立ては複数あります。国税庁の路線価図では、その道路に面した土地の1㎡あたりの評価額を確認できます。不動産情報ライブラリでは、実際の成約価格や地価を地図から調べられます。
全国的な傾向としては、国土交通省の不動産価格指数で住宅地が120.7という水準です(2010年平均を100とした値)。また令和7年地価公示では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも4年連続の上昇が確認されています。成約の動向については、REINSが公表する市場動向の統計も参考になります。
たとえば、路線価が1㎡あたり15万円の道路に面した50坪(約165㎡)の土地であれば、単純計算で約2,475万円が一つの目安になります。ここから形状や接道の条件による調整が入ります。
出典:国税庁|路線価図・評価倍率表
国土交通省|不動産情報ライブラリ
国土交通省|不動産価格指数
国土交通省|令和7年地価公示
東日本不動産流通機構(REINS)|不動産市場動向(統計)
境界の確定と測量|土地売却特有の準備
土地の売却で最も手間がかかるのが、境界の問題です。ここを軽く見ると、あとで手続きが止まります。
境界とは、隣地との敷地の切れ目です。現地に境界標が設置されていて、隣地の所有者との間で位置の認識が一致している状態を「境界が確定している」といいます。確定していれば、売買の面積も明確になり、買主は安心して購入できます。
問題は、確定していない場合です。古くからの土地では、境界標が失われている、登記上の面積と実測が食い違っている、隣地との認識がずれているといった状態が珍しくありません。この状態のまま売ろうとすると、買主から測量を求められます。
測量には二種類あります。現況を測るだけの現況測量と、隣地の所有者全員から立会いと署名をもらう確定測量です。売買で求められるのは通常、後者です。隣地の所有者が遠方にいる、相続で名義が変わっていない、関係が良好でないといった事情があると、数か月から年単位の時間がかかります。
費用も相応にかかります。土地の広さ、隣地の数、公道に面しているかどうかで変わり、公有地との境界確定が必要な場合はさらに時間を要します。
境界が未確定でも売却は可能です。直接買取であれば、現況のまま引き取ったうえで、その後の境界確定を買主側で進める形が取れます。時間や費用をかけられない場合の現実的な選択肢になります。
たとえば、相続した土地を売ろうとしたところ隣地の名義人がすでに亡くなっており、その相続人全員を探して立会いを求める必要が生じた、という例があります。土地の売却では、こうした事態が起こり得ます。
土地売却の流れ
手続きの道筋を把握しておけば、次に何をすべきかで迷いません。買取の場合の流れを示します。
| 手順 | 内容 | 目安の期間 |
|---|---|---|
| ① 相談・簡易査定 | 所在地・面積・接道状況から概算を算出 | 即日〜数日 |
| ② 書類の準備 | 権利証、測量図、公図などを揃える | 数日 |
| ③ 現地確認・査定 | 境界・接道・高低差を確認し、買取価格を提示 | 1〜数日 |
| ④ 条件の調整 | 金額・引き渡し時期・境界確定の扱いを決める | 数日 |
| ⑤ 売買契約・決済 | 契約を結び、代金受け取りと所有権移転を行う | 各半日程度 |
仲介の場合は、③のあとに媒介契約、広告掲載、買主との交渉という工程が入ります。土地は建物のある物件より買主が限られるため、この期間が長引きやすくなります。
④で重要なのが、境界確定を誰がいつ行うかです。売主が確定させてから引き渡すのか、現況のまま引き渡して買主側で進めるのか。ここを明確にしておかないと、決済の直前で揉めます。
⑤の決済では、代金の受け取りと所有権の移転を同時に行います。固定資産税と都市計画税は、引き渡し日を基準に日割りで精算するのが通例です。
土地売却でかかる費用と税金
手取りを見積もるには、差し引かれるものを把握しておく必要があります。
仲介で売る場合は仲介手数料が発生します。直接買取であれば、この費用はかかりません。そのほかに、売買契約書に貼る印紙税、測量費、古家がある場合の解体費、抵当権が設定されていれば抹消の費用がかかります。
税金については、売却益が出た場合に譲渡所得税と住民税が課されます。課税されるのは売却価格そのものではなく、そこから取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡所得です。
土地で注意したいのが、建物と違って減価償却がない点です。取得したときの価格がそのまま取得費として残ります。長く保有していた土地は取得時の価格が現在より低いことが多く、その差額がそのまま売却益になります。相続や贈与で取得した土地は、前の所有者の取得費と取得日を引き継ぎます。
購入時の契約書がない場合は、売却価格の5%を概算取得費として使うことになります。先祖代々の土地などでは資料が残っていないことが多く、実際の取得費より低く計算されるため、譲渡所得が大きく出ます。
所有期間の判定も税額に影響します。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得、5年以下であれば短期譲渡所得となり、適用される税率が異なります。相続した土地は前の所有者の取得日を引き継ぐため、多くの場合は長期になります。
相続税を納めた土地であれば、相続開始から3年10か月以内に売却することで取得費加算の特例を使える可能性があります。適用できれば譲渡所得を圧縮できます。いずれの特例も、確定申告をして初めて適用されます。
出典:国税庁|土地や建物を売ったとき(譲渡所得)
国税庁|長期譲渡所得の税額計算
国税庁|相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(取得費加算)
売却前に準備しておく書類
準備の質が、手続きの速さに直結します。早めに揃えておきましょう。
必要になる主なものは、登記識別情報または権利証、本人確認書類、印鑑証明書、固定資産税の納税通知書です。土地特有のものとして、測量図(確定測量図があれば最良)、公図、境界確認書が求められます。
購入時の売買契約書も探しておいてください。取得費を証明する唯一の資料であり、これがあるかどうかで納税額が変わります。手元にない場合は、購入した不動産会社や金融機関に写しが残っていないか問い合わせてみる価値があります。
古家が建っている場合は、建物の登記事項証明書も必要です。未登記の建物が残っているケースもあり、その場合は取り扱いを事前に決めておきます。
相続した土地であれば、まず登記名義を相続人へ移す必要があります。相続登記は2024年(令和6年)4月1日から義務化されており、相続を知った日から3年以内の申請が求められます。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。
書類が揃っていない段階でも相談は可能です。何が足りないのかを整理するところから始められます。
売れにくい土地のケース別の考え方
条件に難のある土地は、一般の市場では買主が見つかりにくくなります。パターンごとに考え方を整理します。
再建築ができない土地
接道が幅員4m未満、あるいは接する長さが2m未満といった土地は、建物を建て替えられません。買主が住宅ローンを組めないため、一般の市場では敬遠されます。ただし、隣地との一体利用や、建築を伴わない用途であれば活用の余地があります。再生を前提とする買取のほうが話が進みます。
傾斜地・変形地・狭小地
高低差がある、三角形をしている、間口が狭いといった土地は、造成や設計に費用がかかるぶん評価が下がります。とはいえ売れないわけではありません。隣地との一体化で価値が変わることもあるため、周辺の状況を踏まえた検討が必要です。
農地の場合
農地は農地法により、売買や転用に許可が必要です。農業委員会の許可を得ないまま所有権を移転することはできません。転用の可否は立地によって扱いが異なるため、まず現況の地目と区域区分を確認するところから始めます。
出典:e-Gov法令検索|農地法
農林水産省|農地制度の概要(農地をめぐる事情)
相続したまま放置している土地
固定資産税は毎年かかり続けます。管理が行き届かないと、草木の繁茂や不法投棄で近隣に迷惑をかけることもあります。どうしても引き取り手が見つからない場合には、相続土地国庫帰属制度という選択肢もありますが、要件と負担金の定めがあります。まずは売却の可能性を確認するのが先です。
マーキュリーが選ばれる4つの理由|あらゆる不動産を価値ある未来へ
土地の売却は、境界と権利の整理が要になります。そこを引き受けられる相手を選ぶことで、期間も手取りも変わります。
① 権利調整に対応
境界が未確定、共有名義、借地権が絡む、隣地との認識がずれているといった状態でもご相談いただけます。権利関係を解きほぐしたうえで買い取ります。
② 再建築不可・訳あり物件の再生
接道の条件を満たさない土地、傾斜地、狭小地、古家が残ったままの土地も対象です。一般の市場で敬遠される条件でも、再生を前提に評価いたします。
③ 相続対策をワンストップで
相続登記が済んでいない、相続人が複数いて話がまとまらないといった段階からご相談いただけます。司法書士や税理士と連携し、登記から売却までを一括して進められます。
④ 直接買取で仲介手数料ゼロ・査定額がそのまま手取り
買主を探すのではなく、当社が直接買い取ります。仲介手数料はかからず、測量や解体を先に済ませていただく必要もありません。訪問査定で提示した金額がそのまま手取り額になります。
土地売却に関するよくある質問
土地の売却について、お客様からよくいただくご質問をまとめました。
境界が確定していなくても売れますか
売却できます。直接買取であれば現況のままお引き取りし、その後の境界確定を当社側で進める形が取れます。測量を先に済ませていただく必要はありません。
古家が建っていますが解体してから売るべきですか
解体は必須ではありません。更地にすると住宅用地の特例が外れて固定資産税が上がるうえ、解体費が先に出ていきます。現況のままご相談ください。
購入時の契約書がないと税金は高くなりますか
売却価格の5%を概算取得費として使うことになり、実際の取得費より低くなるため譲渡所得は大きく計算されます。まずは契約書を探すことをおすすめします。
再建築できない土地でも買い取ってもらえますか
対象になります。接道の条件を満たさない土地でも、隣地との一体利用や別の活用を前提に評価いたします。
相続した土地で登記が済んでいませんが相談できますか
その段階からご相談いただけます。司法書士と連携して登記を進めながら、並行して売却の準備を整えられます。
まとめ|マーキュリーへご相談ください
土地の売却は、境界と接道の条件が結果を大きく左右します。準備すべき点を把握しておけば、手続きは滞りなく進みます。
- ●価格は立地に加えて、接道の条件と形状で大きく変わる
- ●境界の確定には隣地所有者の立会いが必要で、数か月から年単位を要することがある
- ●土地は減価償却がないため取得費が目減りせず、長く保有した土地ほど売却益が出やすい
- ●相続した土地は前の所有者の取得費と取得日を引き継ぐ
- ●更地にすると住宅用地の特例が外れ、固定資産税が上がる
境界が未確定の土地、再建築のできない土地、古家が残ったままの土地、相続したまま手をつけられていない土地も、マーキュリーは直接買取で承ります。測量も解体も先に済ませていただく必要はありません。査定は無料で、ご相談だけでも歓迎いたします。





