マンションを売ると決めたとき、最初に迷うのが「どの方法で売るか」です。買主を探して売るのか、直接買い取ってもらうのか。この選択によって、現金化までの期間も手取り額も変わります。
区分所有のマンションには、戸建てにはない固有の事情があります。管理組合の存在、管理費と修繕積立金、大規模修繕の計画。これらは価格に直接反映され、買主が必ず確認する項目でもあります。
また、マンションは同じ建物内に類似の住戸があるため、相場が比較的つかみやすい資産です。過去の成約事例を調べれば、おおよその水準は見当がつきます。
この記事では、マンションを売る方法の選択肢から、価格の決まり方と相場の調べ方、手続きの流れ、かかる費用と税金、売却を有利に進めるための準備までを順に整理します。
マンションを売る方法の選択肢
売り方はひとつではありません。事情によって適した方法が変わります。まずは全体像を押さえましょう。
| 売る方法 | 現金化までの期間 | 手取りの考え方 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 仲介で売る | 数か月〜半年以上 | 成約価格から仲介手数料を差し引く | 立地・状態がよく、時間に余裕がある |
| 直接買取 | 数日〜数週間 | 訪問査定の提示額がそのまま手取り | 期限がある・築古・訳ありの事情がある |
| 買取保証付きの仲介 | 一定期間の仲介後に買取 | 期間内に成約すれば仲介、しなければ買取 | 高値も狙いたいが期限も決まっている |
| リースバック | 数週間 | 売却後も家賃を払って住み続ける | 引っ越したくない事情がある |
仲介は、買主が現れるのを待つ方法です。市場での需要によって価格が決まるため、立地がよく状態も良好な住戸であれば高い金額を狙えます。ただし、いつ成約するかは読めません。内見の対応も必要になります。
直接買取は、不動産会社が買主になる方法です。買主を探す工程がないため期間が読め、仲介手数料もかかりません。訪問査定で提示された金額がそのまま手取りになります。内見や広告がないため、近隣に知られずに手放したい場合にも適しています。
買取保証付きの仲介は、一定期間まず仲介で売り出し、期間内に成約しなければあらかじめ決めた金額で買い取る仕組みです。高値の可能性を残しつつ、期限も確保できます。
たとえば、住み替え先の引き渡し日が決まっている場合、仲介だけに頼ると資金の目処が立たないまま日が迫ります。期限があるなら、期間の読める方法を選ぶほうが安全です。
マンションの価格の決まり方と相場の調べ方
価格がどう決まるかを知っておくと、提示された金額を判断できます。マンションの評価は、いくつかの要素の積み重ねです。
まず立地です。最寄り駅からの距離、周辺の生活利便性、学区といった条件が土台になります。次に住戸そのものの条件として、専有面積、間取り、階数、向き、眺望が評価されます。同じ建物内でも、階数と向きで金額に差が出ます。
築年数も影響しますが、戸建てほど単純ではありません。鉄筋コンクリート造は木造より法定耐用年数が長く、建物の評価が残りやすいためです。それ以上に効いてくるのが、管理状態です。
共用部の清掃が行き届いているか、修繕積立金が計画どおり積み立てられているか、大規模修繕が適切に実施されてきたか。これらは買主が必ず確認します。積立金が不足している、あるいは近く一時金の徴収が予定されている場合、評価は下がります。
相場を調べるには、公的なデータが役に立ちます。国土交通省の不動産価格指数では、マンション(区分所有)が222.2という水準です(2010年平均を100とした値)。また令和7年地価公示では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも4年連続の上昇が確認されています。
個別の相場は、不動産情報ライブラリで実際の成約価格を地図から調べられます。成約の動向については、REINSが公表する市場動向の統計も参考になります。
出典:国土交通省|不動産価格指数
国土交通省|令和7年地価公示
国土交通省|不動産情報ライブラリ
東日本不動産流通機構(REINS)|不動産市場動向(統計)
マンション売却の流れ
手続きの全体像を把握しておけば、次に何をすべきかで迷いません。買取の場合の流れを示します。
| 手順 | 内容 | 目安の期間 |
|---|---|---|
| ① 相談・簡易査定 | 所在地・面積・階数などから概算を算出 | 即日〜数日 |
| ② 書類の準備 | 権利証、管理規約、修繕計画などを揃える | 数日 |
| ③ 訪問査定 | 現地と管理状態を確認し、買取価格を提示 | 1〜数日 |
| ④ 条件の調整 | 金額・引き渡し時期・残置物の扱いを決める | 数日 |
| ⑤ 売買契約・決済 | 契約を結び、代金受け取りと所有権移転を行う | 各半日程度 |
仲介の場合は、③のあとに媒介契約、広告掲載、内見対応、価格の調整という工程が入ります。ここが数か月に及ぶため、全体の期間が長くなります。
買取では、③で提示された金額がそのまま買取価格になります。仲介手数料が差し引かれることはなく、住宅ローンの残債と抵当権抹消などの実費を除いた分が手元に残ります。
④では、引き渡し時期を売主の都合に合わせられる場合があります。住み替え先が決まるまで待ってもらう、家財を残したまま引き渡すといった調整も相談できます。
⑤の決済では、代金の受け取りと所有権の移転を同時に行います。住宅ローンが残っていれば、この場で完済して抵当権を抹消します。管理費や修繕積立金、固定資産税は引き渡し日を基準に日割りで精算するのが通例です。
マンション売却でかかる費用と税金
手取り額を見積もるには、売却価格から差し引かれるものを把握しておく必要があります。
仲介で売る場合、まず仲介手数料が発生します。売却価格に連動するため、価格が高いほど負担も大きくなります。直接買取であれば、この費用はかかりません。
そのほかに、売買契約書に貼る印紙税、住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消にかかる登録免許税と司法書士報酬が必要です。マンション特有の費用として、管理費と修繕積立金の日割り精算があります。
税金については、売却益が出た場合に譲渡所得税と住民税が課されます。課税されるのは売却価格そのものではなく、そこから取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡所得です。ここがマイナスであれば課税されません。
自分が住んでいた自宅であれば、マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除を使える可能性があります。適用できれば、多くのケースで課税されない水準まで下がります。所有期間が10年を超えるマイホームなら、軽減税率の特例も併用できます。
所有期間の判定にも注意が必要です。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得、5年以下であれば短期譲渡所得となり、適用される税率が異なります。年をまたぐかどうかで負担が変わる場面があります。
これらの特例は確定申告をして初めて適用されます。納税額がゼロになる場合でも、申告そのものは必要です。
出典:国税庁|土地や建物を売ったとき(譲渡所得)
国税庁|マイホームを売ったときの特例(3,000万円控除)
国税庁|長期譲渡所得の税額計算
売却前に準備しておくこと
準備の質が、そのまま手続きの速さにつながります。早めに揃えておきましょう。
必要になる主な書類は、登記識別情報または権利証、本人確認書類、印鑑証明書、固定資産税の納税通知書です。マンションであればこれに加えて、管理規約、長期修繕計画、直近の総会議事録、そして管理費・修繕積立金の額がわかる資料が求められます。
購入時の売買契約書も重要です。売却益が出た場合の取得費を証明する唯一の資料であり、これがないと売却価格の5%を概算取得費として使うことになります。実際の取得費より低くなることがほとんどで、そのぶん譲渡所得が大きく計算されます。
確認しておきたいのが、管理費と修繕積立金の滞納の有無です。滞納があった場合、その債務は買主に引き継がれます。区分所有法により、滞納分は次の所有者へ請求できる仕組みになっているためです。査定額に影響しますが、管理組合への照会で必ず判明するため、実態はそのまま伝えてください。
住宅ローンが残っている場合は、金融機関から残高証明書を取り寄せておきます。売却代金で完済できるかどうかが、手続きを進めるうえでの前提になります。
たとえば、名義人が亡くなった後に口座が凍結され、気づかないうちに管理費が滞納になっていたという例があります。相続が絡む場合は、まず管理組合への連絡から始めてください。
マンション売却で失敗しないための注意点
売却は多くの方にとって何度も経験することではありません。つまずきやすい点を先に知っておきましょう。
第一に、査定額の根拠を確認することです。国民生活センターは、高額な金額を提示したあとで理由をつけて値下げを迫る手口について、繰り返し注意を呼びかけています。同じ住戸に対して大きく異なる金額が出るなら、その差がどこから生まれているのかを説明してもらってください。
第二に、契約する相手が宅地建物取引業の免許を受けている事業者かどうかです。国土交通省の検索システムで、免許の有無と行政処分の履歴を確認できます。契約前に一度調べておくと安心です。
第三に、契約書の中身です。手付金の額と解除の条件、引き渡しの時期、契約不適合責任の扱いを確認してください。買取では契約不適合責任が免責となる契約が一般的ですが、実際の効力は契約書の記載で決まります。
第四に、不動産の売買契約にクーリング・オフは原則として適用されません。その場での即決を求められても、いったん書面を持ち帰って検討する時間を確保してください。急がせる相手ほど慎重に見るべきです。
たとえば、電話口で相場より高い金額を告げられ、訪問時に「調査したら想定より状態が悪かった」として大幅な減額を提示された、という相談は実際に寄せられています。金額が動くなら、必ず理由の説明があるはずです。
出典:国民生活センター|不動産売却トラブル注意喚起
国土交通省|建設業・宅建業者等企業情報検索
ケース別の考え方
置かれている状況によって、判断すべき点は変わります。代表的なパターンを整理します。
相続したマンションを売る場合
まず登記名義を相続人へ移す必要があります。相続登記は2024年(令和6年)4月1日から義務化されており、相続を知った日から3年以内の申請が求められます。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。所有期間は亡くなった方の取得日を引き継ぐため、相続直後でも長期譲渡になることがあります。
住宅ローンが残っている場合
売却代金で残債を完済できれば、抵当権を抹消して引き渡せます。売却代金が残債に届かない場合は、不足分を自己資金で補うか、金融機関と協議することになります。返済が滞る前に相談を始めるほど、選べる手立ては多く残ります。
賃貸に出している投資用マンションの場合
入居者がいる状態でも売却できます。賃貸借契約と敷金の返還義務は買主へ引き継がれ、入居者に退去を求めることはできません。税務面では、マイホームの3,000万円控除は使えず、減価償却で取得費が目減りしているため譲渡所得が大きく出やすくなります。
築古・旧耐震のマンションの場合
1981年(昭和56年)6月以前の耐震基準で建てられた建物は、買主が住宅ローンを組みにくく、一般の市場では敬遠されがちです。管理状態に問題がある物件も同様です。こうした住戸は、再生を前提とする買取のほうが話が進みやすくなります。
マーキュリーが選ばれる4つの理由|あらゆる不動産を価値ある未来へ
マンションの売却は、管理組合との調整や権利関係が絡むことがあります。事情ごと引き受けられる相手を選ぶことで、負担は大きく変わります。
① 権利調整に対応
共有名義、相続人が複数いる、離婚にともなう持分の整理といった状態でもご相談いただけます。権利関係を解きほぐしたうえで買い取ります。
② 再建築不可・訳あり物件の再生
旧耐震のマンション、管理状態に問題のある物件、事故のあった住戸も対象です。一般の市場で敬遠される条件でも、再生を前提に評価いたします。
③ 相続対策をワンストップで
相続登記が済んでいない段階からご相談いただけます。司法書士や税理士と連携し、登記から売却までを一括して進められます。
④ 直接買取で仲介手数料ゼロ・査定額がそのまま手取り
買主を探すのではなく、当社が直接買い取ります。仲介手数料はかからず、内見の対応も不要です。訪問査定で提示した金額がそのまま手取り額になります。
マンション売却に関するよくある質問
マンションの売却について、お客様からよくいただくご質問をまとめました。
リフォームしてから売ったほうが高く売れますか
必ずしもそうとは限りません。かけた費用がそのまま価格に上乗せされるわけではないためです。買取であれば現況のままお引き取りできます。
管理費や修繕積立金の滞納があっても売れますか
売却できます。滞納分は次の所有者へ引き継がれる仕組みのため査定額には影響しますが、そのままお伝えいただければ織り込んで評価いたします。
住みながら売却することはできますか
できます。買取であれば内見の対応も不要で、引き渡し時期も相談のうえ調整できます。
住宅ローンが残っていても売却できますか
売却代金で完済できれば問題ありません。残債が上回る場合は、不足分の手当てについて金融機関との協議が必要になります。
近所に知られずに売却したいのですが可能ですか
買取であれば、売り出しの広告も内見もありません。外形上は今までと変わらないまま手続きを進められます。
まとめ|マーキュリーへご相談ください
マンションの売却は、方法の選択で期間と手取りが変わります。事情に合った出口を選ぶことが、納得のいく結果につながります。
- ●仲介は高値を狙えるが期間が読めない。買取は期間が読め、仲介手数料もかからない
- ●価格は立地・住戸条件に加えて管理状態が大きく影響する
- ●管理費・修繕積立金の滞納は買主へ引き継がれるため、査定額に反映される
- ●売却益にかかる税金は譲渡所得に対するもの。マイホームなら3,000万円控除が使える
- ●相続が絡む場合は、名義を移してからでなければ売却できない
築年数の経ったマンション、管理費が滞納になっている住戸、相続したまま手をつけられていない物件も、マーキュリーは直接買取で承ります。「まず今いくらになるのか知りたい」という段階でも構いません。査定は無料で、ご相談だけでも歓迎いたします。





