不動産のポータルサイトで「告知事項あり」と記載された物件を見たことはないでしょうか。売る立場になったとき、自分の家がこの表示になるのか、なるとしたら価格にどう響くのかは、多くの方が気にされる点です。
結論から申し上げると、告知事項があること自体は売却の妨げにはなりません。問題になるのは、伝えるべきことを伝えないまま売ってしまい、あとから責任を追及される事態です。正しく告知したうえで買い手を選べば、取引は成立します。
この記事では、告知事項という言葉が指す範囲、4つの種類ごとの具体例、告知を怠った場合に売主が負う責任、価格への影響、そして買取という選択肢について順に整理します。
「言わなければ分からないのでは」という考えは、もっとも危険な発想です。仕組みを理解し、安心して手放せる形を選んでいきましょう。
「告知事項あり」とはどんな表示か
「告知事項あり」とは、その物件に買主へ必ず伝えるべき事情があることを示す表示です。広告のスペースには詳細を書ききれないため、まず存在だけを示し、詳しい内容は問い合わせや重要事項説明の段階で伝える運用になっています。
この表示は、事故物件だけを指すものではありません。建物の不具合、周辺環境の問題、法律上の制限など、買主の判断に影響しうる事情は幅広く含まれます。表示だけを見て「何かあった物件だ」と受け取られやすいのですが、実際の中身はさまざまです。
売主の立場からすると、この告知は義務であると同時に、自分を守る手段でもあります。伝えたうえで納得して買ってもらえば、引き渡し後に責任を問われるリスクを抑えられるためです。
たとえば、雨漏りの履歴を告知したうえで売却したケースと、伏せたまま売却したケースとでは、その後の展開がまったく異なります。前者は取引が完了して終わりですが、後者は補修費用の請求に発展しかねません。
告知事項は4種類に分けて考える
告知事項は、性質によって4つに分類すると整理しやすくなります。ご自身の物件がどれに当たるかを確認してみてください。
| 種類 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 心理的 | 買主が心理的な抵抗を感じる事情 | 自殺・他殺・長期間発見されなかった孤独死 |
| 物理的 | 建物や土地そのものの不具合 | 雨漏り、シロアリ被害、給排水管の故障、地盤沈下 |
| 環境的 | 周辺環境に関する事情 | 近隣の騒音・臭気、嫌悪施設の存在 |
| 法的 | 法律上の制限に関する事情 | 再建築不可、接道義務を満たさない、違反建築 |
心理的な事情は、もっとも知られている類型です。ただし、老衰や病死といった自然死は、原則として告知の対象外とされています。発見までに時間を要し、特殊清掃が必要になった場合などは扱いが変わります。
物理的な不具合は、住んでいるご本人が把握していることが多い一方、「もう直したから」と伝えそびれるケースが目立ちます。修繕済みであっても、履歴として伝えておくのが安全です。
環境的な事情は、日常的に慣れてしまい、問題として認識しにくいのが特徴です。線路や幹線道路の騒音、工場の臭気などは、外から来る買主にとっては大きな判断材料になります。
法的な制限は、書類を確認しないと分からないものが含まれます。再建築不可や接道の問題は、売却の段階で初めて判明することもあります。
告知を怠った場合に売主が負う責任
伝えるべきことを伝えずに売却すると、引き渡し後に責任を問われる可能性があります。ここは金額の話より先に理解しておきたい部分です。
売買契約では、引き渡した物件が契約の内容に適合していることが前提となります。これに反する不具合があった場合、買主は補修や代金の減額、場合によっては契約の解除や損害賠償を求めることができます。契約不適合責任と呼ばれるものです。
告知しなかった事情がこれに該当すると判断されれば、売却代金を受け取ったあとで支出が発生することになります。すでに資金を別の用途に使っていれば、対応は容易ではありません。
国民生活センターにも、不動産の売買をめぐる相談が数多く寄せられています。売った側・買った側の双方から相談が上がっており、事前の説明が不十分だったことを原因とするものが目立ちます。
たとえば、雨漏りの履歴を伝えずに売却した結果、引き渡し後に買主から補修費用を請求されたという例があります。事前に告知していれば、その分を織り込んだ価格で合意でき、後の請求は生じませんでした。
告知事項がある物件を手放す方法
告知事項があっても、手放す方法はあります。状況に応じて向き不向きがあるため、比較して選びましょう。
| 方法 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 仲介で売却 | 実需の買主を探す。告知内容によっては敬遠されやすい | 告知事項が軽微で、時間に余裕がある |
| 直接買取 | 会社が事情を理解したうえで直接購入 | 告知内容が重い・早く確実に手放したい |
| 更地にして売却 | 建物を解体して土地として売る | 建物の不具合が主な要因の場合 |
仲介では、告知の内容によって買主候補が絞られます。特に心理的な事情がある物件は、価格を下げても決まらないことがあり、売り出し期間が長引きがちです。その間も維持費はかかり続けます。
買取では、会社が事情を承知したうえで購入します。再生や活用の計画を前提に評価するため、告知事項があること自体が取引の障害になりません。契約不適合責任も原則として免責となる場合が多く、引き渡し後の請求に備える必要がありません。
解体して更地にする方法は、建物の不具合が主な要因である場合に有効です。ただし解体費用が先に発生し、土地の固定資産税の軽減が外れる点には注意が必要です。
価格への影響と目安の調べ方
告知事項がどの程度価格に影響するかは、内容によって大きく異なります。ひとくくりに考えず、種類ごとに見ていきましょう。
物理的な不具合であれば、補修に要する費用が価格から差し引かれるという考え方が基本です。金額の見当がつきやすく、根拠も説明しやすい類型といえます。
心理的な事情の場合、影響の幅は状況によって開きます。時間の経過や、その後の使用状況によっても受け止め方が変わるためです。一律の相場があるわけではないため、個別の判断になります。
水準の確認には、公的な情報が役立ちます。国土交通省の不動産価格指数では、マンション(区分所有)が222.2、住宅総合が145.4、戸建が118.6という水準です(2010年平均を100とした値)。個別の物件については、不動産情報ライブラリで周辺の成約価格を確認できます。
たとえば、周辺の一般的な取引水準を把握したうえで、告知事項による調整分の根拠を説明してもらえば、提示額が妥当かどうかを判断できます。数字の根拠を示せるかどうかが、会社を見極める材料になります。
出典:国土交通省|不動産価格指数
国土交通省|不動産情報ライブラリ
買取で手放すときに確認したいこと
告知事項のある物件を買取で手放す場合、押さえておきたい確認事項があります。契約前にひととおり目を通しておきましょう。
まず、契約不適合責任の扱いを書面で確認してください。買取では原則免責となる場合が多いものの、契約書にどう記載されているかが実際の効力を決めます。口頭の説明だけで済ませないことが大切です。
次に、取引の相手が宅地建物取引業の免許を持っているかを、国土交通省の企業情報検索で確認しましょう。免許番号や行政処分の履歴は誰でも調べられます。告知事項のある物件では、事情に通じた会社かどうかも含めて判断が必要です。
また、提示額の根拠を説明してもらってください。告知事項による調整がいくらで、その理由が何かを示せる会社であれば、後から金額が動く心配も小さくなります。高額な提示のあとで値下げを求められる事例には注意が必要です。
不動産の売買契約にクーリング・オフは原則として適用されません。内容を持ち帰って検討する時間を、必ず確保してください。
告知事項あり物件の買取の流れ
実際に買取を進める場合の段取りを確認しておきましょう。告知事項がある場合、通常の流れに情報の共有が加わります。
| ステップ | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 相談・事情の共有 | 告知事項の内容を伝え、概算の金額を確認 | 当日〜数日 |
| 現地調査・訪問査定 | 現地を確認し、買取金額を提示 | 半日〜1日 |
| 条件の確認 | 契約不適合責任の扱いや引き渡し条件を確認 | 1〜3日 |
| 売買契約 | 内容に合意し、契約を締結 | 1日 |
| 決済・引き渡し | 代金の入金と所有権の移転 | 数日〜数週間 |
最初の相談の段階で、把握している事情はすべてお伝えいただくのが結果的にいちばん早く進みます。あとから判明すると、査定のやり直しになり日数を要してしまうためです。
記録が残っていない事情でも、覚えている範囲でお伝えください。修繕の履歴や、いつ頃どのような状態だったかといった情報が、評価の精度を高めます。
マーキュリーが選ばれる4つの理由|あらゆる不動産を価値ある未来へ
告知事項のある物件こそ、事情を理解し、再生まで描ける相手を選ぶことが重要です。マーキュリーが多くの方に選ばれている理由をご紹介します。
① 権利調整に対応
借地権・底地・共有持分など、権利関係が複雑な物件の取扱い実績が豊富です。共有者との交渉や境界の調整まで自社で一貫して対応し、売主の負担を最小限に抑えて取引を前に進めます。
② 再建築不可・訳あり物件の再生
再建築不可・違法建築・傾斜地・狭小地・ゴミ屋敷状態など、活用が難しい物件も自社で再生して価値を生み出します。不動産開発事業を手がけており、買取後の活用・再販まで自社で完結できる体制です。
③ 相続対策をワンストップで
相続税の納税資金の確保、遺産分割、共有名義の整理など、単なる売却にとどまらないサポートが可能です。税理士や司法書士との連携により、税務・登記・売却を一括で進められます。
④ 直接買取で仲介手数料ゼロ・査定額がそのまま手取り
自社で直接買い取るため、仲介手数料がかかりません。査定額がそのまま買取金額として確定するため、資金計画が立てやすくなります。契約不適合責任も原則免責のため、引渡し後の心配がありません。
告知事項あり物件の買取に関するよくある質問
最後に、告知事項のある物件についてよく寄せられる質問にお答えします。
何をどこまで告知すればよいのか判断できません
判断に迷う事情は、まずお伝えいただくのが安全です。伝えたうえで対象になるかを整理するほうが、伏せてしまうよりリスクが小さくなります。ご相談の段階で一緒に整理いたします。
自然死の場合も告知事項になりますか
老衰や病気による自然死は、原則として告知の対象外とされています。ただし、発見までに時間を要し特殊清掃が必要になった場合などは扱いが異なります。状況をお聞かせください。
修繕が済んでいる不具合も伝える必要がありますか
修繕済みであっても、履歴としてお伝えいただくことをおすすめします。伝えたうえで評価に織り込むほうが、引き渡し後の請求を防げます。
告知事項があると必ず安くなりますか
内容によります。補修費用で見当がつくものもあれば、個別の判断になるものもあります。調整の根拠を説明できる会社にご相談ください。
前の所有者のときの事情も告知が必要ですか
把握している範囲でお伝えください。ご自身が知り得なかった事情についてまで責任を負うわけではありませんが、知っていることを伝えないのは避けるべきです。
まとめ|マーキュリーへご相談ください
告知事項があること自体は、売却を妨げる要因ではありません。伝えるべきことを伝えたうえで、事情を理解できる相手に手放すことが、もっとも安全な進め方です。
- ●告知事項は心理的・物理的・環境的・法的の4種類に整理できる
- ●伝えずに売ると、契約不適合責任として補修や減額を求められる可能性がある
- ●買取なら会社が事情を承知して購入し、責任も原則免責となる場合が多い
- ●価格への影響は種類によって異なり、根拠の説明を受けて判断する
- ●判断に迷う事情ほど、まず伝えておくほうがリスクは小さい
事故があったお部屋、雨漏りやシロアリの履歴がある建物、再建築不可の土地も、マーキュリーは直接買取で承ります。「これは告知事項に当たるのか」というご確認だけでも構いません。査定は無料で、ご相談だけでも歓迎いたします。





