
「いま持っているマンションを、いつ売るのがいちばん得なのだろう」と悩む方は少なくありません。売る時期が少しずれるだけで、手元に残る金額が数百万円単位で変わることもあります。だからこそ、感覚ではなく根拠をもって判断したいところです。
この記事では、マンションの売り時を見極める判断材料を、築年数、相場、金利、大規模修繕、所有期間による税率、市況の6つの切り口から整理します。2025年の築年数別の成約データや、2026年に入ってからの市況の変化、2026年4月に施行された区分所有法の改正にも触れています。
マンションは戸建てと比べて土地の割合が小さく、建物の評価が価格を左右しやすい資産です。そのため「築年数」と「市況」の影響を強く受けます。値動きの仕組みを知っておけば、焦って手放したり、売り時を逃したりするリスクを減らせます。
マンションを売るタイミングを左右する6つの判断材料


マンションの売り時は、一つの指標だけでは決まりません。築年数や相場といった物件・市場の要因に、金利や税金といった制度の要因が絡み合います。まずは、それぞれが価格や手取りにどう影響するかを大まかにつかんでおきましょう。
たとえば築15年のマンションを持っている方なら、「相場は上がっているか」「大規模修繕の前か後か」「所有期間は5年を超えたか」といったことを同時に考えることになります。判断材料を一覧にすると、自分がいまどの段階にいるのかが見えやすくなります。
| 判断材料 | 売り時に傾きやすい状況 | 主な影響 |
|---|---|---|
| 築年数 | 築25年前後まで | 築26年以降は㎡単価の下がり方が大きくなる |
| 相場 | 成約価格が高い水準にある | 高めの価格で売りやすい |
| 金利 | 買い手がローンを組みやすい | 金利が上がると買い手の予算が下がる |
| 大規模修繕 | 修繕積立金の値上げや一時金の前後 | 買い手の印象と負担に影響 |
| 所有期間・税金 | 所有5年超(売った年の1月1日時点) | 税率がおよそ半分になる |
| 市況 | 成約件数が多く、在庫が少ない | 売れるまでの期間が短くなる |
いくつかの条件が重なるタイミングが「売り時」に近いといえます。次の章から、それぞれを詳しく見ていきます。
築年数で見る売り時|価格が大きく下がる前に動く


マンションの価格は、築年数が経つにつれて下がっていくのが一般的です。実際にどれくらい下がるのか、東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が公表している2025年の首都圏の中古マンションの成約データで見てみましょう。
| 築年数 | 成約件数 | 平均㎡単価 | 平均成約価格 | 売却の考え方 |
|---|---|---|---|---|
| 築5年以内 | 3,634件 | 143.64万円 | 8,666万円 | 高値を保ちやすいが、所有5年以下だと税率が高い |
| 築6〜10年 | 5,531件 | 131.94万円 | 8,201万円 | 需要が厚く、売りやすい |
| 築11〜15年 | 4,239件 | 114.11万円 | 7,335万円 | 1回目の大規模修繕の前後 |
| 築16〜20年 | 6,087件 | 99.13万円 | 6,709万円 | 設備の古さが見られはじめる |
| 築21〜25年 | 5,935件 | 86.10万円 | 6,075万円 | 大きく下がる前の最後の節目 |
| 築26〜30年 | 5,189件 | 64.45万円 | 4,286万円 | ㎡単価が一段下がる |
| 築31年以上 | 18,454件 | 45.28万円 | 2,611万円 | 管理状態や立地で評価が分かれる |
築5年ごとに見ると、㎡単価は1割前後ずつ下がっていきますが、築21〜25年から築26〜30年にかけては約25%と、下がり方が大きくなっています。築25年前後が、価格面での一つの節目といえそうです。
一方で、築31年以上の成約は18,454件と、全体の約4割を占めています。築年数が古くても、立地や管理状態がよければ十分に買い手がつきます。なお、1981年(昭和56年)6月以前に建築確認を受けた旧耐震基準のマンションは、買い手が住宅ローン控除を使うために耐震基準に適合していることの証明が必要になるなど、ハードルが上がる点に注意が必要です。築40年を超えるマンションの売り方は築40年のマンションの売却、老朽化したマンションの考え方は老朽化マンションは売却すべき?で解説しています。
出典:東日本不動産流通機構|中古マンションの築年帯別状況[首都圏]2025年
相場で見る売り時|成約価格と在庫で市場の温度を測る


一つひとつのマンションの価格は、市場全体の相場に大きく左右されます。相場が上がっている局面では同じ部屋でも高めに売りやすく、落ち着いている時期は値下げ交渉が入りやすくなります。
市場全体の流れをつかむ指標として、国土交通省の「不動産価格指数」があります。マンション(区分所有)の指数は、2010年を100とすると200を大きく超える水準まで上がってきており、住宅地や戸建てと比べても上昇が目立ちます。
【市況データ】2026年は価格が下がりはじめ、在庫が増えている
ただし、2026年に入ってから流れが変わりつつあります。東日本レインズによると、2026年9月の首都圏の中古マンションは次のような状況でした(首都圏中古マンション9月の動向)。
| 項目 | 2026年9月 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 成約件数 | 3,457件 | 22.7%減(6カ月連続の減少) |
| 平均成約価格 | 5,111万円 | 4.5%下落(5カ月連続の下落) |
| 平均成約㎡単価 | 81万700円 | 4.8%下落 |
| 新規登録件数 | 1万7,721件 | 15.4%増 |
| 在庫件数 | 5万450件 | 15.1%増(7カ月連続の増加) |
売りに出る物件が増える一方で、買い手の動きは鈍くなり、価格も下がりはじめています。在庫を9月の成約件数で割ると、およそ15カ月分の在庫がある計算です。売り出しても、すぐには売れにくい状況になりつつあるといえます。
価格の指数は長い目で見ればまだ高い水準ですが、「いずれもっと上がるだろう」と待つより、今の価格水準とご自身の事情を照らし合わせて判断することが大切になってきています。もっとも、こうした指標は首都圏全体の平均です。ご自身のマンションがあるエリアの相場は、同じマンションや近くの物件の成約事例で確認しましょう。
出典:東日本不動産流通機構(REINS)|不動産市場動向(統計)
金利で見る売り時|買い手のローン負担が需要を動かす


マンションを買う人の多くは、住宅ローンを使います。そのため金利の水準は、買い手がいくらまでの物件を買えるかに直結します。金利が低ければ毎月の返済が軽くなり、買い手が動きやすくなります。
2026年は、住宅ローンの固定金利の上昇が続いています。住宅金融支援機構のフラット35(返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下)の金利は、2026年10月に3.830%と、前月から0.37ポイント上がりました(フラット35、2026年10月の金利)。3,000万円を35年返済で借りる場合、9月の3.460%なら毎月約12万3,000円、10月の3.830%なら約13万円で、1カ月で返済額が6,000円以上増える計算です。
金利が上がると、買い手が借りられる金額が減り、マンションの価格にも下げ圧力がかかります。先ほどの成約件数の減少も、こうした金利の上昇と無関係ではないでしょう。
ただし、金利の先行きを正確に予測できる人はいません。「金利が上がりそうだから」と売り急ぐより、ご自身の住み替えの予定や生活設計を軸に、金利の動きを判断材料の一つとして見るのが現実的です。
大規模修繕で見る売り時|修繕の前後どちらが有利か


分譲マンションでは、おおむね12〜15年ごとに大規模修繕が行われます。外壁や屋上の防水、共用部分の設備などをまとめて直す工事で、まとまった費用がかかります。この修繕の時期は、売り時を考えるうえで見落とされがちな要素です。
修繕積立金が足りないマンションでは、大規模修繕に合わせて一時金を集めたり、積立金を値上げしたりすることがあります。こうした負担が出る前に売るか、修繕が終わって「きれいになった状態」で売るかで、考え方が変わります。
| タイミング | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 修繕の前に売る | 一時金や積立金の値上げを負担せずに済む | 外観の傷みや、近く修繕があることが買い手に伝わる。一時金が決まっている場合は価格交渉の材料になりやすい |
| 修繕の後に売る | 外観や共用部がきれいで、買い手の印象がいい | 修繕費の負担は済ませたあとになる。工事中は足場やシートで内覧の印象が下がる |
買い手は、修繕積立金がきちんと貯まっているか、長期修繕計画が整っているかをよく見ています。売る前に管理会社から「重要事項調査報告書」を取り寄せ、積立金の残高や滞納の状況、今後の修繕の予定を確認しておくと、買い手への説明がスムーズです。
また、2026年4月からは改正区分所有法が施行されました。築年数の経ったマンションで、耐震性が足りないなどの理由がある場合は、建替えの決議要件がこれまでの5分の4以上から4分の3以上に緩和されています。建物と敷地をまとめて売る新しい仕組みもでき、所在不明の区分所有者を決議の母数から外せるようにもなりました。高経年マンションでは、建替えや売却の話が今後進みやすくなる可能性があります。管理組合でどんな話が出ているかも、売り時を考える材料になります。
所有期間と税率で見る売り時|5年を境に税負担が変わる


マンションを売って利益(譲渡所得)が出た場合は、所得税と住民税がかかります。このとき重要になるのが「所有期間」です。所有期間は、実際に持っていた期間ではなく、売った年の1月1日時点で数えます。5年以下なら「短期譲渡所得」、5年を超えていれば「長期譲渡所得」です。
| 区分 | 所有期間(売った年の1月1日時点) | 税率(所得税+復興特別所得税+住民税) |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315% |
| マイホームの軽減税率 | 10年超 | 利益のうち6,000万円以下の部分は14.21% |
注意したいのは「5年」の数え方です。たとえば2021年4月に買ったマンションは、2026年4月に丸5年になりますが、2026年1月1日時点ではまだ4年9カ月です。そのため2026年中に売ると短期譲渡所得になり、長期譲渡所得になるのは2027年1月1日以降に売った場合です。「丸5年を過ぎたから」と売ると、税率が約2倍になってしまうので気をつけましょう(所有期間5年以内のマンション売却の税金)。
自分が住んでいたマンションなら3,000万円控除
自分が住んでいたマンションを売る場合は、所有期間に関係なく、利益から最大3,000万円を差し引ける特別控除があります。利益が3,000万円以下なら税金はかからないため、マイホームの場合は「5年の壁」が問題にならないことも多いのです。ただし、すでに住まなくなったマンションは、住まなくなった日から3年目の年末までに売らないと使えません。
住み替えの場合は、もう一つ注意点があります。新しい家で住宅ローン控除を使う場合、新居に住み始めた年とその前後の一定期間に、前の家の売却で3,000万円控除などを使うと、住宅ローン控除が受けられません。どちらを使うほうが得かは金額によって変わるため、税理士や税務署に確認しておくと安心です。マンション売却の税金全般はマンション売却でかかる税金で解説しています。
出典:国税庁|No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
市況で見る売り時|地価や季節から流れを読む


マンションの売り時は、そのときどきの市況にも左右されます。市況とは、相場、金利、売り物件と買い手の数のバランス、経済全体の動きなどが合わさった「市場の空気」のようなものです。
【市況データ】地価公示でエリアの勢いを確かめる
国土交通省の地価公示は、毎年1月1日時点の標準地の価格を示すデータです。2026年の令和8年地価公示では、全国の全用途平均が2.8%上がり、5年連続の上昇となりました。東京圏の住宅地も3.5%上がっています(2026年の地価動向)。土地の値段は上がり続けている一方で、先ほど見たように中古マンションの成約価格は下がりはじめており、地価とマンション価格の動きにずれが出てきています。
季節による違い
一般的には、転勤や入学に合わせた住み替えが多い1〜3月と、秋の9〜11月が、買い手の動きやすい時期とされています。1〜3月に売り出すなら、前年の秋ごろから査定などの準備を始めておくと安心です。ただし、需要が高まる時期は売り物件も増えるため、季節だけで決めずにほかの判断材料と組み合わせましょう。
市況のピークを正確に当てることはできません。完璧な天井を狙うより、「市況と自分の事情が両方合うタイミング」で、納得できる水準で決めることが、後悔の少ない選択につながります。
売却方法による売り時の違い|仲介と買取で考え方が変わる


「どう売るか」によっても、ちょうどいいタイミングは変わります。代表的なのが、不動産会社が買い手を探す「仲介」と、不動産会社が直接買い取る「買取」です。
仲介は相場に近い価格を狙える一方、買い手が見つかるまでに時間がかかり、その間に相場が動くと売れる金額も変わります。在庫が増えている今のような局面では、売り出してから成約までの期間が長くなりやすい点に注意が必要です。
買取は、不動産会社が直接買うため、売れるまでの期間が読みやすいのが特徴です。価格は相場の7〜9割程度になるのが一般的ですが、仲介手数料はかからず、契約で決めた金額と日程で確実に売れます。「住み替えの期日が決まっている」「相続したマンションを早く整理したい」「税金の特例の期限がある」といった場合は、スケジュールを立てやすい買取が向いています。詳しくはマンション売却は買取と仲介どっち?をご覧ください。
売り時を考えるときは、価格だけでなく「いつまでに売りたいか」もあわせて整理しておくと、方法も選びやすくなります。マンション売却全体の流れはマンション売却の完全ガイドでまとめています。戸建ての売り時は家を売るタイミングで解説しています。
マーキュリーが選ばれる4つの理由|あらゆる不動産を価値ある未来へ
売り時を見極めたあと、どの会社に相談するかも大切です。マーキュリーは2004年の設立以来、一般的な売却が難しい物件も含めて、自社で直接買い取ってきた会社です(東京都知事(5)第84482号)。選ばれている4つの理由をご紹介します。
① 高経年マンションの再生に取り組んできた実績
マーキュリーは、古くなったマンションの建替えや敷地売却を進めるマンション再生事業に取り組んでいます。港区の高輪交陽ハイツ(総戸数106戸)では、耐震不足が判明したマンションの27戸を当社が取得して管理組合の理事長を務め、区の助成制度や国のガイドラインを活用しながら敷地売却を進めました。区分所有者の皆さまの経済条件を比べたうえで敷地売却決議を可決し、2022年7月に大手デベロッパーへ敷地を売却しています(事例を見る)。
② 複雑な権利関係も整理できる権利調整力
共有名義、借地権、入居者がいる物件など、権利関係が複雑な物件は売却が難しくなりがちです。マーキュリーは、こうした権利調整を426件手がけてきました。当社が買主として権利を取得したうえで、関係者との話し合いを当社自身の立場で進めます。共有名義のマンションは、ご自身の持分だけでも買い取っています(共有持分事業)。
③ 相続したマンションのご相談にも対応
相続したマンションは、名義変更や遺産分割など、売る前に整えることが多くあります。当社が買主として現況のまま買い取り、相続登記や税務申告が必要な場合は提携の司法書士・税理士をご紹介して、売却と並行して進められるようにサポートします(相続したマンションの売却)。
④ 直接買取で仲介手数料ゼロ・現況のまま
当社が直接買い取るため、仲介手数料はかかりません。室内のリフォームや片付けは買取後に当社が行うので、現況のままお引き渡しいただけます。広告を出さないため、同じマンションの方に知られずに売却を進められるのも特徴です。
マンションを売るタイミングに関するよくある質問
Q. 2026年はマンションの売り時ですか?
価格は長い目で見ればまだ高い水準ですが、2026年9月の首都圏の中古マンションは成約件数が前年より22.7%減り、成約価格も5カ月連続で下がっています。在庫も5万件を超えました。価格が下がりきる前に売りたい方は、売れるまでの期間が長くなることも見込んで、早めに準備を始めるのがおすすめです。
Q. マンションは築何年までに売るのがいいですか?
首都圏の2025年の成約データでは、築21〜25年から築26〜30年にかけて㎡単価が約25%下がっており、築25年前後が一つの節目といえます。ただ、築31年以上のマンションも成約全体の約4割を占めており、立地や管理状態がよければ古くても十分に売れます。
Q. 大規模修繕の前と後、どちらで売るのがいいですか?
一時金の徴収や修繕積立金の値上げが決まっているなら、その前に売ると負担を避けられます。一方、修繕後は外観がきれいになり、買い手の印象がよくなります。どちらが有利かはマンションごとに違うため、長期修繕計画と積立金の状況を確認して判断しましょう。
Q. 所有期間5年はいつから数えますか?
マンションを取得した日から、売った年の1月1日までの期間で判定します。たとえば2021年4月に買ったマンションは、2026年中に売ると1月1日時点で5年以下のため短期譲渡所得になり、2027年以降に売ると長期譲渡所得になります。
Q. 住みながらマンションを売ることはできますか?
できます。仲介の場合は内覧への対応が必要になるため、室内を片付けて予定を空けておく必要があります。買取なら現地確認は1〜2回で済み、広告も出ないため、生活を大きく変えずに売却を進められます。
Q. 旧耐震のマンションでも売れますか?
売れます。ただし、買い手が住宅ローン控除を使うには耐震基準に適合していることの証明が必要になるなど、買い手にとってのハードルは上がります。立地や管理状態によって評価が大きく分かれるため、高経年マンションの扱いに慣れた会社に相談するのが近道です。
Q. マーキュリーの対応エリアはどこですか?
東京都内を中心に、首都圏で開発を行っています。
まとめ|マーキュリーへご相談ください


マンションを売るタイミングは、築年数、相場、金利、大規模修繕、所有期間による税率、市況という複数の要素が重なるところで判断するのがおすすめです。
- ●首都圏では築25年前後を境に㎡単価の下がり方が大きくなる
- ●2026年は成約件数が減り、価格も下がりはじめ、在庫が増えている
- ●金利の上昇で買い手の予算が下がりつつある
- ●大規模修繕の一時金や積立金の値上げの前後も判断材料に
- ●所有期間は「売った年の1月1日時点」で判定する
- ●住み替えでは3,000万円控除と住宅ローン控除の関係に注意
こうした判断をご自身だけでするのは簡単ではありません。マーキュリーは、高経年マンションの再生、権利関係が複雑な物件、相続したマンションまで幅広く対応しています。売り時にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。





