農地を売却したいと思っても、「農地は勝手に売れない」「許可が必要らしい」と聞いて、手続きの複雑さに不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
実際、農地の売却は一般的な不動産売却と異なり、農地法に基づく許可や届出が必要です。しかし、正しい手順を踏めば、農地であっても売却は十分に可能です。
この記事では、農地売却の基本知識から具体的な手続きの流れ、かかる費用・税金、売れない場合の対処法まで、わかりやすく解説します。
農地売却の基本知識|農地法による規制を理解する
農地とは?農地法による規制
農地とは、耕作の目的に供される土地のことをいいます(農地法第2条)。登記簿上の地目が「田」「畑」であれば農地に該当するケースがほとんどですが、実際に耕作されているかどうかで判断されるため、地目が「宅地」でも農地とみなされる場合があります。
農地は食料生産の基盤として国が保護しており、農地法によって売買・転用に厳しい規制がかかっています。
農地の種類と売却のしやすさ
農地は「農業振興地域」内かどうか、また農用地区域(青地)に指定されているかどうかによって、売却・転用のしやすさが大きく異なります。
| 区分 | 特徴 | 売却・転用のしやすさ |
|---|---|---|
| 農用地区域(青地) | 農業振興地域内の中核農地 | 非常に難しい |
| 甲種農地 | 市街化調整区域内の優良農地 | 原則不可 |
| 第1種農地 | 10ha以上の集団農地 | 原則不可 |
| 第2種農地 | 将来的に転用可能性あり | 条件付きで可能 |
| 第3種農地 | 市街地内・市街化区域隣接 | 比較的容易 |
自分の農地がどの区分に該当するかは、市区町村の農業委員会に確認することができます。
農地の区分を把握したら、次は具体的な売却方法を見ていきましょう。
農地売却の2つの方法|農地のまま売るか、転用して売るか
農地を売却する方法は、大きく「農地のまま売却する」と「転用して売却する」の2つに分かれます。
方法①:農地のまま売却する
農地として売却する場合、農地法第3条の許可が必要です。購入者は原則として農家や農業法人に限られるため、買い手の範囲が限られます。
手続きの流れ
- 売買契約の締結(農地法許可を条件とする)
- 農業委員会へ農地法第3条許可申請
- 許可取得後、所有権移転登記
農業委員会の許可が下りるまで、通常1〜2ヶ月程度かかります。
方法②:転用して売却する(農地転用)
農地を宅地・駐車場・資材置き場などに転用して売却する方法です。転用後は一般の買い手にも売却できるため、売却価格が上がりやすい反面、転用許可の取得が必要です。
転用許可の種類
- 農地法第4条許可:自分で転用する場合
- 農地法第5条許可:転用を条件に売買する場合
市街化区域内の農地であれば、許可ではなく「農業委員会への届出」だけで転用が可能です。
売却方法のイメージがついたら、実際の手続きの流れをステップごとに確認しましょう。
農地売却の手続きの流れ|5ステップで解説
STEP1:農地の状況を確認する
まず、自分の農地の区分(青地・白地など)、市街化区域内か否か、現在の耕作状況を確認します。市区町村の農業委員会や農林水産省の農地ナビで確認できます。
STEP2:売却方法を決める
農地のまま売るか、転用して売るかを決めます。農地の立地・区分・周辺環境を踏まえて、農業委員会や不動産会社に相談しながら判断しましょう。
STEP3:不動産会社・買取業者に相談する
農地売却の実績がある不動産会社または買取業者に相談します。農地売却は専門知識が必要なため、実績のある業者を選ぶことが重要です。
STEP4:農業委員会へ申請する
売買契約締結後、農業委員会へ許可申請または届出を行います。申請書類の準備には、登記事項証明書・公図・位置図などが必要です。
STEP5:許可取得・所有権移転
農業委員会の許可取得後、法務局で所有権移転登記を行い、売却完了です。
手続きの流れを押さえたら、気になる費用と税金についても確認しておきましょう。
農地売却にかかる費用・税金
主な費用
| 費用の種類 | 目安 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 売却価格の3%+6万円+消費税(上限) |
| 農地転用許可申請費用 | 5〜30万円程度(行政書士依頼の場合) |
| 土地測量費 | 30〜80万円程度 |
| 所有権移転登記費用 | 5〜15万円程度 |
税金
農地を売却した際の譲渡所得には所得税・住民税がかかります。ただし、以下の特例・控除が使える場合があります。
農地売却の主な税制優遇
- 農地の譲渡所得の特別控除(800万円控除):農地を農業委員会のあっせんや農地中間管理機構を通じて売却した場合、800万円の特別控除が適用される場合があります。
- 収用等に伴う5,000万円控除:公共事業のために農地が収用される場合に適用されます。
税金の計算は複雑なため、税理士への相談をおすすめします。
農地は買い手が限られるため、思うように売れないこともあります。その場合の対処法を見ていきましょう。
農地が売れない場合の対処法|4つの選択肢
農地はそもそも買い手が限られるため、「なかなか売れない」という状況になりがちです。売れない場合は以下の方法を検討してください。
対処法①:農地中間管理機構(農地バンク)を活用する
各都道府県に設置されている農地バンクに農地を預け、農業を営む人に貸し出す制度です。売却ではなく賃貸となりますが、賃料収入を得ながら将来的な売却を待つ選択肢です。
対処法②:農業委員会のあっせんを活用する
農業委員会が売り手と買い手をマッチングするあっせん制度を活用することで、農地のまま売却できる可能性があります。
対処法③:買取業者に相談する
転用が難しい農地や、相続して管理できなくなった農地は、買取業者への相談が有効です。仲介では売れない農地でも、買取業者なら引き取れるケースがあります。
対処法④:寄付・相続放棄を検討する
どうしても売れない場合は、自治体への寄付や、相続放棄(相続前の場合)を検討することも選択肢の一つです。ただし相続放棄はすべての相続財産を放棄することになるため、慎重な判断が必要です。
転用や権利関係が複雑な農地こそ、専門ノウハウのある会社に相談することが解決の近道です。
マーキュリーが農地売却をサポートできる4つの理由
株式会社マーキュリーは、農地を含む訳あり物件・特殊物件の買取に豊富な実績を持っています。仲介では売れなかった農地も、自社で直接買い取れるケースがあります。
① 農地転用を含めたワンストップ対応
農地転用の手続きから売買契約、所有権移転までを一貫してサポート。複雑な行政手続きの負担を最小限に抑えて取引を前に進められます。
② 仲介では売れなかった農地の買取実績
買い手が限られる農地や、活用が難しい土地も、自社の開発・活用ノウハウで価値を見出して直接買い取ります。
③ 相続・権利調整が複雑な案件にも対応
相続した農地、共有名義、権利関係が複雑な土地など、個別事情にも一つひとつ対応いたします。
④ 直接買取で査定額がそのまま手取りに
自社で直接買い取るため、訪問査定で提示された金額がそのまま買取価格として確定します。査定額=手取り額になるのが買取の大きな特徴です。
まとめ|農地売却はマーキュリーにご相談ください
農地の売却は、農地法に基づく許可・届出が必要なため、一般的な不動産売却より手続きが複雑です。しかし、農地の区分や立地を正しく把握したうえで、適切な方法を選べば売却は十分に可能です。
- 農地のまま売る → 農地法第3条許可・買い手は農家限定
- 転用して売る → 農地法第5条許可・一般への売却が可能
- 売れない場合 → 農地バンク・買取業者の活用を検討
参考資料・出典
- ・農林水産省|農地の売買・貸借・転用 https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/
- ・e-Gov法令検索|農地法 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229
- ・農林水産省|農地中間管理機構(農地バンク) https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/kikou/nouchibank.html
- ・国税庁|土地や建物を売ったとき(譲渡所得) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm
- ・eMAFF農地ナビ https://map.maff.go.jp/





