株式投資、FX、暗号資産、ETF。コロナ渦以降、資産形成について考える機会が増え、投資ブームが起こっていますが不動産投資についてはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
あまり詳しくない方にとっては高額なため難しそう、元の資金がないからできないなど他の投資に比べて敬遠されがちではないかと思います。
今回はそのようにお考えの初心者の方に向けて、不動産投資について簡単に解説していきます。必要な元手やメリット、ポイントについて分かる内容となっております。
投資とは
投資とは利益を見込んでお金を投じることです。利益が出ることもあれば、損をしてしまう(元本割れ)こともあります。
投資による収益は「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類があります。不動産投資も含め、基本的にどの投資もこの2つに分類できます。
投資による収益
●インカムゲイン(Income Gain)
インカムゲインとは、株式投資における配当のように資産を保有することで得られる利益のことです。不動産投資においては家賃収入が該当します。
家賃はコロコロ変わるものではないため、不動産価格の短期的な変動による影響は少なく、安定的に収益が得られる一方で、年間利回りが数パーセント程度のため大きなリターンにはならず、コツコツと利益を得るモデルです。
●キャピタルゲイン(Capital Gain)
キャピタルゲインとは資産を売却することで得る利益のことで、簡単に言うと安く買って高く売るという方法です。
2,000万円で買った区分マンションを2,500万円で売却した場合、500万円が利益(キャピタルゲイン)となります。※税金、手数料は考慮せず大きな利益が得られる期待が高い分、損失が大きくなる可能性もあります。
不動産を取得後、最初の数年は保有することで家賃収入を得る。その後、不動産を手放し売却益を得る。
というようなインカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙うことも可能です。
昨今ではいきなり売却益を狙うというよりは家賃収入を得る投資が主流となっています。
不動産投資の種類は主に6つ
不動産投資と一口に言っても様々な種類があります。そもそも不動産にも戸建て、マンション、アパートがあり、新築、中古、一棟、区分、土地のみと選択肢が多くあります。
それぞれに特徴があり、必要な資金やメリット・デメリットが異なりますので、自分にあったものを選ぶことが大切です。
不動産投資は大きく分けると次の6種類に分かれます。
- 一棟マンション、一棟アパート投資
- 区分マンション投資
- 戸建て投資
- 底地収益
- 月極駐車場・コインパーキング
- 不動産投資信託J-REIT(リート)
それぞれメリット・デメリット、どのような人に向いているのかを解説していきます。
一棟マンション、一棟アパート投資
マンションやアパートを一棟丸々所有し、各部屋から家賃収入を得る方法です。
3〜4部屋の小規模なアパートから、何10部屋もあるような大規模マンションまでありますが、初心者にはハードルが高いためオススメはできません。
基本的には短期で売買をするよりも長期間保有して運用していきます。
入居者が定着すれば安定的に収益を得ることができ、もし空室が出来てしまっても他の部屋に入居者がいれば収益が0になることはないのでリスクは分散されます。
土地から新築する方法と既に入居者のいる中古の物件を購入する方法があり、いずれも初期費用は高額になります。
一棟マンション、一棟アパート投資のメリット
- 空室リスクが分散される(家賃収入が0になることはほぼ無い)
- 銀行金利より利回りが高い
- 高いリターン(収入金額)が期待できる
- 資産価値が高い
一棟マンション、一棟アパート投資のデメリット
- 初期費用が高い
- 維持管理費が高額、手間が多い
- グロスが高いため売却時に買い手が見つかりにくい可能性がある
区分マンション投資
マンションの1部屋のみを所有して行う投資です。ワンルームマンション投資などと呼ばれることもありますが、ワンルームだけでなくファミリー向けの部屋で行うこともあります。
一棟を購入するよりも初期費用・物件費用が安く済み、管理も一部屋のみでラクというメリットがある一方で、収入金額は大きくなく、利回りも低くなることが多いため、大きく儲かるというものではありません。
一棟の不動産や戸建てよりも売却がしやすいため、手放す時(売却時)に買い手が見つからないリスクが抑えられます。
また、家賃収入だけでなく短期売買をして利益を得る方法もあります。
区分マンション投資のメリット
- 自己資金が少なくても始められる
- 選べる物件が多い
- 売却がしやすい
- 維持管理費が安い、管理の手間がほぼかからない
区分マンション投資のデメリット
- 空室リスクがある
- 利回りが低い、収入金額が低い、赤字になる可能性も
- 管理費や修繕積立金の負担
戸建て投資
一戸建てを貸し出して家賃収入を得る方法です。
一棟マンション・アパートと比較すると、同じように高額な初期費用がかかる割に収益元は一箇所(貸し出す先は1家族)のみのため、わざわざ土地を購入し、新築して始めるにはメリットが少ないと思います。
アパートやマンションなどの一棟が建てられない土地を所有している人、安価で中古戸建てを購入できる場合、もしくはすでに戸建てを所有していて、転勤等の理由により引っ越すタイミングで貸し出したいという方におすすめの方法です。
ただし、安価な中古戸建ての場合、老朽化による修繕費がかかるリスクがあります。
また、中古戸建てが借地権の場合、建物を貸す際に地主の許可が必要になるため注意が必要です。
戸建て投資のメリット
- ファミリー層がターゲットのため長期間の入居が期待できる
- アパートが建たない土地を有効活用できる
- 資産価値が高い
- 一棟アパートやマンションよりも売却がしやすい
戸建て投資のデメリット
- アパートや区分よりも需要が少なく、入居までのハードルが高い
- 区分よりも維持、管理費が高い
底地投資
「底地」とは、土地所有者がその土地の使用権を第三者に貸し出している土地のことを指します。
借地権付き土地とも呼んだりします。
土地を貸すことで地代(使用料)を得ることができますが、自身が土地を自由に使えないという制約が伴います。
このため、底地は一般的な需要が少なく、市場での取引も活気がありません。底地は、更地に比べてかなり安い価格で取引されることが一般的です。
また、底地は収益として、地代のほかに一時金として権利金・各種承諾料・更新料といった収入も見込めます。
底地投資のメリット
- 土地を所有していれば初期費用無しで始められる
- 土地を貸すだけなのでメンテナンス費用が掛からない
- 更地より第三者が建物を建てた場合、土地の固定資産税が安くなる
底地投資のデメリット
- 利回りが低くなる
- 売却しづらい
- 土地を貸すので自己使用できない
月極駐車場・コインパーキング
土地の活用方法として駐車場を経営するのも不動産投資といえます。
駐車場経営をする際は、月極駐車場かコインパーキングかの戦略を決めるところから始まります。
月極駐車場は、利用者と賃貸借契約を交わし月単位でスペースを貸し出す方法です。
定着すれば安定した収入を得ることができますが、空きの場合は収入が得られません。
コインパーキングは時間単位で貸す方法で、看板や精算機、不正利用対策などの設備の設置、費用が必要になります。
利用者が多い駅前などでは高い収益が期待できますが、月の収入の予測が立てづらいというデメリットもあります。
コインパーキングの運営には、一括借り上げシステム(設置費用などは運営会社もち)もあります。
この一括借り上げシステムは、コインパーキング運営会社に所有している土地を貸し、一定の賃料を毎月もらうシステムで設備費用が掛からないメリットがあります。
土地の場所や人の流れ、生活スタイルに合わせてどちらの形態がよいか決めるようにしましょう。
土地を借りて駐車場経営をする場合、借地借家法は適用されない(借地という扱いにならない)ため注意が必要です。
底地投資のデメリット
- 初期費用が安い
- 管理・維持の手間や費用がほぼかからない
- 駅から遠くても需要がある
- すぐに始められる(建物の建築を待たなくて良い)
- 土地を別の活用をしたい場合の原状回復のリスクが少ない(建物解体が不要・立ち退きが可能)
- ・老朽化の心配がない
底地投資のデメリット
- 収入金額が低い
- 市場、需要の予測、見極めが難しい
- 更地と同じ評価のため、固定資産税や都市計画税の軽減措置が受けられない
不動産投資信託J-REIT(リート)
J REITとは多くの投資家から資金を集めてマンション・オフィスビル・商業施設などの不動産を購入し、その家賃収入や売却益を投資金額に応じて分配するという投資信託の一つです。
REITは「Real Estate Investment Trust」の略でアメリカ発の仕組みです。日本ではJapanのJを頭につけてJ REITと呼ばれています。
投資信託と不動産投資信託
投資信託は株式や債券などの有価証券に投資をしますが、不動産投資信託は不動産のみに投資をします。
不動産投資と不動産投資信託
不動産投資は初期費用が少なくて始められるといっても数十万円は必要になります。一方で不動産投資信託は1万円程度の少額からでも始めることができます。
また、不動産自体の管理や維持を行う必要はなく、住民からのクレームなど煩わしいことも起こりません。
不動産投資では難しい海外の不動産に投資することも可能です。
不動産投資信託のメリット
- 1万円程度の少額から始められる
- 運用は全て委託するので何もしなくてよい(管理・維持・修繕不要)
- 海外の不動産など選べる商品が多い
- 現金化がしやすい(売り買いがしやすい)
- 不動産取得税など税金がかからない
不動産投資信託のデメリット
- 投資金額が少額な分、リターンが低い
- 投資信託会社が倒産するリスクがある
- 空室対策やメンテナンスができない
- 不動産が手元に残らない
- 現物でないので自身で住む、駐車場にするなどの運用ができない
- 大きく儲けることができない
オーナーチェンジとは
不動産を探している時、「オーナーチェンジ物件」という言葉を聞いたことがありませんか?オーナーチェンジとはその字の通り、オーナーが変わることを指し、賃貸中の物件のことをいいます。
賃貸で住んでいる方の立ち退きは借地借家法で守られていることもあり、大変難しいことです。
そのため、不動産投資を行っているオーナーが不動産を売却したいときは、賃貸中という条件のもと所有権を移転させるという方法をとります。
既に入居者がいるため、すぐに収益が得られる、利回りや収支の計算、予測をした上で購入を検討できるなどのメリットがありますが、デメリットや注意点もあります。
なぜオーナーチェンジ物件が出回るの?
オーナーチェンジ物件で損をしないためにはまず、なぜオーナーチェンジとして売りに出されたのかについて考える必要があります。
実際に購入検討を進めていく中でオーナーに直接売却の理由を聞くことができるタイミングがあるかもしれません。
しかし、マイナスな理由の場合には正直に教えてもらえない可能性があります。
どのような売却の理由があるのか、予めパターンを知っておくことでリスクを回避しましょう。
主な理由を6つ紹介します!
①オーナー自身の理由で不動産投資を辞めたくなった
転勤により遠方への引っ越しが必要になった。本業が忙しくなり、管理や維持が手間になった。
など、オーナー自身の理由で不動産投資を辞めたくなったという理由があります。この場合は、とくに問題はありません。
②入居者や管理会社とのトラブルがあった
入居者がクレーマーで常に電話がかかってくる。
管理会社がしっかり対応をしてくれないなど、トラブルによって不動産投資を辞めたいというケースもあります。
この場合は同じような悩みを抱えることになるので、極力避けたい物件です。
③キャピタルゲインを狙っている
キャピタルゲインとは売却益のことです。
周辺地価の上昇などで、買ったときよりも不動産の価値が上がったタイミングで売り抜けようという理由でのオーナーチェンジです。
今後も地価が上がり続けるのであればいいのですが、ピーク時に買ってしまうと不動産の価値は下がる一方です。
価格とタイミングを誤らないように地価の動きや相場を把握しましょう。
④他の物件を購入するため
区分マンション投資から一棟アパート投資へ事業拡大したいなど、他の物件を購入するために売却をするオーナーもいます。
この場合もオーナー自身の都合といえますので、とくに問題はありません。
⑤まとまった資金が必要になった
不動産投資は家賃収入で大きく稼ぐということはできず、まとまった金額を手に入れるのは売却するしかありません。
マイホーム購入のために、まとまった資金が必要などという理由が考えられます。
⑥経営が難しい
キャシュフローが悪い、赤字が続いているなど不動産経営が難しいという理由も考えられます。
株式投資でいう損切りのような形で、早く手放したいと考えられています。
購入金額が高すぎた、金利が高い金融機関で借り入れをしている。などであれば買い手にはそこまで影響はありませんが、家賃収入が下がってきているのであれば注意が必要です。
オーナーチェンジのメリット
オーナーチェンジには気をつけなければいけないポイントがたくさんありますが、良い物件を選べばメリットも大きいです。ここではオーナーチェンジのメリットを紹介していきます。
①すぐに家賃収入が得られる
すでに入居者がいるため、購入後すぐに家賃収入を得られるというのは最大のメリットです。
管理費や修繕積立金だけが掛かり、入居者が見つからないというリスクを回避できます。
②入居者募集の手間が省ける
入居者を募集しようとすると募集広告の依頼、不動産会社とのやり取り、入居の審査や賃貸借契約と思ったよりもやることが多いです。
これら全てをスキップすることができます。
③急激な家賃の下落がない
新築物件は高い家賃が取れていたが、築年数が経つにつれて家賃を下げざるを得ないというのはよくある話です。
しかし、築20年の物件が築25年になったからと言って家賃5万円を2.5万円にしなければ入居者がつかないなどということはありません。
これは居住用の不動産にもいえることで中古ほど価格の見通しが立てやすいです。
④相場よりも安く購入できる可能性がある
ファミリータイプの区分マンションの場合、居住用に探している人と投資用に探している人では、後者のほうが、圧倒的に分母が少ないです。
そのため同じ物件だったとしてもオーナーチェンジの場合は、空室の部屋よりも2〜3割安く購入できることがあります。
もし、賃借人が数年で退去するのであれば、空室になった後に売却することで、相場よりも安かった分のキャピタルゲイン+数年の家賃収入を手にすることができます。
オーナーチェンジのデメリット
高い金額で買ってしまう、入居者とトラブルがあるなど考えられるリスクはたくさんありますが、ここではオーナーチェンジならではのデメリットについて紹介します。
①入居者を選ぶことが出来ない
家賃を滞納しがち、近隣とトラブルを起こすなど問題のある入居者も一定数はいます。
本来であれば入居者審査を厳しくすることで回避できることがありますが、オーナーチェンジの場合はそうはいきません。
既に賃貸中のため、よっぽどの債務不履行がない限りは追い出すことができないのです。
②契約内容の変更ができない
旧オーナーと入居者が交わした賃貸借契約の内容は、そのまま引き継がれます。
相場よりも安い、ペットを自由に飼っていいなど変更したい内容があっても変更することはできません。入居者との間で特約が決められていることもあるので予め契約内容を確認しましょう。
③室内状況や構造などの調査ができない
入居者が生活しているため、内覧をすることも出来ない場合が多いです。
図面や外観で所有者のヒアリングで判断するしかないためリスクとなります。
オーナーチェンジを選ぶときは
オーナーチェンジを選ぶときは、できるだけ情報を集めることが大切です。
図面やレントロールだけでなく、入居者との契約書、買ったときの契約書、経営状況、修繕の履歴、オーナーへのヒアリングや周辺の賃貸需要や土地相場の調査などを行い可能な限りの情報を集めることで、よい物件を見つける可能性が上がります。
不動産投資のメリット
不動産投資の種類は様々あり、それぞれにメリットがありますが、ここでは不動産投資全体のメリットについて解説していきます。
他の投資にはない不動産投資ならではのメリットや、あまり知られていない恩恵についても触れていきます。
安定した運用ができる
不動産は一度入居してもらえば短期間で引っ越しをされることは多くないと思います。
一棟アパートやマンションの場合は入居者が一気に退去されることは考えにくく、家賃も頻繁に変動するものではないため、収入が急激に減少することはほぼありません。
未来の収支予測が立てやすく、安定した運用が出来ます。入居者による家賃が毎月得られる不労所得といえます。
投資のために借り入れができる
投資を始めるには元となる資金が必要なため、まずは資金を貯めることから始めなければなりません。
しかし、不動産投資の場合は不動産が担保となるため金融機関から借り入れができます。
株式投資などに対しては金融機関の融資は受けられず、不動産投資ならではの大きなメリットです。
手元に現金を残せるほか、様々なメリットがあり、資金がある方でも借り入れをされる方は多いです。
属性によっては年収の10倍以上のローンを組むことができ、レバレッジを掛けられます。
ローンの返済は家賃収入から支払うことで、上手く運用すれば資金の少ない方でも利益を出し、運用することが可能です。
生命保険・死亡保険の代わりとなる場合も
不動産投資ローンを組む場合にほとんどの金融機関では団体信用生命保険(団信)への加入を推奨しております。団体信用生命保険とは、ローンの返済中に契約者が死亡、もしくは高度障害状態になった際に、ローンの残高がゼロになるというものです。
ローンの残高がゼロになっても不動産はそのまま残りますので、残された家族は、返済なしに家賃収入を継続して得ることもできますし、不動産を売却してまとまった現金を手に入れることも出来ます。
金融機関によっては診断されるだけで残高がゼロになるなど、それぞれの特徴がありますので、金利だけでなく保障も加味して選ぶことで生命保険や死亡保険の代わりとなります。
節税になる
「会社員の方へ!節税のために不動産投資をしませんか?」このような言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
不動産投資が節税となる理由は2つあります。
①赤字を課税所得から引くことができる
不動産投資を始めると、登記費用や不動産取得税、不動産会社への仲介手数料などの初期費用がまとめてかかります。
また入居者募集の広告費や定着するまでに時間がかかるなどを考えると初期は赤字からスタートする可能性が高いです。
しかし、不動産所得は事業所得に該当するため、赤字分は課税所得から引くことができ、所得税や住民税の金額が減ります。
納める税金が減ることで不動産投資単体は赤字でも、全体でみると黒字ということもありえます。
②減価償却費で課税所得を減らせる
減価償却費とは車や不動産などの資産を購入した金額を耐用年数で割った年に分けて費用を計上することです。
実際には支出のない金額を経費として計上できるため課税所得を減らし、所得税や住民税の金額を抑えることができます。
耐用年数が短い不動産ほど減価償却費が高くなるため節税効果が高いです。
相続税対策になる
相続が発生したとき、現預金の場合はそのままの金額が相続財産額となります。
一方で不動産の場合は、路線価や固定資産税評価額を元に相続税が決まりますが、一般的には実際の不動産売買で取引される金額よりも安く評価されます。
例えば1億円を現金で相続すると1億円の相続評価額になりますが、1億円で不動産を購入した場合、8,000万円の相続評価額になるというイメージです。(※数値は例であり評価額が下がることを保障するものではありません)
余剰資金をお持ちの方は、現金で保有するよりも不動産投資をすることで、家賃収入を得ながら相続税対策もできるというメリットです。
不動産投資のデメリット(リスク)
不動産投資には様々なメリットがあるとお伝えしましたが、当然デメリット(リスク)もあります。
リスクについてしっかりと理解をした上で運用できるように大きく5つ紹介します。
空室リスク
まず、最初に思いつくリスクとして空室のリスクがあります。
一度満室になっても全員が永久に住み続けてくれることはなく、退去・募集・入居を繰り返していくことになります。
入居者の都合による退去もあれば、近隣に建物が建った、自然災害(浸水など)が起きたなどの外的要因による退去も考えられます。
このようなリスクを回避するためには、駅近の物件を選ぶ、都心の物件を選ぶ、川や海沿いを避ける、ハザードマップを確認する、近隣の建築計画を確認するなどの対策が考えられます。
リフォームや設備投資で物件自体の魅力を高めるのも効果的です。
管理・修繕・維持が必要
不動産投資は不労所得だと言われていますが、管理・修繕・維持が必要となります。
エアコンや給湯器、ガスコンロやインターホンなど、通常に使用していてもいずれは壊れてしまうものです。
このような設備は入居者ではなくオーナーの負担で修理しなければいけません。
また、一棟マンションやアパートの場合は共用部分の清掃や建物全体のメンテナンスも欠かせません。
区分マンションの場合は自分で対応する場合もありますが、一棟マンション・アパートの場合は管理会社に依頼するのが一般的です。
定期的に管理・修繕・維持のための費用がかかりますし、毎年固定資産税などの税金もかかるためランニングコストも考えた上で収支計画を立てる必要があります。
部屋数が多いほど、そして築年数が古いほどリスクが大きくなるため気をつけたいところです。
入居者トラブル(家賃滞納)
不動産投資のリスクとして意外と見落としがちなのが入居者とのトラブルです。
多くの方はきちんと期日通りに家賃を支払ってくれますが、なかにはルーズな方や生活が困窮して滞納してしまう方もいます。
また騒音による近隣とのトラブルや室内を衛生的に使用してくれない(いわゆるゴミ屋敷)などの理由で入居者が離れてしまう場合もあります。
あくまで可能性の話ですが、学校の近くなど一人暮らしの学生が多い立地では、定期的に入居者が集まる需要がありますが、夜中に友達と集まって騒いでしまい、他の入居者のクレームになるということも考えられます。
その地域に住む方の属性から、入居者トラブルのリスクを考え物件選びをすることで回避できるかもしれません。
また、入居者審査を厳しくする、連帯保証人をつける、もしくは保証会社の加盟を必須にするなどでリスクを最低限に抑えられます。
入居審査等は自分でもできますが手間がかかるため、管理会社への委託がおすすめです。
価格の変動
株式や債券は年月が経っても古くなりませんが、不動産(建物)は物である以上、年月とともに老朽化してしまいます。
大都市の一部のエリアでは新築時よりも値上がりをすることがありますが一般的には古くなるほど価格は下がります。
また、価格の変動のリスクは不動産の価値だけでなく家賃にも関係してきます。
建物の老朽化や周辺の地価の下落は入居者からの家賃値下げの交渉の理由になってしまうのです。
古くなってしまうのは自然の摂理のためしょうがないのですが、需要の多い立地を選ぶこと、適切な管理(修繕)をすることで回避できることもあります。
金利の変動
現在金利が非常に安いため、不動産投資ローンや住宅ローンを組む人の多くは変動型金利を選択していると思います。
しかし、何十年と長い期間返済をしていくことになりますので将来的に金利が上昇し、支払総額が上がってしまうというリスクがあります。
金利の上昇のリスクを回避するには主に繰り上げ返済を行うということが挙げられます。
繰り上げ返済をすることで元本が減り、支払額を減らしていくことが出来ます。
また、タイミングが難しいのですが、金利上昇の可能性を感じたら固定金利に切り替える、借り換えをするなどの対策も考えられます。
固定金利の場合は元々変動型よりも金利が高いため、慎重に検討をする必要があります。
ところで、金利が上昇するということは同時に物価も上昇(インフレーション)していくものです。
金利の上昇だけで考えるとマイナスですが、インフレ時には不動産の価値の上昇や家賃が上がる可能性があります。
インカムゲイン・キャピタルゲインも高くなる期待ができますので、金利の上昇が一概に悪いというものではありません。
不動産投資に必要な資金
さて、いざ不動産投資を始めようと考えた場合、必要な元手はいくら位になるでしょうか。
高額な不動産の購入となるため、数千万円の現金が必要なのではと考えているかもしれません。
結論、物件やその人の属性にもよるのですが、ここでは不動産投資を始める際、一般的に必要な元手の目安について解説していきます。
不動産投資を始める際に必要な元手の目安
不動産投資を始める際に必要な元手の目安は、一般的に物件価格の2〜3割程度と言われています。
これは融資の際の頭金や初期費用を含めた数値で、属性の高い方は頭金が少なくても借り入れができることもあります。
例えば、5,000万円の物件であれば、必要な元手の目安は1,000万円〜1,500万円くらいですが、初心者の方がいきなり5,000万円の物件というのは手が出せない方が多いと思います。
物件が800万円であれば160万円〜240万円の元手で始めることが出来ますので、資金に合わせた物件選びが大切です。
必要な初期費用一覧
物件の価格以外に必要な初期費用は下記の通りです。
- 仲介手数料(不動産会社を通して物件を購入する場合)
- 登記費用(登録免許税+司法書士報酬)
- 固定資産税・都市計画税の清算金
- 管理費・修繕積立金等の清算金
- 印紙代(印紙税)
- 火災保険
- ローンの事務手数料
- ローン保証料
フルローンは可能?フルローンのメリット・デメリット
フルローンとは頭金を入れずに物件価格のすべてをローンで借りることをいいます。(物件価格+初期費用のローンを組むことをオーバーローンといいます。)
不動産投資においてフルローンを組むことは可能です。(オーバーローンも可)
メリットとして「現金を残す事ができる」、「レバレッジを掛けることができる」という点がありますので、それぞれ解説していきます。
- 「現金を残す事ができる」
- 「自分の持っているお金よりも大きな投資を行うことができる」
不動産投資には維持・管理・修繕が必要なため急な設備の故障などに備えて現金を持っておくことは重要になります。そのため自己資金がギリギリの場合はフルローンを活用し現金を残すという手段がとれます。
不動産投資に必要な元手は物件の価格が上がるにつれて高くなります。フルローンを活用することで、少ない自己資金でも高い金額の物件に投資することができるようになります。
また、フルローンのデメリットとしては「金利が高くなる」、「利回りが悪くなる」という点が挙げられます。
金利と利回りのバランスを確認しながら、フルローンを組むべきなのか、一割だけでも頭金を入れるべきなのかをご検討ください。
※注意していただきたいのは、フルローン(オーバーローン)を組めば自己資金が0円(例えば口座の残高が0円)からでも不動産投資が始められるというわけではありません。
あくまで物件価格の頭金が0円になる(初期費用を借りられる)だけであって、売買契約の際には手付金や初期費用の支払いが現金で必要になります。
フルローン(オーバーローン)を組むことで、融資実行時に物件価格分(物件価格+初期費用)のお金が振り込まれ、最終的には現金が手元に残るということになりますが、一度は手元から支払う必要があります。
不動産投資を始めるには
ここまで読んでいただいて様々な種類の不動産投資があり、メリット・デメリット、リスクがあることが分かっていただけたかと思います。
ここからは不動産投資を始めるときに、まずは何からしたら良いのか、失敗しないためにはどうしたらよいのかについて解説していきます。
不動産投資を始めるまでの流れ
不動産投資を始めるまでの流れは下記のとおりです。
人によっては前後する部分もあると思いますが、大まかにこのような順序となります。
①勉強・情報収集
不動産投資に関わらず、投資全般に言えることなのですが、よく理解できていないものにお金を出すのは投資に失敗してしまう原因です。
まずは不動産投資について学び、情報を収集しましょう。
本記事よりも細かく解説している関連記事もありますので、ぜひ合わせてお読みください。
②大まかな戦略を立てる
不動産投資には様々な種類があると説明してきました。
区分マンションにするのか、一棟アパートにするのか、土地から建てるのか、中古不動産を購入するのか。資金やリターンを考慮しながら大まかに戦略を立てましょう。
この段階では大まかな戦略で大丈夫です。
不動産投資は不動産があって初めて成り立ちます。「東京駅徒歩5分以内の築浅で家賃50万円。
利回り10%以上の区分マンションにしよう」と戦略を立てても物件がなければ意味がありません。
③物件を探す・不動産会社を見つける
大まかな戦略に則って物件を探します。
築浅で主要都市の駅近の区分マンションなどは人気のため、なかなか物件が見つからないと思います。広めの条件で物件を探して、徐々に絞り込んでいくのがおすすめです。
検討中の物件や条件に合う物件を探してほしいなどご要望があれば株式会社マーキュリーにご相談ください。
④購入の申込をする
気に入った物件がありましたら内覧をし、問題がなければ購入の申込をしましょう。
既に賃貸中の物件を購入する(オーナーチェンジ)場合は内覧ができないこともあります。
この時点ではまだ購入は確定していません。申込の順番などによって他の方に取られてしまう可能性もあります。
⑤融資の事前審査を受ける
ローンを組む場合、売買契約後に融資がおりませんでしたとなると大変なことになります。そのため売買契約前に融資の事前審査を受け、問題なく借り入れができることを確認しなければなりません。(※本審査、本申込は売買契約書が必要なため売買契約後になります。)
⑥売買契約
売買契約の際に手付金を売主へ支払います。手付金の額は5%〜10%が一般的です。
この手付金は万が一、売買契約後にキャンセルしたいという場合に、放棄することで契約を解除できるというものです。
反対に売主の方から契約を解除したいとなった場合、手付金は返還され、さらに手付金と同じ額のお金が貰えます。(手付倍返し)
⑦ローン契約
融資の本審査、そして承認後に金銭消費貸借契約を結びます。
ローン契約者にもしものことがあったときのために団体信用生命保険もこのときに加入します。
⑧賃貸管理の会社を決める
賃貸の管理については自分でもできますが入居者から急に設備が故障したなどの連絡を受けた場合、本業がある人はすぐに対応をするのは難しいと思います。
また、賃料の回収や建物の清掃、空き家が出た場合の募集などの対応を自分で円滑に進めるのは初心者の方には不可能といえます。
「連絡がマメにとれるか」などを判断材料として慎重に選びましょう。
⑨物件の引き渡し・残代金決済
融資の実行日が決まったら手付金を引いた残代金の決済と物件の引き渡しを行います。
この残代金の決済日に所有権は売主から買主へと移ります。
固定資産税や修繕積立金、既に家賃収入が発生している場合は賃料などが決済日を起算として清算します。
失敗しないためのポイント
まずは大きなリターンを狙わずに少額からコツコツと始めるのが無難です。
実際に運用してみて分かることもあります。続けることで物件を見る力もついてきます。
区分マンションからは始め、一棟マンション・アパートへステップアップしていくのも良いでしょう。
これまで説明したとおりリスクを抑え、手間なく運用していく。そして不動産の資産価値を守る適切な管理をしていくには、管理会社(不動産会社)へ委託することをおすすめいたします。
株式会社マーキュリーでは不動産管理だけでなく、独自の経験・ノウハウにより不動産収益の最大化をお手伝いしております。ぜひ一度、ご相談ください。
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資産の持つポテンシャルを最大限に活用し、収益性を向上させることで、お客様のビジネス成長を実現します。
不動産管理のパートナーとして、お客様の大事な資産をお守りします。