不動産投資においてオーナーが考えていかなければならないのは「入居率」です。入居率とは、所有している不動産の戸数に対しての入居者の割合のことを言います。例えば自分が二戸のマンションを所有していたとして、一戸に入居者が入り、もう一戸が空き室であれば入居率は50%ということになります。
入居率と似たような言葉として空室率がありますが、空室率の場合は入居率に相反します。
入居率が80%であれば、空室率は20%です。
不動産投資をはじめたからには、すべての方々が成功を考えていることでしょう。
まさに入居率は、不動産投資の成否がそのまま反映される指標です。
今回は、不動産投資における入居率を高めるコツについて解説します。
不動産投資で入居率を高めるポイント
不動産投資における成否のポイントは「入居率」にあるとよく言われています。
当然のことを言っているに過ぎないのですが、賃貸の物件に対し入居者が入ってくれないことには月々の家賃収入を得ることができません。不動産ローンを組んでいれば、赤字になってしまうでしょう。
不動産投資を相続税対策として行っている方々もいますが、投資として不動産と向き合っている以上、オーナーは必ず利益を求めていかなければなりません。
不動産投資の一番のリスクは「空室リスク」です。空室を作らない、すなわち入居率を上げることが最も重要なポイントです。
入居率の低下は新規の入居者の不足が原因
建物の立地や利便性、設備など、物件を気に入って入居してくれたとしても、居住者はいつ転居してしまうかわかりません
転居を検討される人の中には、就職や転勤などの職場環境の変化による理由や、ライフスタイルの変化、家族が増えたなどの理由で広さや間取りの違う家に住みたくなった、など不動産オーナーの力が及ばない理由の方もいます。
つまり、どんなに住みやすい物件が提供されていたとしても、物件の良し悪し以外の理由で転居されることもあるため、居住者が減り、入居率が下がるリスクをゼロにすることはできません。
退去が続くと焦って過度な設備投資などをしがちですが、今の居住者を逃さないようにするのではなく、仮に退去されても新しい入居者がすぐに入ってもらえるような循環性を高めることが大切です。
もしも新しい入居者がなかなか入らないのであれば、見直しをすべきポイントは下記の3点です。
- 家賃が高い
- 募集状況に問題がある
- 部屋のイメージが悪い
家賃が高い
家賃が地域の家賃相場より高い設定をしている場合、入居率は下がってしまう可能性が上がります。
同じような設備、築年数の物件があれば、やはり家賃の安い部屋を選ぶのは当然のことです。
長年賃貸経営をしていると、相場の増減はどうしても起きてしまうため定期的に賃料の見直しを検討すると良いと思います。
戸建て投資
入居希望者を集めるには、まずその物件が募集中であることを認知してもらう必要があります。
最近はインターネットを利用して物件情報を閲覧している方々がほとんどです。
当然ですが、インターネット情報に掲載されていなければ、どんなに条件のいい物件が提供されていたとしても、入居希望者の目にとまらないため入居率アップには至りません。
賃貸募集を依頼している不動産会社がどのような媒体や手法で募集しているのかを確認しましょう。
多くのユーザーが利用している大手のポータルサイトがオススメです。自社のHPにしか掲載していないようであれば掲載してもらうように交渉するのが良いと思います。
また、不動産会社に頼り切りの場合、その関係性が不十分であれば率先して物件を紹介してもらえず、なかなか入居希望者が集まりません。
面倒と思われるかもしれませんが、不動産会社とは良好な関係を維持するようにしましょう。
部屋のイメージが悪い
物件を探している方々が部屋や建物を内覧したとき、しっかり部屋中のクリーニングがされていなかったり、建物全体として敷地や階段にゴミが散らかっていたりすれば、悪いイメージをもってしまい入居の決断には至りません
多少相場価格よりも安いとしても、何か建物や居住者に問題があるのでは…、という疑念を持たれてしまう可能性もあります。
区分所有であれば共有部の管理は管理組合や管理会社に連絡し、一棟で所有している場合は部屋だけでなく、建物全体の清潔感を意識しましょう。
入居率の高い不動産物件の特徴
入居率を高めるには、立地と設備の充実度が重要な要素となります。
東京をはじめとする首都圏、大阪市、京都市、名古屋市、福岡市などの大都市は、多くの企業が集まるビジネスの中心地であり、また、大学や専門学校も多数存在するため、学生から大人まで多くの方の住宅需要があります。
その中でも、
- 駅から徒歩圏内(目安10分以内)
- 最寄り駅の規模が大きい(ターミナル駅、快速の停車駅、始発駅、新幹線の停車駅に近いなど)
- 生活利便施設が充実している(スーパー、コンビニ、銀行、病院、役所、小学校など)
などを満たした物件であれば、入居率を高めることが可能です。
設備に関して言えば、
- 追い炊き
- 浴室換気乾燥機
- オートロック機能などのセキュリティ設備
このような条件が揃った上で、家賃が相場、もしくは少し低い程度に設定されているとより入居率を高めることが可能です。
不動産投資で入居率を高めるポイント
ここでは不動産投資を成功するために、入居率をアップさせるためのコツについて解説します。
以下の点をおさえて入居率アップをぜひ実現してください。
- 入居者目線で考える
- 大事なのは清潔感が追求されること
- 安心を提供する
- 不動産会社といい関係を維持する
- 実績のある不動産管理会社を選ぶ
- 入居希望者に選ばれる物件であること
- サブリースシステムを有効活用する
入居者目線で考える
不動産投資の物件の入居率をアップさせるために一番大事なことは、オーナー目線ではなく、入居者の目線に立ち物事を考えることです。
入居者の目線で客観視することでいろいろと見えてくることがあります。
入居者にとって立地の良さは重要ポイントです。住んでみてこの物件は生活しやすいと思うことができれば、もっと長く住みたいという思いもわいてくることでしょう。
駅から近いことも立地の良さにつながる要因ですがそれだけではありません。
- 商業施設が多い
- 学校や病院などに近い
- 駅がキレイ
- 自然環境がある
- 職場(オフィス街)へのアクセスが良い
あたりもポイントとなります。
次に考えるべきことは、住み心地の良さを追求した仕様や設備です。
近年は、テレビや冷蔵庫、洗濯機だけでなく、パソコンやスマートフォンの充電など様々な機器が増えています。
そこで物件に多くのコンセントが用意されてあれば、入居してもらうためのセールスポイントにすることができます。
- バスとトイレが別
- 宅配ボックス
- 浴室換気乾燥機
- シャワートイレ
なども入居者の方々がより快適な暮らしを実現できるアイテムです。
入居者にここにより長く住んでいたいと思ってもらうためにもワンランクアップの仕様・設備を設置することを検討してみることがおすすめです。
ただし、あまりにも過剰な設備投資は回収ができなかったり、回収するのに時間を要してしまうことがあるのでそこには適切な判断が必要です。
また、短所だと思い続けていたことに対しても、違う視点で追っていけば長所となることもあります。
例えば、繁華街からある程度距離がある場合でも、それは不便さでなく治安がいいという見方をすることができます。
都心から物件が離れてしまっている場合も、夜間でも騒がしい環境から開放され、閑静で自然により満たされた場所で過ごすことができるなどセールスポイントを見つけることができます。
今まで気づかなかったセールスポイントを募集する際に広告に記載することでより入居率アップを期待することができます。
大事なのは清潔感が追求されること
高い機能性のある設備の追加を求めてしまえば、高いコストがかかりなかなか回収が大変です。シャワートイレや浴室乾燥機を全部屋に設置しようとすると数十万円は必要です。
しかし、それ程お金をかけなくても、いい効果を期待できるものがあります。
それはズバリ、清掃です。
入居希望者の目線に立てば、ゴミが散らばっていたり、トイレや玄関が汚れていたりすれば、それだけで入居リストから外してしまうことでしょう。
そこで大事になるのは、しっかり清掃業務や報告をしてくれる管理会社に依頼をして、共有部、専有部ともに清潔な状態で入居希望者を迎えることです。
そうすることでその物件の第一印象を良くすることができ、かつその物件を管理者、前住人が丁寧に扱ってくれているという安心感が入居希望者にもたらされることになります。
- 明るい照明を設置
- ワックスをかけてフローリングに光沢を出す
なども入居率をアップさせるための方法です。
安心を提供する
既に解説したことでも触れていますが、内覧する方々に安心感がもたらされることは大事なポイントです。
管理者、前住人が丁寧に物件を扱ってくれている、それは、入居する側にとって大きな安心材料です。
入居者に長く住んでもらうために、いわゆる「顧客満足度」を取り入れることも戦略です。
不動産投資の場合、「顧客満足度」はイコール「入居者満足度」です。モニター付きインターフォンやお風呂TVなど最先端の仕様や設備は入居者満足度アップに貢献する要因です。
さらに、水回りのトラブルや防犯、騒音トラブルなどに対して、適切かつ迅速に対応する管理システムも欠かすことができません。
管理を委託する場合、評判の高い管理会社を選ぶ必要があります。
不動産会社といい関係を維持する
不動産投資と向き合うオーナーの方々は、入居者と直接関わるのではなく、不動産会社と密な関係をもつことになります。
実際に物件を紹介し、内覧案内をして契約を成立させる一連の活動を行うのは不動産会社の方です。
そこには人と人の関わりあいがあり、いつも良好な関係を維持していないことには、入居率の問題にも関わってきてしまうことになります。
しかし、不動産会社といい関係を維持するために特別大きなことをしなければならないということでもありません。
- 連絡を密に取り合う
- 基本的なマナーを守る
- 不満がある場合も丁寧に伝える
などのルールを守ることです。
また、不動産会社からの提案を柔軟に受け入れることも、時には必要です。
「家賃は1円たりとも下げない」、「設備は故障しない限りは絶対に交換しない」などと自分の要求を押し付けるだけというのは避け、歩み寄ることが大切です。
ただし、しっかり利益を確保できるかについては、よく検討しましょう。
実績のある不動産管理会社を選ぶ
管理を委託する際、管理会社の選び方について解説します。
抑えるべきポイントは下記の通りです。
- 賃料の提案や新規募集のための提案をしてくれるか
- クレームなどの対応やトラブルを迅速に解決してくれるか
- 管理費は高すぎないか
- その地域に精通しているか
管理会社によって管理業務の内容は違います。賃料の回収と清掃のみの会社もあれば、入居率をアップするための具体的な戦略提案をしてくれる会社もあります。
自分自身が満足できるサービスを提供する管理会社を探しましょう。
クレームやトラブルへの迅速な対応と、それを解決するための専門知識の豊富さも重要です。
ただし、業務内容が良くても管理費が高すぎる場合もあるので注意が必要です。
一般的には、賃貸の管理手数料は家賃収入の5%程度といわれています。
株式会社マーキュリーでは、家賃の管理だけでなく、入居者や近隣からのクレーム・トラブル対応、賃料設定や新規募集の戦略立案、様々な交渉まで幅広く対応しています。
運営業務を通じて、オーナー様の満足度を追求し、同時に資産価値向上のお手伝いを積極的に行っています。
管理会社にお悩みの際はぜひ弊社にお任せください。
入居希望者に選ばれる物件であること
入居希望者に「ここに住みたい」とすぐに思われることは簡単ではありません。
しかし、しっかりとニーズをリサーチし、それに見合った物件を提供できれば自然と入居者は集まります。
ニーズに合わせたリノベーションは新たな魅力を創出し、入居者の募集に有効です。(リノベーションとは、住宅に新しい価値を付加することです。)
また、外観のメンテナンスも大事なポイントです。外観、共用部が物件の第一印象を左右します。
さらに、退去による空室の対策として契約の更新料を減額する、もしくは撤廃するという方法があります。
また、新規の入居希望者を増やすために、敷金や礼金をなくすことも検討する意味はあります。
サブリースシステムを有効活用する
オーナーが所有している物件を管理会社が借り上げ、毎月の家賃をオーナーに入金するシステムを、「サブリースシステム」と言います。
最近は入居率アップのために、サブリースシステムを導入しているオーナーも少なくありません。
サブリースシステムを導入するメリットは、様々な知識が要求される管理、運営業務を代行してもらうことができ、かつ家賃収入も滞りなく得ることができることです。
実際に入居者の家賃滞納は、頻繁に起こりうる深刻な問題です。
そのような事態と遭遇しても管理会社に対応してもらうことができ、時間と手間を割かれることなく安定した運用が可能となります。
実際にサブリースシステムを導入する場合は、管理会社によって契約期間、更新年数、手数料、各種条件が違っているので注意が必要です。
対応して欲しいと思っている内容を満たしているか、費用などを比較、検討してください。